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アラヤとイデアの観測記録‐・・・・・・・。

 

 

「はぁ、下らない詰まらないしょうもない、死にたい」


「アラヤどうした? 鬱か?」


「鬱だよ、こんなクソ世界に生まれて生きてるんだからな、たりめーだよなぁー」


「クソ世界とは穏やかではないな、なんだ? どうした?」


「無限に死にたいし無になりたいんだよ、俺はよ」


「ふむ、どうやら鬱なようだな。

 しかし、そんな体たらく、それでは駄目だぞ。

 私達は無限に活き活きと生きる事が求められている存在だ。

 だいたい、こんな前哨戦にもならない下位世界で、そんな有様でどうする?」


「しるか、無限に上位も下位も在り続ける、無限大階層段階次元水準世界。

 そんな時空間じゃ、ありとあらゆる基準に、おおよそ意味なんかなくなるだろうがぁ」


「確かに一理、だが主観的な基準は永久に存在し続けるのではないかね?

 私から見て、この世界は鬱にならずに百年、いや千年程度なら、らくらく生きれると想うのだが?」


「それはてめぇー、イデアの基準だろ?」


「そうだ、わたし、イデアの基準だ」


 さて、くだらねぇー会話文だ、まったく面白く楽しく可笑しくないね、退屈で何もかも飽き飽きしてんだ。

 まったく世界って奴はダメダメだ、少なくともこんなクソ世界はもう俺の中では終わってる駄目だってんだ。

 

「俺の生きる世界は、こんな場所じゃねーんだ」


「だったとしても、アラヤは此処に生きる存在だ、此処で上手く生きるしかない」


「しるか、それがヤダッテ言ってんだコラ」


「鬱々して、最大限建設的にこの今眼前のゲームをプレイする事に、意識を極限集中しないと、上司が黙ってないんじゃないの?」


「お前の上司はどうなんだよ?」


「私の上司は複数居るからね、全部全員に媚びる必要あるから、正しい振舞い方はおよそ無いに等しいんだよ」


「卑怯じゃねーか」


「アラヤだって、対極の陣営と複数契約なんだから、同一でしょ」


「お前と違って、ノルマに近いアレがあんだよ、果たせなければ地獄、死ぬよりもアレな目にあんだよコラ」


「私だって似たようなモンだよ、ノルマが一定で果たされなければ、無限の生命や超観測者権限とか剥奪されるよ」


「ただ生きる事がノルマってレベルじゃねーか」


 くっだらない会話文から少し時が流れて。

 此処は矛盾領域の中心都市、図書館都市だ。

 現実世界から此処までは、面倒な迂回経路で行かなければならない。

 具体的にはVRゲームの体で現実に存在する幻聴蚊帳、そこから無限EXステージに転移。

 その広大なゲーム世界、始まりの地に常に転移される、から、ここまでまた転移で、到着。

 まったく何時見ても巨大で巨大で強大な図書館群だ。 

 なんというか、建築物というより山って感じの印象を受ける。

 どこからともなく荘厳で優美なBGMがエンドレスで流れ続けているのも、なんか凄く拍車だな。


「イデア、ここに一々行かなくちゃいけないのって、面倒すぎて死にたくならねーか?」


「ならないけどね、しょうがないよ、全部の勢力・陣営の支部があって、共存共栄してるのって、此処以外にある?」


「ないわなぁー、そんな特殊すぎる、およそ絶対レベルの難度の不可能を、可能にしちまってるゴミ領域」


 ここの成立は、凄まじい奇跡と、無限に等しい手間隙労力費用の、醜態的な集大成の結果といえる。

 だいたい絶対対立する全ての陣営勢力を、一緒くたにする発想がヤバイだろう、さすが矛盾と名がつくだけある。

 この融和的共存領域、維持するだけでも内外の膨大な憂慮が図りしれん。

 更に言えば、此処は特移転特異点の一、絶対上位世界からの観測者群達の攻略対象都市に上げられている。

 図書館の主をはじめ、抱える秘密と言うか神秘が一線越えているのだ、知識欲のかっこうの餌食ってわけ。

 定期的にゴミ屑みたいな奴らから管理者権限を奪取したり、引き込んだり等々、情報操作や経路封鎖して、対抗しないとヤバクなったりする。

 

「矛盾勢力の基本理念、全ての矛盾を無上に内包して、至高の唯一無二に至るってのも、楽じゃなさそうだな」


 隣で「君も助力してよ」と、誰か言っているが知らない、俺の知った話ではないからだ丸。

 先からの野暮用諸事情を済ませて、やっとプライベートに時間を用いれる。

 俺はこの都市で贔屓にしている、一大図書館にいま居る。

 そんな一構造物の中庭で、遥か天から燦燦と輝く日の光を見つめるように、空を仰ぐ。

 周りは適度に均一に整備された人工自然で彩られている。

 木々や花々等々、派手にならない程度に整然と、見栄え重視である。


「単純な善悪二元論、究極的には混沌か秩序。

 どちらに絶対的に傾くか否かを、絶対の価値基準にする主義がある」


「ああ? 俺のことか?」


「そうだ、それは酷く人間的で、一線を越えるか否か、人倫や倫理観を命題にした主張、と、言えるのかもしれない」


「かもじゃねー、言えてるんだよ、確固として確実にな、どう考えても譲れない一線で一戦だろうがよぉ」


「うん、それ以外の全ては、究極的に人間を超越している、あるいは人道を外れた全て、でしかなく。

 具体的にあげれば、幻想と絶対と矛盾と虚無と絶無、あともしかしたら存在する真無か?」


「信奉するに値しない、ゴミ屑池沼ちゃねらー達の話だ、俺には一切の関係性がない無価値存在達、、。

 いや、世界のリソースを無駄に浪費することもあるから、マイナスともいえるな、全員すべからく滅びればいいし、壊滅するべきだな」


 そういうと、お互いの敵対的な、挑戦的な瞳を見て笑みを浮かべていた。


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