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三十二章 決着は?

PS3で遊んでいて思った。

ソロも楽しいがオンも楽しいだろうなあ、って。

最後にオンで暴れたのはMGSである・・・

・・・・・フレンドが欲しい。積極性があるわけでもないが欲しいと最近よく思う・・・




「いつつつつつ・・・・さすがに今のは効いたよ」


「なら私としては良かったです」



腹をさすりながら立ち上がる犬走。

どうやらさっきの返しは効いたみたいだ。



「あ~、痛かった~・・・さて、さっきの君は見事だったよ。私驚いちゃった」


「それはどうも」


「だからね・・・」



すると犬走は突然盾を放り投げた。



「本気を出すことにしたわ」


「え?」



それを見て亜紀は唖然とする。それもそうだ。相手は最大の防御を自らの意思で捨てたのだから。



「あはははは!驚いてるね!まあ当然といえば当然よね!なんせいきなり目の前の女が自ら防具を捨てたんですもの」



笑いながら話す犬走。防御を捨てた彼女の顔は焦るどころか、むしろスッキリした顔をしている。

そして不敵な笑いを浮かべ、軽く剣を振るう。



「私にとって盾は邪魔物以外の何でもないの。だって動きにくいし」


「は、はぁ・・・」



喋りながらも次は準備体操をする犬走。

たが亜紀にとってはそんな事をしている犬走でも隙が一切見えない。いや、正確には動けないというべきだろう。

彼はどんな状況であれ、慎重派なのだ。それもかなりの。

時に大胆な行動を起こすが、それでも基本は慎重派。そんな彼が今の犬走を見ても動けないのはある意味仕方ないことでもある。

そんな彼を見ている蔡は、ああやっぱり・・・という顔をしている。



「ふう、終わった終わった・・・ふふ、いつ来るかなあって待ってたのに、来なかったね、君」


「・・・・卑怯な気がしたので」


「ふふ、真面目だね。でもね・・・」



準備運動を終えすぐに彼女の顔から先ほどの笑みが消え、獲物を狙う狩人の目に変わった。

それを察知した亜紀はすぐに構える。



「さあて、じゃあ行くかな!」



そして一気に加速すると亜紀に接近する。

亜紀は先ほどの返しがあるのではと思い、何もせずただ仕掛ける時が来るまで待つ。



「はああ!!」



犬走は攻撃範囲に彼を捉えると先程とはけた違いの速さで縦切りを放つ。



「速い!?」



その速さに一瞬遅れた彼は服に剣をかすめながらも横に少しずれ、回避する。

そしてすぐに蹴りを放つ。



「今の私にそんな甘い蹴りは入らないよ!」


「なっ!?」



その蹴りを腕で防御するとその脚を掴み、思いっきり引っ張る。

それを受けた亜紀は必然的に体制を崩し、隙だらけになってしまった。



「もらった!!」



そして好機とばかりに犬走が斬りかかる。



「二回目の奇跡を狙って!!」



しかしここでまた彼は奇跡を起こしたのだ。

なんと両手で剣を止めたのだ。そう、真剣白刃取りである。さすがに彼女にとってこれは想定外だったのか、物凄く驚いた顔をしている。



「嘘、まさかこれ止めちゃうの?」


「ははは・・・自分でも驚いてます・・・」



どうやら驚いているのは彼女だけではなかったようだ。

しかし彼女は瞬時に冷静になると、腕に力を込め、押し通そうとする。

それに対し亜紀も負けじ力を込め、返そうとする。



「くっ!」


「ちっ!」



両者の力は大差ないらしく、先ほどの位置から全く動かない。

しばらく睨み合いが続いていると、さすがにこれ以上はこっちが不利と見た亜紀が彼女の足に蹴りを放つ。



「うわっ!?」



それを受けた犬走は突然の事で対応できず、亜紀の方に倒れてしまった。



「うわあ・・・」


「亜紀・・・・」


「大胆ねえ・・・」



それを見た蔡達はその突然のことにそんなことを言っていた。

その頃彼らは・・・



「「・・・・・」」



抱き合ってはいないものの、上に犬走、下に亜紀、そして少し動けば口づけができるほど顔が接近していた。

そして二人共固まっている。観客席からは物凄い動揺した声が響く。



「え・・・?何が起きた?」


「今隊長から行ったような・・・・」


「え?違うだろ、あの男からだろ?」


「いやいや!」


「ああ・・・・愛しの隊長が・・・・」


「さっさと離れやがれーーー!!」



・・・・・何言ってんだろうか。

そんなことが起きてる中、二人はまだ固まっていた。

そしてようやく気づくと顔が急に赤くなる二人。

どうやらお互いこういった事は初めてのようだ。初心である



「・・・・えっと、これはどういう状態でしょうか・・・」


「あ、あはははは、な、なんだろうねえ~?」



先ほどの殺伐とした雰囲気から一気に気まずい雰囲気に早変わりしている。



「と、とりあえず、ど、どいてください」


「え、あ!ゴメンネ!?」



そう言うと慌てて立ち上がる犬走。そしてそれほど乱れていない服を顔を赤くしながらせっせと整える。

亜紀は上半身を起こし、固まっている。



「蔡様、こういった場合は・・・」


「藍、俺に聞いてもわかると思うか?」


「・・・・・」



それを見ていた蔡達はよくわからないといった顔をしている。



「えっと・・・どうしましょう?」


「・・・どうしよう」



そんな中、先ほどの出来事のせいで戦う雰囲気が一気になくなってしまった両者。

お互いどうすればいいのかわからない様子。

それを見ていた審判の天狗もどうすればいいの分からずオロオロとしている。

あの長老天狗ですら


「ううむ・・・さて、どうなる?」


と白い髭を触りながら見ている。

そしてまたしばらくして、とうとう耐え切れなくなった両者は審判に近寄ると何か話しかけた。



「・・・で、お・・・・・す」


「え!?しか・・・・で・・・・・・ですよ!?」


「私か・・・・が・・・しする・・・」



観客の声と距離から完全には聞こえない蔡。そんな中藍は聞こえていたらしく、その内容を聞いて少し驚いた顔をする。

それを見た蔡は藍に聞いてみることにした。



「なんだって?」


「ええ、それが・・・引き分けにして欲しいと」


「・・・・はあ?」



それを聞いた蔡は何言ってるのか理解するのに数秒掛かってしまった。



「なんでまた・・・って言わなくてもわかるか」


「ええ。先ほどの出来事のせいで戦う気が失せたと・・・」


「なあにそれ~、意味分かんな~い」


「珍しい展開ねえ」


「まあ不発とも言うけどね」



反応が色々な蔡達。そしてしばらくして、ようやく審判が声をあげた。



「え~、ただいまの結果~、引き分けとなりました~!!」



それを聞いた観客はというと何故か罵倒などは一切なく、ざわざわとざわめいていた。



「まさかあの隊長が?」


「あの男切りの隊長が?」


「秋葉ったら、もしかして惚れたのかな~?」


「ええ~?あの色事に興味がないあの子が~?ないって~」



・・・・なるほどね。

そういったこともあってか罵倒はなく、ざわめきを残したまま試合は引き分けとなった。



「・・・・・」


「・・・・・」



そんな中、気まずい二人は声を掛けることなくお互いの選手席に戻っていった。

そして不発のまま戻ってきた亜紀はすぐに蔡達から色々質問攻めにあったのは言うまでもない・・・

一方で秋葉達はというと


「「「「「・・・・・・」」」」」


先程とは違う気まずい空気が漂っていた・・・・



「秋葉・・・・・」


「あ、アハハハハ・・・今は何も言わないで・・・・」


「秋葉、あなたって・・・かなり初心だったのね・・・」


「う、うるさい!!」


「隊長・・・・」


「うん、何も言わないで。今でも顔が暑いんだから」



そう言うとそそくさと席に着いて両手で顔を覆った。



「・・・・まあ良い。とりあえず、次は勝つわよ」


「「「はい・・・」」」



どうなるんだろうこの戦い・・・











なぜか今回書き方が普段とめちゃ違う・・・・そしてまさかの展開である・・・

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