憂い愛する雑談記録‐シャロとタクミ
「はぁー、まったく何もかもゴミ、本当に将来性が無いガラクタ群」
「どうしたんだぁ?」
「はぁー、日本の未来を憂えてるの、もうほんと最悪としかいいようがないの」
「最悪程度でいいじゃないか、それ以下じゃないんだろ?」
「馬鹿、最高、究極的な勝利の為に生きてるんでしょうが」
「で、なんなんだ? 具体的に」
「日本は高齢化社会で、老人どもに圧迫されて国の財政も悪いし、国際的にも将来的不景気を免れ得ないっぽい。
これから先も高確率で少子化に歯止めが掛からない。
豊かさを知り生活水準が下げられない、外で遊ぶ人が減るレベルで娯楽が発達した。
だから、相当に余裕や余力がないと、人々は子育てをしない、メリットが無いわけ、もう詰んでるの」
「甘いな、まだまだ。
こう考えてみろ、将来的に社会が劇的に発展して、第二の産業革命レベルで豊かになるかもしれないだろ?」
「下らないわ、あるかも分からない希望に縋って、現状を良しとする態度。
だいたい、そのような不鮮明で不確定な社会の発展は、大きな不安定要素でもある、新時代の争いの種にもなりうる。
それも国際的な摩擦や争い等々に止まらず、一国の中でさえ、大きな戦火を醸すかもしれないの。
まったく予断を許さない感じ、でも、私達にできるのって、今を一生懸命に生きるしかない、もどかしいの」
「確かにな、分かる分かる、過度な発展は、なにを起こすか分からないのは同意。
力を手にした地域と市民が、それを独占するために、なにをかやらないかも分からない」
「そう、はぁー、、、もうホントはぁー」
「世界なんて、所詮はそんなモンだろ、諦めるんだな」
「なにその、ひねてるってか、挑発的な物言いは?」
「別に、俺は世界をその程度に見下してるの、何もかも救いようが無い。
まあだから、俺がなにが何でも頑張んなくちゃなって、理想に燃えてるんだがね」
「くっさ、貴方になにが出来るっていうの、ダメダメな奴の癖に」
「俺はそれなりにデキル奴だろ? しっかりその身に教え込まなくちゃ駄目か?」
「やめてよ、くさい発言は、それに、そう?
私から見て、貴方って全然たいした感じじゃないんだけど?
例えばさ、具体的になにができるの? 一国の総理にでもなれるのかな?」
「わるい、ちょっとデキル奴に訂正させてぇ」
「カッコわる、貴方なんてそこら辺にいる凡人モブゴミ屑なんだから、デカイ口叩いてると張り倒すわ」
「ちぃー、だったらお前は何ものなんだよ」
「シャロ様よ、なにか文句ある? わたしは偉大な存在なんだから」
「具体的になに出来んの?」
「無駄に優雅なお喋りとか?
とにかく、無条件でわたしは尊重されて優しくされて愛されるべき。
絶対唯一無二に尊く愛嬌溢れてカリスマの権化で魅力が突き抜けて誰をも魅了する、うん、そんな人間です」
「はあ、そうなんすか」
「そう、わたしは完璧超人でスーパーウーマン」
「はあ、クソ女如きがなに夢語ってんだくだらねーんだよくたばれゴミ屑」
「はあ、そうですか、悪いございましたね、貴方は心の底から死んでしまえばいいと想いますマル」
「嘘だよ、シャロは無上に幸せになるべき対象です」
「よろしい、貴方がそう想ってくれるなら、もうそれで十分。
、、、なわけないでしょ、ゴミになに想われようがどうでもいいって感じ?」
「御同意するよ、俺もお前になに想われようが誤差の範囲内、満たされた思いなんて一度もないんだからね」
「そう、悲しいわ、なんとなくなんだけれども」
「うそ、俺はいつもお前に想われて心がピョンピョンして無上に満たされてるよ、ありがとう」
「どういたしましてね、嬉しくなくもないわよ?」
「凄く嬉しいくせに、つよがんなよ、俺の前くらいでは素直でいろよコノ」
「相変わらずね、気持ち悪い、私以外の全人類に嫌われてる生命体って自覚、貴方にある?
真底から可愛そうな奴。貴方の生存理由って、掛け値なしで私にほんのちょっと気に掛けてもらってるだけ」
「それはお前だ、俺に重宝されてるのが、唯一無二の生命線で、見捨てられた死んじゃうくせに、生意気」
「ほんとうっざうっざ、貴方に対する殺意みたいなのが抑えられなくて苦しいんだけど?」
「おら来いよ、やってやんよ」
「下らないわ、何もかも、ホント貴方を特に含めた世界が嫌になるんだけど? どうしてくれる」
「知らんがな、俺は常に俺の持てる限りの最善を尽くしてんだ、全責任は俺を生み出し育んだ世界に在る」
「意味わかんない、最大限自助努力してから、世界に文句言いなさいよ、最低の屑。
だいたい貴方は世界の一部、世界の責任をできる限り背負う義務がある。
無理なんて言わせない、そんな弱さを認めるなんて、わたしが一存によって絶対無上に許さない」
「どう思おうが思われようが、好きにすればいい、俺はそれすら糧にするだけだかんな」
「知ってる、私が貴方を最底辺の最悪って思ってるって事だけは、自覚して。
そして罪悪感と背徳感と、その他、劣等感や羞恥心やコンプレックスで、年中発狂してればいい、見ていて面白いもの他人事として」
「そうかい、ちなみに、俺もシャロを同じ様に思ってるから、よろしく」
「うそつき、わたしのこと、無上の愛の対象として胸に秘めてるくせに、ねえ、そうでしょう?」
「ふざけろ、俺はお前なんて、どうでもいいもんね、傲慢になるのもいい加減にしないと、正味見捨てるぞ」
「残念でした、わたしはこれでも謙虚に言ってるの。
貴方の素直な気持ちなんて、気持ち悪いくらい私ラブに溢れて一色、気持ち悪いくらい貞操の危機を禁じえないんですけど?」
「知るか、妄想も頭のお花畑だけにしておけ、俺を巻き込まないようにしろ」
「やだ、私は毎日、今もふくめて、貴方を加虐する事だけ考えてる、その衝動を、今も抑えきれないでいる。
知ってる? 私って毎日毎日できることなら貴方を掛け値なしに拷問して絶望と激痛に喘がせて殺し続けたいの。
そうすれば、きっと凄く満ち足りた、わたしの望む理想の、、、面白いって思ってるの」
「精神病患者が、さっさと更生しておけ、手遅れになる前にな」
「無理、知ってるでしょ? 私ってもう手遅れな奴なの、処置なし、詰んでるような奴。
だからさ、貴方になんとかしてもらうしか、道がないの、こんな私でもさ、救おうと心の底から思ってくれるんでしょ?」
「どうだかね、俺は俺のできる範囲内の事しかできない、最善も次善も尽くすつもりだが、どうにもならない事もあるんだ」
「それでいいの、貴方が私の為に、貴方の最善を、ベスト、己の全力を賭けた無上を尽くしてくれる。
それだけで、わたしにとっては無限の救い、光明になるの、魂が震えてるほどの充足と満足の熱量を与えてくれる。
わたしが、こんなに思ってるって、いつも覚えておいてよ?
全部一切漏らさずに損にならないように、貴方が感じて利用してくれれば、活用された私はもっと嬉しくなるんだからね?」
「だな、過剰な賞嘆を受け取ったよ、正直不安と恐怖と尊敬の念に押しつぶされそうだ」
「私の愛情の質量は無限だから、貴方はもう私に蹂躙されているでしょう」
「無限なんてありえない、何もかも物理世界では有限大にしかなりえない、感情すら例外じゃない。
この世でないどこか、外側にでも行かない限り、な、つまりはお前の言ってることは虚言だな」
「虚言で、何が悪いの? 虚言を最大限楽しめばいいじゃない?
真実なんて関係ないし興味もないし、どうでもいい。
貴方が真実の存在かどうかさえもね、わたしが真実と信じて、絶対の倫理とする、それが絶対の真実なの」
「、、、、、俺にとっては重要だ、お前が無限大に愛してくれてるって、信じたら大損なんだよ」
「なにが駄目なの? 私の為に、損してよ、それも大損のね、いや?
貴方は私の事が無上に大好きで、わたしは無限大に貴方が大事って、絶対の真実があるのよ。
それとも、わたしが貴方のことを、平素な物理法則を完全超越して、無限大に愛しているって、信じたくない? 信じてみたくないの?
これって、凄く信じるに値する凄い感情だとは、確信に満ち溢れてこない?
わたしは信じてるよ?
貴方は私が無限大に大好きで、大事で、どうしようもない、そういう絶対の人なのよね。
そして、もちろん無論わたしも、貴方の絶対の信用たる、絶対の相互相思相愛者なのよね」
「ふん、信じてみたくなる話に、果たしてなりえるかどうか、絶妙にギリギリで分かれるよ」
「曖昧に濁してくれて、小癪な奴だわ。
もう何もかも放り捨てて、私の為にデレればいい」
「やだよ、どうせデレた瞬間に、気持ち悪いだろが」
「当然、貴方は今が最善、変にラブリーに振舞おうとすると単純に萎えるわ」
「くそが、お前だって、てか現在進行形で萎えるってレベルじゃねーぞ」
「うそ、貴方にとって、この瞬間こそが人生の全盛期更新みたいな? 至高なんでしょう?」
「そう思ってればいい」
「そう、思ってて、欲しいんでしょ? 知ってる、ちゃんとそう思ってるから、安心していいのよ?」
「うえ、うえ、気持ち悪くなってきたよ」
「偶然、わたしも気持ち悪くなってきた、でも悪くない気持ち悪さだわ、吐き気がするけど、もっともっと食べたい、みたいな?」
「よく分からない名状し難い感覚だ、もっと続けろとは敢えて言ってやらんがな」
「いや、今日はこれで御終い、与えすぎると、収穫逓減、費用対効果が一定でマイナスになっちゃうからね。
過ぎたるは、なお及ばざるが如し、ってね」
「へん、ただのネタ切れを上手く言ったもんだぜ、ほんとまったく」




