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十八章 そろそろ旅立つかな・・・・あれ?

一度整理しないとならないなあ・・・



社・夜




よう、俺だ、蔡だ。

八雲と別れてから森を抜け、神奈子達と合流した俺達は現在社の中で一騎打ちで勝利した神奈子達と敗者の諏訪子と大宴会の真っ最中だ。



「あっはっはっは!!!」



で、現在俺の隣で酒の入った器を片手に大爆笑しているのがその勝者である神奈子。



「笑いすぎだよ神奈子」



そしてその神奈子の隣でこれまた酒を飲みながら呆れかえっているのが敗者の諏訪子である。



「なあ諏訪子、こいつどうしたんだ?」



俺は爆笑している神奈子を指差し諏訪湖に聞いてみた。

ついでに諏訪子と呼んでいるのはこいつがそう呼んでくれと言ってきたからである。



「さあ、分かんない」


「そうか」



まあどうでも良いか。周りの奴らもドンチャン騒ぎしてるし。

酒を樽ごと飲んでる奴もいれば、飲み過ぎてぶっ倒れてる奴もいる。

なんという宴会っていつ見ても混沌とした空間になるな。まあそれが普通か・・・そういえば藍と亜紀はどうしてるだろうか。

俺は辺りを見回しその2人の姿を探すことにした。



「・・・お、居た」



何人かと一緒に飲んでいた。その笑っている顔をみる限り、どうやらあっちも楽しんでいるようだ。



「ふう」


「どうした?ため息なんかついて」



いつの間にか元に戻っていた神奈子が聞いてきた。



「いや何、そろそろ旅を再開しようかなと思ってな」


「そうか・・・」



そう言うと手元にあった酒を一気に飲んだ神奈子。相変わらず良い飲みっぷりだな。



「次はどこに向かうんだ?」


「次か・・・」



そういえば次はどこに向かおうか考えてなかったな。

俺は少し考えてみた。



「・・・・・今のところは気の向くままに、だな」


「そうか」



特に行きたい場所も無いしなあ。

そう言うと酒を注いでまた一気に飲み干す神奈子。早くないか?



「まあどこに行くもあんたの勝手だね。とりあえず飲むか!」


「・・・それもそうだな」



俺は神奈子から酒の入った器を受け取る。そして神奈子は自分の器に酒を注ぐと、こっちに突き出してきた。



「なんだこりゃ?」


「乾杯しようと言う事さ」


「なるほどねえ。で、何にするのさ」


「決まってるだろう?私達の勝利に・・・そして」


「そして?」


「友の旅立ちに・・・さ」


「・・・・ふっ」



なんとも神奈子らしいな。



「旅立ちか・・・そんな祝う事じゃないだろう?」


「何言ってんだよ。友だからこそ祝うんじゃないか!さあ、ほら!」


「ははは、お前らしいな」



俺も神奈子のように腕を突き出す。そして



「友の勝利に・・・」


「友の旅立ちに・・・」


「「乾杯!」」



そして一気に酒を飲み干した。



「さあて、じゃんじゃん飲むよ!」


「そうだな!」



まだまだ楽しくなりそうだ!!

「・・・ん、ん~・・・」



・・・・朝か・・・あれ?何時の間に俺寝たんだ?

俺は不思議に思い思出してみた。



「・・・・・・ああ、そういえば昨日宴会してたんだったな」



そうだ、昨日は大宴会を開いてたんだ。で酒をがんがん飲んだんだ。

道理で体がだるいわけだ。

まあとりあえず体を伸ばして起きるか。



「ん、ん~~~~~~・・・・はあ・・・・・さあて、起きるか」



俺は起き上がると唖然した。なぜかって?そりゃあよお・・・



「zzz・・・私は・・・・軍神!・・・zzz」


「・・・・・私は・・・・まだ・・・成長・・・・・する!・・・」


「蔡様~・・・・愛し・・・・・zz」


「母さん・・・・」



色んな奴が所狭しと大爆睡していた。神奈子に至っては大の字である。



「全く・・・軍神である前に少しは女らしくしろっての」



・・・・ん?よくよく考えたら俺、人の事言えないな。



「ま、いっか」



とりあえず俺は寝てるやつを踏まないように跨ぎ、顔を洗いに向かった。

顔を洗いしばらくして漸く神奈子達が起きた。

そして俺は藍と亜紀に今日旅立つ事を告げ、支度をする。

で、支度を終えて今俺達は諏訪大社の入口に居た。

大勢の見送り人と一緒に、だけどな。

神奈子の奴、話しやがったな・・・ったく。



「世話になったな」


「何、こっちも世話になったんだ、お互いさまさ」


「そうだよ」


「といっても俺は何もしてないよ」


「それでも、さ」


「そうそう」



律義というか何と言うか。



「まあ良いか・・・」


「そうだな・・・寂しくなるな」


「私も寂しいよ。まあ神奈子ほどじゃないけどね」



神奈子の顔には少しばかり寂しげな表情が浮かんでいた。諏訪子も少しだけだけど寂しそうであった。



「そう言うなって。お互いに寿命は腐るほどあるんだ。会おうと思えばいつでも会えるだろ?」


「それもそうだが・・・それでもさ」


「なになに?かの軍神様でも寂しいものはあるの?」



と茶化したように言う諏訪子。



「はは、そうみたいだね」


「そうなのか」



そう言うと少しばかりしんみりした雰囲気が和む。



「・・・・さて、じゃあそろそろ」


「そうか・・・また会おう、蔡、藍、亜紀」


「またね蔡!」


「おうよ!」


「はい」


「はい神奈子様!」



そして俺達は諏訪大社を後にした・・・

あれからしばらくして、俺達は楽しく喋りながらでかい平地を歩いていた。

ある気配を感じながら・・・



「蔡様」


「ん~?どした藍」


「そろそろ目的地くらいあった方が良いんじゃないでしょうか?」


「ふむ・・・」



目的地ねえ・・・



「そうは言ってもな、藍。どこか行きたいところとかあるのか?」


「そう言われますと・・・・なんとも言えません」


「だろう?」


「む~・・・亜紀、お前はどこか行きたい場所などは無いのか?」


「へ?私ですか!?」



どうやら亜紀は聞かれるとは思ってなかったらしく、少し慌てている。



「・・・・無いです」



で、結局は無いんだな。



「はあ・・・・・」



まあ良いか。気の赴くままに行けば何とかなるだろ。それはともかくだ。



「なあ藍」


「はい?」



そろそろ引きずり出すかな、あの野郎を。



「もう一人旅仲間が増えるかもしれない」


「え?誰ですか?」


「こいつだよ」



俺は自分の能力を発動する。すると・・・



「きゃあ!!」


「・・・・・・え?」



何もない空間からまたいつぞやのようにお尻から落ちてきたあの金髪女。そしてそれを見て固まる藍と亜紀


「よう、八雲」



八雲と呼ばれた金髪女は前と同じように少し唖然とする。俺はそんな八雲の前に視線を合わせるために屈む。



「お元気かい?」


「え、ええ、お元気よ?」



何となくだが、面倒なことになりそうだなあ、何て思いながら俺は八雲を見つめるのであった・・・・





















ううん・・・・今日はあまり気分が乗らなかったなあ・・・グダッタぞ!?グダっちまった!!

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