番外編 新年の紅魔館一家・・・・?
あけましておめでとうございます!
遅い?・・・・すみません
まあとりあえず、新年なのであの騒がしい紅魔館一家に初詣的なことをしてもらいました。ええ、『的』なことを。
今回の番外編のみ時系列的には原作の異変は全て解決済みとなっています。といっても出てくる人物はいつもと変わりませんがね・・・
さらば2012年、welcome2013年・・・
というわけで・・・
「皆様、明けまして、おめでとうございます」
「明けましておめでとう、お兄様」
「おめでと~!兄様!」
「おめでとうございますアレス様」
「おめでとうございます!」
「おめでとうアレス」
「おめでとうございます!」
1月1日、朝8時。
夜の帝王とも言われる吸血姉妹並びに主要たるメンバーに新年早々エントランスで挨拶を済ませる私ことアレス・スカーレットでございます。とりあえず、男です。
それはそうと、皆様にも一言を・・・
新年、明けまして、おめでとうございます。
今年も面倒かと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
さて、それはそうと本日は我が紅魔館一同は愽麗神社に初詣に向かうことになっているのですよ。
何?何故そこに行くのかって?簡単に言えば霊夢からの脅しですよ。来なければあんたら姉妹潰すって。特に姉を。
一度完膚無きまでに叩きのめされているレミィでは首を縦に振らざるを得ませんので即了承。
これがあの夜の帝王と呼ばれていた吸血鬼なんですからもはや笑いものです。
とまあそんなことがあって博麗神社に向かうことになっているのです。
さあて、行くことは決まっているのですが、まだ準備が済んでおりません。
とりあえず私は咲夜にレミィ達を着物に着替えさせるように指示を出し、レミィ達が消えたのを確認すると自分も初詣用の袴に着替えるため、自室に戻ることにしました。
・
・
・
「ふむ、こんなものでしょうか」
私は着替えを終え、鏡の前で自分の姿を見て変なところは無いか確認をします。
少しだけ確認すると変なところはありませんでした。
まああるとすれば洋の者が和を着ていることでしょうか・・・まあそれはともかく、準備万端です。
あ、色は白と黒のよくある色合いです。
さて、着替えも終えましたし、一度エントランスに戻りましょう。
・
・
・
「さて、しばらく待ちましょうか」
自室を出て、エントランスに着くとまだ誰もいませんでした。
まあ女性の着替えは時間がかかるといいますからねえ。特にあの姉妹は。
私はとりあえず暴れてるんだろうなあと思いながら近くにあった椅子に腰をかけ、しばらく待つことにしました。
そんなこんなでしばらくしていると突然目の前に見覚えのあるものが出てきました。
端っこに何故かリボン、そして切れ目・・・
「まだこの時期は寝ているのではなかったのですか?」
その不気味なものの持ち主の名前を呼ぶ。すると切れ目が開き、中から見覚えのある金髪の女性が姿を現しました。
幻想郷において知らない者はいない大妖、八雲紫です。
しかしそんな有名な大妖はめちゃくちゃ眠たそうです。所々髪の毛がはねてますよ?欠伸までしていますし・・・現在のカリスマ性は皆無ですね。
「おはよ~アレス~」
「はいはいおはようございます。で、何でこの時期にお目覚めしたんですか?まさかの早起きでしょうか?」
「ん~~・・・・」
そしてスキマの中で腕を組み、目を瞑りしばらく無言でいると・・・
「・・・・・・・zzzzz」
寝やがった!!
とりあえず私はハリセンで彼女の頭を叩くことにしましょう。
「んあっ!?・・・あれ?おはようアレス」
「はいおはようございます。そして明けましておめでとう」
どうやら目が覚めたようです。スッキリする良い音と共にようやく普段の紫に戻りました
。たぶん。
「で、そんなセクシーな姿で冬を過ごしている大妖八雲紫さん、こんな時期に如何様で?」
「え?」
私に言われようやく気付いたのか、紫のネグリジェと同じく紫の下着を着た色気満載の自分を見て一瞬で顔を赤くすると、きゃあああ!!という叫び声とともにスキマの奥に逃げていく紫。
そしてほんの数秒後、まだ顔は赤いけど、髪を後ろに束ね、紫と金が合わさった綺麗で高そうな着物を着てスキマから出てきました。
「おっほん・・・明けまして、おめでとうございますアレス」
「さっきも言いましたし、全然ごまかせてないですけど?」
「忘れなさい!!」
新年早々大慌ての紫。まああれは自業自得ですよ。
運が良かったといえばここにパパラッチがいなかったことくらいでしょうかね?
あんなものを撮られて新聞に書かれ、ばらまかれた日にはしばらく外に出れませんね。
いや~、良かったですね。
「で、紫、本来冬眠しているこの時期にどうしたんですか?そんな豪華な着物着て」
「これ見て分からないならあなた相当な馬鹿よ?」
「おや、馬鹿とは失敬な。これでも比較的常識人ですよ」
「比較的なのね・・・」
それは仕方ありません。だって幻想郷ですから。
そんなこんなで紫とのんきに喋っていると右廊下の奥からギャーギャーと喧しい声が聞こえてきました。
どうやら着付けを終えたようです。
「だからフラン!大人の女性というものは常にお淑やかであることが第一条件なのよ!」
「それならお姉様は既に終わってるじゃない!!お淑やかのおの文字すらないでしょ!!」
「きィーーーー!!妹のくせに生意気よ!!」
「事実だもん!!」
「まあまあお二人共・・・」
・・・私はあまりのふざけた内容とそれに全く程遠い姉妹を見て頭を抑えてしまいます。
痛いですね、これは非常に痛い。もう二日酔いとか目でもないくらいに。
隣では紫が、あの二人にそれは一生無理なんじゃないの?なんてえげつないことを言ってますし・・・
「あ!お兄様!!」
「げっ、スキマまでいる・・・」
そしてようやく声だけでなく姿も表した迷惑シスターズとその他主要メンバー。
フラン、相変わらず素直ですね。
レミィ?いきなりそれは失礼ですよ?
それはそうと、少し気になることがあります。それは・・・
「何故パチェと小悪魔と美鈴は着替えてないんですか?」
そう、それなんですよ。
レミィは控えめの紅色に少し小さめの花柄が入っている着物を・・・
フランも同じく控えめでありますが紅色にレミィとは違う小さい花柄が入っている着物を・・・
咲夜は綺麗な青色で絵柄はなく腰元あたりから色が薄くなっていてどこか雅な着物を着ているのですが、何故か三人は普段と変わらない服装。
そんな疑問を浮かべているとそれを察したのかパチェがため息をつきながら訳を話してくれました。
「今日の深夜、魔理沙が新年早々何したか知ってる?」
「魔理沙?ええっと、確か~・・・あ」
あ~、なるほど。
「あれですね、新年マスパでしたね」
「ええそうよ」
新年マスパ・・・その名の通り新年早々の一発であります。
あれは確か、紫提供の3D対応液晶テレビで行く年来る年を霊夢と魔理沙、そして幽香と藍と文と紅魔館メンバーで見ていた時でした。
その日もまた例に漏れず、大宴会を開いていたのです。そして3秒のカウントのあと、新年を迎えたその時
「あけおめだぜーーーー!!」
の一言でマスパが発射されたんです。
その時の被害が
私の部屋
倉庫
書庫を一部
窓ガラス10枚
厨房
門の壁
などなど、かなりのものでした。
ん?
「でもそんな修復作業ぐらいなら別に後ででもいいんじゃないでしょうか?」
そう、それくらいなら美鈴や私、あとは知り合いの鬼にでも頼めばお酒を代金にすぐやってくれるはずですが・・・
そう考えているとパチェと今度は小悪魔と美鈴深く深くため息をつきました。
何故?
「その時はそれだけかと思ったんだけど・・・」
「だけど?」
「ええっと・・・その、被害が思っていたよりものより広かったみたいなんですよ」
何やら申し訳なさそうに言う小悪魔。広かった?
「例えば、人里の寺子屋の屋根が一部大破とか・・・」
「え?」
「香霖堂の倉庫も一部大破」
「ええ?」
「止めにはフラワーマスターの畑一部消失です・・・」
「・・・・」
最後のはまずい、いや本当に。
「それで、魔理沙は?」
「「「・・・・・・」」」
一瞬で顔が青くなる3人。まさか・・・
「ああ、それで昨日幽香の家から悲鳴が聞こえたわけね」
「ええええ!?」
しれっとそんな事をいう紫。ていうか起きてたのかその時。
「まあそういうこともありまして・・・」
「これから私達、修理のお手伝いに・・・」
「行くことになったわけ」
「はあ・・・」
それは災難でしたね・・・あれ?でも何故3人が?
「それは昨日あなたを除いた全員でくじ引きで決めたのよ」
「くじ引きで?」
いつの間に。
「それで3人が・・・」
「まあ私は別に良かったけどね。あんまり体動かしたくなかったし」
「私は残念ですけどね・・・」
「同じく・・・」
パチェとは正反対の反応を示す小悪魔と美鈴。とても残念そうです。
「まあそういうわけだから、あなた達で楽しんできて」
「そうですよ!」
「私達の分も!」
そう言い私の手をガシっと掴む美鈴と小悪魔。
「まあ、そういうことでしたら、少し残念ですが、私達で・・・」
楽しみましょう、と言おうとした時、ある異変に気づきました。
何かというと・・・・
「「・・・・・・・・」」
手を握っている二人が急にガタガタと怯え始めたのです。怯え?
「な、なに?急に怯えだしt」
そう言い入口の方に体を向けると急に体が震えだし、怯え始めたのです。
それに続き咲夜も、あの紫も、そして窓に足を掛け、不法侵入しようとしている文ですらも顔を真っ青にして、怯えているではないですか。
「何ですか一体、何があr」
そして私も・・・一瞬で恐怖に染まってしまった。
原因は簡単ですよ・・・・だって入口に・・・・
「・・・・・・」
見た目的には縁起が良さそうで季節感を常に無視し続ける巫女服を着た、博麗霊夢・・・いや、鬼神巫女、霊夢が服をボロボロにし、頭には何かの木の破片が乗せながら、ニタリと三日月みたいに口を歪ませながら立っていました・・・・
光の加減か、口の歪みと体のシルエット以外見えないのが余計に恐怖を際立てます・・・
「あ、ああ、ああ、あああ」
あまりの恐怖に紫はあ、という言葉しか出ません。
そしてそんなものまるで眼中に内容にゆらり、ゆらり、またゆらりと、こっちに近づいてくる霊夢。
彼女から感じるものは普段のやる気のないものとは違い、禍々しいものが渦巻いています。目で見てもわかるくらいに。現に何か赤黒いものが・・・
「ねえ?ゆかり~?きぃてよ~」
ゆらりと・・・
「は、はい!?」
「私のさぁ~、神社がさぁ~・・・」
ゆらりと・・・
「こわれたんだ~」
またゆらりと・・・・
「へ、へえ~、そ、そうなの!」
また一歩、ゆらりと・・・
「でねぇ~?少しねぇ~、変だと思ったんだぁ~」
そしてぴたりと止まると顔は下に向いてしまった。
「おかしいのよ~、だって紅魔館から神社までなら、マスパが人里を通るわけないんだもん」
「へ、へぇ!?」
あまりの恐怖に声が上擦る紫。こんな紫、私は見たことがない。
「それでねぇ~?ちょっと調べてみたのよ?」
「う、うん!」
「そしたらさ~、あの花妖怪の所から微量にだけどあなたの妖気の残りカスがあったのよ~」
「へぁ!?」
とうとうおかしくなった・・・というかどれだけ細かく調査したんでしょうか・・・恐ろしいですね。
「でねえ?犯人がわかったのぉ~」
「へへへぇ~!っよよよよよかっとぁね~!!」
もはやちゃんと喋れていない紫。それに伴い増加する霊夢の禍々しさ。あ、まずい・・・
「だからぁ~・・・」
また、ゆらり、とこちらに進んでくる。もう、死亡まであと少しであります。
ある程度進み、こちらからも手を伸ばせば届くくらいまで近づいてきて、顔を上げる霊夢。その瞳には光はなく色も血のごとく赤くなっていた。
「一度死んでみる?」
そして、その言葉と先程とは違いニッコリと笑みを浮かべたのを見たのと同時に私達は全員意識を手放した・・・ついでに目が覚めた時は私達全員永遠亭のベットに上であったのを追記しておきます・・・。
新年に
初詣と
浮かれては
沈められるぞ
巫女の狂気
by アレス
・
・
・
・
その頃、迷い家・・・
「藍様~?紫様遅くないですか~?」
「ううむ、もう迎えに来てくださってもおかしくないのだが・・・やはり昨日のマスパの処理を間違えたのでは・・・・」
いつまでも迎えが来ないなと悩む賢明な美しき九尾と幼くも可憐な黒猫がいたとな。
めでたしめでたし・・・
小説の基本ってなんだろうね・・・全く知らないんだけど・・・
いろんなことに対して無知って怖いわ