四十章 さあてぇ・・・・
寒くなったり暑くなったり・・・どっちかにせい!
短くクオリティももヘボとか・・・まじ乙・・・
小説書いてて今日のコンディションが分かるっていうのもある意味便利だよね。
今日は・・・最低な状態だね
「ではこれにて」
「うむ、また近くに来たら参られよ、歓迎するゆえに」
「ええ、そうさせてもらいます」
小鳥が元気良く鳴く中、山の入口で俺達は天魔さんと風綱に見送りに来てもらっていた。他の奴らは・・・・爆睡中だ。
そもそも何故そんな朝早くに見送りかというと、まああれだ、早く起きすぎた、このひと言に限る。
まず初めにまだ太陽が頭ら辺しか姿を見せていない時に俺が起床。次に藍が起床。さらには幽香、紫、亜紀、流美亜が次々に起床するという、謎の展開に。しかも皆眠気が全くない。
普段は太陽が姿を現しきってから起きるのが普通だが、今回ほど早く起きることなんて事は本当に珍しい。何かあるとでも言うのだろうか?
「ではこれで」
「うむ・・・ああ、待たれよ」
挨拶も済み、行こうとした瞬間突然呼び止められた。何だ?俺は疑問に思いながら振り返る。
「これを持っていけ。寝る前などにあったら良いであろう」
するとそう言い突然俺に何かを投げてきた天魔さん。俺はそれを慌てて受け取るとその何かを見る。これって・・・
「酒?」
「うむ」
酒だった。しかし何故酒?
「なあに、お茶ばかりでは飽きるだろうと思うてな」
「はは」
まあ確かに、と思いながら紫に手渡し、スキマに収納してもらう。相変わらず便利なもんだ、スキマって。
「ありがとうございます。寝る前にもで飲ませてもらいますよ」
「うむ。では今度こそ、達者でな」
「はい、ありがとうございます」
そう言うと俺達は改めて出発した。まだ決めかねている目的地に向かって・・・
「・・・あの者ら、何か加護があるのかのう?」
「加護?」
短くも楽しく過ごし、友になった蔡達を見送ってから少しして、姿が見えなくなったところで意味深に言葉を漏らす天魔様。
「それはどういう意味でしょうか」
「・・・・」
私が気になり質問をするが天魔様は腕を組むだけで何も答えず、ただじっと目を瞑り黙り込んでしまった。
「頃合か・・・」
「え?」
頃合?何がだ?
「風綱よ、今回が最後になるのは必至。天魔になる覚悟はしておけ」
その言葉に私に言いようのない不安が襲いかかってくる。
「どう言う意味ですか!?突然天魔になる覚悟なんて!まさか何か危険なことでもする気ではないでしょうね!?」
「なに、死にはせんよ。ただ今回が最後になる、ただそれだけじゃわい」
そう言うと笑いながら山に戻っていく天魔様。一体何だというのだ、まだ鬼達との問題が済んでいないというのに。
「ああ、それと、あの狐の小童から渡された犬走宛の手紙、ちゃんと渡すんじゃぞい?」
笑いながらそう言うといつの間にか止めていた歩みを再開させ、また登っていってしまった。
「・・・・・」
分からない、何故あんなことを言ったのだろうか・・・私は不安に感じながらも里に帰るべく飛び立った。何もなければ良いのだが、と願いながら・・・
「よく分からず起床しましたが・・・次どこ行きます?」
「・・・・さあなぁ」
さて、見送りも済んだしいざ!!ってなった瞬間、目的地決めてないことに気づき少し経った今、俺達は意味もなく西に向かって歩み続けている。
「なあ紫、どっか良い場所知らないかぁ?」
「・・・」
「なあ、聞いてるのか~?」
「・・・」
ん?まさかの連続無視?あれぇ?俺何かしたか?とりあえず肩でも叩いてやろうじゃないか。
「おい」
「え?あ、ごめん、何かしら?」
「えぇ~・・・」
肩を叩き意識を戻してやると案の定話を聞いていなかった紫。
「珍しいな、お前がぼうっとするなんて。体調でも悪いのか?」
「う、ううん!全く大丈夫正常そのもの平和第一よ!?」
「・・・・・」
・・・なんだか紫が変。ボケっとするのもそうだが、早口に喋るのも変だ。違和感しかない。
「あ、ああそういえば何故今日は全員早起きなのかしら!」
「・・・・」
そしていきなり話を逸らすのも変。
「・・・」
「・・・ええっと、何?」
とりあえず不審に思った俺は黙って紫を見続ける。
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・いやん、そんなに見続けちゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
うん、とりあえず正常だ、馬鹿な部分があるが、とりあえず正常だ。よし、話を続けよう。
「で、話を戻すが、何で今日はあんなに早起きなんだ、俺ら」
「突っ込みなしって、酷くない?」
「あ~、はいはい、艶やか艶やか」
「・・・・・拗ねてやる」
そう言うとスキマに入り拗ねてしまった紫。とりあえず正常に戻ったようだ。
「まあ拗ねた馬鹿は無視して、どうしてだ?」
「さぁ・・私にもさっぱり」
「そうねぇ、これといって理由はないわねぇ」
「私もないよ」
「ないですね」
「ううむ・・・」
どうやら皆特に際立ったような理由はない様子。どういうことだろうか。
「何かの前触れとかでしょうか?」
「前触れ?」
「ええ。普段やらないような事をする時は決まって何か起きると言いますから」
「ふうん」
普段やらないことねぇ。でも今日みたいに早い起床ってそう少なくはなかったはずだがなぁ。
「それ以外に何か予兆とかないのか?」
「そうですねぇ・・・紐がちぎれたり、変に寒気がしたり・・・ああ、後は夢ですかね」
「夢?」
「はい。例えば何度も同じ夢を見たりとか、見るたびに物語が進展していくものとか」
藍が丁寧にも教えてくれる中、俺はその話に少し該当するある一つの夢を思い出した。
見たこともない村が燃える夢。
最近は見ることもなく平和に夜を過ごせているから特に気にせず記憶からも消えかかっていたが、藍の話を聞いて脳裏に過ぎってしまった。
でも最近は見ないし、問題ないだろう。
そう考えた俺はその事を頭の隅に置き、話を聞く。
「まあ滅多なことではそんなもの見ませんけどね」
「だろうね」
が、その言葉を最後に話は世間話に切り替わってしまった。
まあ良いか、別に何か起きるってわけでもないし。
「昨日の宴会で聞いたのですが、最近羽衣を探している美女がいるって話を聞きましたよ」
「ああ、私も聞いたわ」
「私も」
「ほかには・・・」
ただ思うんだよな、いや思うというより感じる?とでも言うのか、いつか将来、とんでもないことに巻き込まれそうな感じがする。外れてくれればいいんだけど・・・