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番外編 その頃の紅魔館・・・

リア共が楽しむ日が刻一刻と来てるね・・・いいなぁ・・・


「はい終了~。次回は10分後くらい」



にとりが映画の電源を落とし、その終了の合図とともに賑やかになる紅魔館映画館。

中には席を離れ、コーラやらオレンジジュースなどを飲みに行っている者もいる。


そんな中私は恒例のアレをすることにしました。


皆様、こんにちは。

紅魔館の執事である、アレス・スカーレットでございます。

 現在の時刻は既に夜中の2時・・いやぁ、早いものです。え?いつの間にそんなに時間が経ったのかって?・・・まあ集中すればあっという間ってやつですよ。

 さて、とりあえず私はコーラを飲みに行きましょう。



「あれを見て思い出しましたよ!まだあの時のリベンジを果たせてませんでした!!という訳で勝負です!!アレスさん賭けて!」


「はっ、リベンジもクソもないだろ。それと賭けるもなにも、お前煙たがれてるじゃないか」


「そうだぞ文。私も八雲の九尾に同感だ」


「そうねぇ、しかもあれだけ早く終わっちゃうとねぇ・・・」



席を立ち、コーラを飲みに行こうと考えた矢先、何やら騒がしいところが・・・見てみるとあれは藍と文と紫と天魔ですねぇ。

 何してるんでしょうか。少し見に行ってみましょう。

私は早速席を離れ、文達のいる席に近づく。



「何を話してるんですか?」


「ああ、これはアレスさん!ちょっと聞いてくださいよ!!さっきですねぇ!!・・・」

一通り話を聞いてみるとなんてことはなく、さっきの戦闘を見てリベンジするのをすっかり忘れていて、せっかくなので私の意見総無視に私を商品にバトろうとしたところ、一斉に言葉で叩きのめされ、勝負ができないとのこと。

 で、結論から言うと・・・



「それは無理という話ですね。というか私の意見無視すんな」


「ええ!?どうしてですか!?ありえないでしょう!?そしてあなたの意見なんて聞いていては進展しませんので気にしません」


「よし表出ろ」


「え、やだ、アレスさん、大胆・・・まあいいですよ、愛し合う者同士、そういったことも・・・」



そう言いながらスカートを際どいところまでチラッとさせて誘惑しようとする文。

 しかしそれをすると・・・・



「「「「・・・・」」」」



とまあ殺気立つわけですよ。何か一人追加されて。

もちろん私はそんなDLCなんて買ってませんからね、勝手に来るわけですよ。



「あら天狗、勝手に私の親族を奪わないでくれるかしら?」


「なぜですか?いずれ家を出るのが人間ではないのですか?それを妨害するなんてその人にとって悪影響でしょ?」


「というか親族だからってそれを言う権限ってあるのかしら?」


「そうだな。なんて言ったってまだ『仮』の長だからな」


「あっても結局本人の意思次第だろ」


「ふっ・・・吸血鬼もなかなか面倒なものだ」


「えっ、なにこの仕打ち」



先ほどの文の発言で目敏く聞きつけ現れたレミィ、しかし登場していきなり退場の危機ですね。



「うるさいわよ!仮でも長は長よ!!」


「でもアレスが本気で出て行くって言ったらあなたどうするのよ」


「そうだそうだ、どうするんだ」


「というかそもそも出て行くって言った時点で長もクソも無いですよね!」


「そうだよな、そうなったらコイツの場合命令よりも泣きつくだもんな。そんなんじゃあアレスも安心して隠居できないだろうし・・うわぁ、結局何がどうあれまだこの紅魔館から出れないというわけだ」


「うるさいわね!!これでもまだまだ発展途上なのよ!それとそんなの関係なしにまだまだ兄様を外には出さないわよ!!」



レミィをいじり笑い出す3人。それに対しレミィ顔を真っ赤にして怒り出す始末。

しかしそんな楽しい雰囲気の中、私は笑わずにレミィを見つめる。


隠居、か・・・・そういえば何時そんなことできるようになるんでしょうかね。

 この紅魔館に来て、そして父上様に家族と認めてもらえ、早うん百年・・・

父上様が死ぬ直前に私に言われた、『お前が良いと思うまで家長を努めてほしい』という言葉・・・未だにその『良い』と思える日が来ません。

 一日も早く真に家長として君臨してもらうため、仮の長として彼女に表向きは座を渡したり、勉強を教え、長とはなんたるかを教えたりもしました。

 しかし・・・一向にその努力が報われる日が来ません・・・何故でしょうね。

 レミィはちゃんと話を聞き、真面目に勉強だってしてます。まあ最近ちょっとサボりがちですけど・・・それでも努力は怠ったりしてません。なのに何故・・・



「どうかなさいました?」



一人深く考え込んでいるといきなり隣から声が聞こえてきました。

 その声の主を見てみると



「咲夜ですか」


「はい」



我が紅魔館のパーフェクトメイド、十六夜咲夜がいました。



「いえ・・・ただ、いつになったら私は隠居できるのかなぁ、と思いましてね」


「隠居、ですか?」


「ええ」



そう言うと咲夜は少し驚いた表情をしました。

 何がそんなに驚いたのでしょうか?



「どうしたんですか?そんなに驚いて」


「いえ、ただ・・・私はアレス様はずっとこの館に住むものだと考えていたものですから」


「まあその道も考えたのですがね・・・結局この紅魔館はスカーレット家のものであって、私のようなよそ者がいつまでも治める訳にはいかないんですよ」


「どうしてですか?別にいいじゃないですか。お嬢様のお父上様からも家族として認めてもらえてるのでしょう?」


「ええ、まあそれは・・・」



認めるというよりも物凄く強引に快く認めてくれましたよ。今でも覚えてますよ。

その時の言葉は


「よし、今日からお前はスカーレット家の親族だ!だからお前が危険な目にあったらそいつを殺す!良いな!?これから俺達は家族だ!OK!?」

です。


なんというか・・・・ダイナミックな方でしたね。多分90%レミィは父上様の血を継いでますね。




「でもだからと言っていつまでもというわけにはいきませんよ。現に父上様からも『良い』と思うまで、ですから」


「はぁ・・・そうなのでしょうか・・・」



どこか納得できていないのか、難しい表情になっている。



「は~い、さっさと席ついてね~、始めるよ~」



そんな中、上映再開の声が掛かる。

少し何か漠然としないまま、席に着くとそのまま上映するまで無言で過ごしました・・・でも、真剣に考えないと・・・。

 真に家長としてレミィを・・・いや、レミリア・スカーレットを継がせ、この館を去るのか・・・・それとも結果はどうあれ死ぬまで、私がここに残るのか・・・・いつかは決めねばなりませんね・・・



「頑張ってくださいよ、レミリア・スカーレット・・・」



あなたの成長次第で、出家か、この館に一生残るか、決まってくるんですからね?


















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