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四十三章 幽々子さ~ん

そういえば100話目突破したみたいですな、これ。

どうしようか・・・


「あなたはだ~れ?」



紫の後ろに回り込み、服をぎゅっと握って若干警戒気味な薄青い着物を着た誰かさん。


さて、ちょっといきなりだが、これを見てくれ、この展開、どう考える?

まず紫の案内した先に今後お世話になるでっかい屋敷に着いたかと思えば、玄関でいきなり紫が誰かの名前を呼んだかと思えば桃色髪の可愛らしい娘が現れ、で、今がさっき説明した状態というわけだ。



「俺は蔡、まあ旅人」



まあでも・・・とりあえず自己紹介は済ませておこう。警戒されっぱというのもアレだしな。



「で、後ろに居る奴らは、九尾の尻尾がふさふさなのが藍、緑髪でちょい危険な思考を持っていそうなのが風見幽香。で、ここには居ないけど、亜紀と流美亜って子もいるんだ」



とりあえず一通り勝手にだが紹介する。

まあ、一部の奴から笑顔で睨まれまくりだが。主に幽香とか幽香とか。



「後でお話しましょう、蔡?」


「子供を脅かすような顔をしてはいけません。ほら見ろ」



あまりにも恐い顔をするものだからその小さい娘の方を指差す。すると



「・・・・」



先程の紹介のせいか、顔を隠し目だけをこちらに、如何にも警戒してますよと言いたげに幽香を睨む。とは言ってもまだまだ幼いせいか睨んでも全然、むしろ可愛いと思ってしまうのは罪か?



「え、ちょ、待って!私はそんな危険なやつじゃないわよ!!」


「お姉さん、恐い」


「こ、恐くない恐くない!ほら、至って平穏よ!?」



必死に言いながら近づこうとする幽香。しかし娘は紫から離れると後ずさりし、さらに警戒色を強める。



「あ~あ、蔡様、後が恐いですよ?」


「はは、良いじゃないか」



呆れ顔で言う藍。まあもし話し合いが始まっても負ける気はせんがな!!

 そんな中、今だに必死に警戒を解こうと頑張る幽香。だが全く結果がよろしくない。さっきよりもさらに後ずさられている。



「あ~も~、蔡、幽々子を怖がらせないでちょうだい」


「ははは、良いじゃないか、これくらいした方が覚えてくれやすいってものだ」



藍と同じように呆れ顔を俺に向ける紫。

 あ、あの娘、壁に追い詰められたみたいだ。



「ねぇ?お姉さんと話せば分かるわ?ね?だからこっちに来て?」


「お姉さん恐い人!だから付いていっちゃったら帰って来れない!」



一瞬で静まり返る玄関。そしてそんな中、誰が吹き出したのか、ぶっ、という声が聞こえた。



「あははははは!!もう誘拐魔認定!!?早いわね!!あはははははは!!!」



紫であった。もう腹を抱えるほどの失笑っぷりである。というか失笑とかいう話なのか、賢者さん。普段の凛々しい姿はどこへ消えた。



「・・・・・・・・・」



そしてそんな中、鋼鉄のごとく固まってしまった幽香は徐々に徐々に紫の方に顔を向けると、もうどう表現したら良いのか分からないほど素晴らしい笑みを浮かべ



「さあて、ゆかりちゃ~ん?お話しましょうか~?」



物凄い殺気を身に纏い紫に接近する。それに対し紫は今だに笑い転げながらもスキマを開くとそのまま逃走していった。



「待ちなさいこらぁぁぁぁーーーーーー!!!」



そしてそれを見た幽香は素晴らしい笑みから一転、鬼すら一瞬で逃げても不思議ではないほどの危険な般若を顔に浮かべ、開きっぱなしのスキマにでかい光線をぶっ放しながら突撃していった。そして幽香がそのスキマに入っていくとスキマは閉じていってしまった。


そして、残された俺らはというと・・・



「・・・・・えっと、とりあえずあれであいつはしばらく誤解されまくりだな」


「・・・・・で、どうします?」



なんだか物凄く微妙な感じになっていた。そんな折、俺はチラッと娘の方を見る。


見られた本人はというと、さっきのこともあってか、ビクッと体を強ばらせる。



「はい頑張ってくださいね、この空気はあなたが原因でもあるんですから」


「・・・うん、そうだね」



非難の目をしながら俺に頑張るよう言う藍に俺は、まあ仕方ないな、と思い、深呼吸すると女の子に近づく。



「お嬢ちゃんの名前は何か、聞いていいかい?」



なるべく優しく、比較的丁寧に聞く。それに対し女の子は壁に背を着け、少し警戒しながらも



「私は幽々子、西行寺幽々子」



と自己紹介をしてくれた。



「幽々子ちゃんって言うんだね?よろしく」



そう言うと俺は腕を伸ばし、握手を求める。それを見た幽々子ちゃんは少し悩んだ表情を浮かべたが、すぐに笑顔を浮かべると



「うん!よろしく!!」



と握手を返してくれた。



「うんうん、将来子供が出来たらこの娘のように可愛い子になって欲しいものだ」



うんうんと涙を流しながら何かすごいことを言う藍。おい待て、それ早すぎだろ。



「まあそれよりもだ、紫達は?まだ帰ってこないのか?」


「あの幽香の形相だと、そう簡単には終わらないでしょう」



・・・うん、そうだな、その通りだ。



「ねぇねぇ」


「うん?」



幽々子が俺の服を引っ張ってくる。



「どうした?」


「お部屋案内してあげよっか?」



首を傾げ、聞いてくる幽々子に俺は可愛いとまた思ってしまった。これは間違ってないよな?可愛いよな?この子。



「そうだね、そうしてくれると助かるよ」


「うん!じゃあ行こ!」



そう言うと太陽のような明るい表情を浮かべ、俺の腕を掴みながらいこいこ!っと急かしてくる。俺はそんなに急がなくても大丈夫だよ、と言いながらも引っ張られていくのであった。



「まるで娘でも持った感じだな」



何やら後ろからそんな言葉が聞こえたが・・・まあ良いか、とりあえず、早く部屋に案内してもらおう。




あ、それはそうと、幽香と紫、それに亜紀と流美亜はいつ帰ってくるんだろう?





















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