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十一章 ・・・分かった、責任は取る

さて、出すぞ!


蔡「それと藍、さっきのあの夫婦発言取り消そうな?」


藍「え?・・・(うるうる)」


蔡「・・・(どうしよ)」



それと・・・今回暴走しますよ?

社・大広間


天気・晴れ


日時・曜日不明





亜紀「お願いします!!」


蔡「と、言われても、なあ?」


藍「あ、ああ」



いきなりだよなあ・・・って、忘れてた。よ、俺だ、蔡だ。今俺はある問題にぶち当たっていた。それが・・・



亜紀「荷物持ちでも食料の調達でも何でもします!だから旅にご同行させてください!!」



そう、ようは一緒に連れて行ってほしいという亜紀の願いにぶち当たってた。



蔡「待て待て!まず理由を教えてくれ!何で一緒に行きたいのかを」


亜紀「はい!理由は一つ・・・強くなりたいからです!」


蔡「強く?またなんで」


神じいちゃん「単純な話ですよ」



とおじいちゃん。



神じいちゃん「見ての通りこ奴は銀の狐。本来ならそこらの妖怪など相手にならず、またそこらの神も相手にならんほど強くなるのですが・・・何分、わしも忙しい身、こ奴の修行を付けてやる事がなかなか出来ぬものでして、なかなか成長しないのですよ。現にこ奴の尻尾が二本しかありません」


蔡「へえ・・・てことは藍と同じで九尾になるのか?」


神じいちゃん「いえいえ、九尾でないゆえ、せいぜい5,6本くらいでしょう」



ふ~ん、なるほどね。



藍「九尾と狐は違いますからね」


蔡「ふ~ん、おんなじにしか見えないが」


藍「ふふっ、確かに」


神じいちゃん「で、話を戻しますが、そういった事もありなかなか実力がつかんし、それにそろそろこ奴も独り立ちしてもおかしくないですし、ここは旅をしている蔡殿に連れて行ってもらえないかと思いまして、此度の願いに参りました」


蔡「なるほどねえ」



だからか・・・さて、どうしたものか。とりあえず隣で正座してる藍に聞いてみるか。



蔡「どう思う藍」


藍「そうですね・・・私としては正直どちらでも構いません。蔡様の意見に従うだけです」


蔡「ふむ」



となると俺が決めるしかないのか・・・・



蔡「・・・」


亜紀「・・・(ごくっ)」


蔡「・・・分かった。その申し出、受けましょう」


亜紀「ほ、本当ですか!?」


蔡「二言はないさ。それに旅は仲間が多い方が良いしな」


亜紀「あ、ありがとうございます!!」


神じいちゃん「ありがとうございます!」



はは、なぜか感謝されちまった。



蔡「ともかく、これからよろしくな亜紀」


藍「よろしく頼むぞ」


亜紀「はい!蔡様!藍様!」



様って・・・まあ良いか。

(ドラ〇エのあのBGM流れながら・・・亜紀が仲間に加わった!)

ん?何故だが音楽が聴こえる気が・・・まあいいか。



神奈子「さて、話も上手くまとまったみたいだし・・・」



と今まで黙っていた神奈子が突然立ち上がる。すると・・・



神奈子「今日は飲もう!!」


蔡「・・・え?」



後ろから酒を出してきやがった!!あれ?さっきまで無かったよな!!?



神奈子「神様はなんでも出来る!」


蔡「神力の無駄遣いな、それ!!」


神じいちゃん「あはははは、それは良い神奈子様!では皆を呼びましょう!」


蔡「ああ、神よ、御助けを」


神奈子「ん?私か?」


蔡「あんたじゃない!」


藍「まあまあ」


亜紀「良いじゃないですか!」



よくなーーーーーい!!

とある空家



俺は家に着くと布団を敷きその上に座る。



蔡「は~~、飲んだ飲んだ」



それこそ浴びるほどに。ふ、まあ良いか今回は。だって新たに仲間が増えたんだし!



蔡「これからの旅が楽しみだ・・・それにしても藍の奴、また酔っ払いやがって~」



あ、ついでにこの家は神奈子が

「ここに居る間はこの家使いな。誰も使ってないし」

とのことでここに居る間貸してもらってるんだ。それにしても・・・



蔡「藍の奴・・・恥ずかしい事を堂々と言いやがって」



その内容が

「私と蔡様はすでに夫婦です!(キリッ)」

これだ。そのおかげでさらに誤解が広まるし・・・

挙げ句の果てには

「憎いねこのこの~!」

とか

「こんな美女で外見も最高な妻とか羨ましすぎるだろうが!」

とか

「夫婦の営み終わったの~?」

とか。そいつには拳骨をあげた。



蔡「は~~~~~~~」



おかげでため息もこの通り、いつもよりかなり長い!



蔡「でも・・・」



そうだよなあ。あまり考えたことは無いけどあいつは美人だよな。外見も良いし。胸とか大きいし。気立ても良くて、ご飯も作れて頭も良いし・・・



蔡「それ考えたら俺、よくそんな完璧な女性と行動を共にしてたな」



これって運が良いんだろうか?・・・いや、考えなくても運が良いってのは分かるな。



蔡「・・・俺ってかなり幸せ者だな」



そんな美女と一緒に居れて。まあ良いや。

明日は良い天気だと良いなあ。あ、布団・・・まあ良いか、今日はちょうど良い気温だし。さて寝よ寝よ。俺は横になる。



蔡「・・・ん」



なんだ?今扉が開いた音が・・・



蔡「・・・気のせいカラカラっ・・・トン・・・気のせいじゃないな」



小さい音だが間違いなく扉が閉まった音がした。



蔡(誰だこんな時間に)



まさか俺を殺しに?・・・でもここに居る神様の連中とは仲良くやってるはず。なら・・・



蔡(俺に用事?)



なら扉を静かに閉める必要は無いはず。なら泥棒?



蔡(まあ良いさ、叩き伏せたら良いんだし)



さて、とりあえず待つか。



???「・・・」



ギシギシと床が音を発てる。



???「・・・」


蔡「・・・」



そろそろか?



???「・・・」



ようやく床の音が消えた。気配からすると俺の真後ろか。今俺は横に向いて寝ているし、ここからじゃ顔は見えない。ただ殺気が感じられない。



蔡(ん?てことは・・・泥棒では無いな。ならなんだ?)



分からんな。まあとりあえず拘束しちまえば済む話だ。



???「(そ~~~)」



この気配・・・腕を伸ばしてきたか!



蔡(今だ!!)



俺は予想通り伸びて来た腕を掴むと俺の前に投げ飛ばす。そして俺は相手の両腕を片手で拘束して相手の腹の上に乗っかった。さて、こいつが誰か見てみようか。あいにく俺の目は妖怪とおんなじで夜にも強いんでね。はっきり見えんぞ?



蔡「さ~て、誰だこんな夜中に・・・て、ら、藍?」


藍「いたたたた、もう少し手加減してください蔡様」



何と吃驚・・・俺の部屋に侵入してきた犯人の正体はなんと藍であった!



蔡「え、え、え?な、なんで藍がここに?」


藍「・・・」



俺は聞いてみた。すると見る見るうちに藍の顔が真っ赤になっていった。なぜ?



藍「・・い」


蔡「ん?なんて?」


藍「・ば・」


蔡「もう一回言ってくれ」


藍「だから、夜這いです!!」


蔡「・・・・・・・・へ?」



・・・・どゆこと?



蔡「ま、待て待て待て待て待て!え?お前、本気か!?何かの間違え!?」


藍「・・・いえ、間違ってません」



・・・本気か?あまりの事に俺は拘束したままの藍の腕を解くのを忘れてしまっていた。



蔡「待て、間違ってない?なんで?」


藍「・・・気づいてるのでしょう?蔡様」


蔡「・・・」



え、え、何に?俺には分からん。



蔡「お前が何を「蔡様!」・・・」


藍「もういい加減にしてください!私がいつまでもこの感情の意味に気づいていないとでも思ってるのですか!?」


蔡「・・・いつ知った?」


藍「・・・つい先ほど、亜紀から」



・・・亜紀の奴、余計な事を。



藍「先ほど私の部屋に亜紀がやって来たんです。そして私に「あなたのその感情の名前と意味、教えてあげましょうか」と言って私に教えてくれたのです」


蔡「・・・」


藍「初めて知りました。これが人間が持つ好きという感情だと、愛するという感情だと!」


蔡「うわ!」



いきなり拘束を解かれると俺と藍の状態が逆転する。今は俺が下で藍に腹に乗っかられている。



藍「私を愛してくれとは言いません!私だけを見てとは言いません!でも!・・・ただ1度、たった1度で良いから、あなたに抱いてほしい・・・」


蔡「・・・」


藍「1度抱いてもらえたら、すぐにでもこの場を去り、二度とあなたの前には現れません!誓います!だから・・・どうか1度だけ・・・」



そう必死に言う藍の目には涙が出ていた。



藍「おねがい・・・します・・・」


蔡「・・・」



俺は何してんだろうな・・・こんな美女泣かしてさ。



蔡「はは、カッコ悪いな、俺」



俺はすぐに力を入れ横に転がり再度藍を下にする。



蔡「なあ藍、聞いて良いか?」


藍「・・・なんですか?」


蔡「俺にはお前と同じような感情はまだ無い」


藍「・・・」


蔡「これからもその感情が生まれるか分からない」


藍「・・・」


蔡「それでも・・・構わないか?・・・それでも・・・俺を好きでいてくれるのか?」



そう言うと藍は涙はまだ流れているが清らかに笑うと



藍「はい、私は待ちます。その感情が生まれるまで・・・蔡様を・・・」


蔡「そうか・・・わかった」


藍「でも、一つ聞いて良いですか?」


蔡「ん?」


藍「私の体は・・・その、好きでもなかった男に何度も抱かれて、汚れてますが・・・それでも良いんですか?」


蔡「はあ」



馬鹿だなあ。



蔡「んなわけあるか」



と額を指ではじく(ようはデコピン)



蔡「そんな事気にするかよ、この俺が」


藍「蔡様・・・」


蔡「俺からも言いたい事が一つ」


藍「・・・なんですか?」


蔡「出て行くなんて二度と言うなよ?」


藍「・・・」



今さらだけどよ?俺にとってお前は大切な奴なんだぞ?それが女としてか仲間としてかはともかく。



蔡「わかったか?」


藍「・・・はい」



なら良い・・・・さて



蔡「・・・どうしたらいいんだ?」


藍「と言いますと?」


蔡「あ~。恥ずかしながら・・・その、まだ未体験なもので」


藍「・・・あ~」



ん?なんだその悪戯っ子みたいな笑みは?



藍「そうですね・・・まずはこうするんですよ!」


蔡「なにs、んーー!!」



藍がいきなり腕を俺の頭の後ろに回したかと思うと急に力を入れ口づけをされた。



蔡「ん・・っ」


藍「・・・ん、ちゅ」



しかもただ口づけだけでなく、舌入りで。おかげでいやらしい音が部屋に響く。



藍「・・・はぁ・・・どうです?私の唇は」


蔡「はあ、はあ、や、柔らかくて綺麗だった」



それにしても息切れが・・・



蔡「・・・ふう、あれが噂の大人の口づけってやつか」


藍「ふふっ、そうですよ」



ん?なにやら藍の笑みに色気が・・・



藍「一応これでも経験はありますので・・・あら?今思えばこれだけは私、蔡様に勝っているのでは?」


蔡「はは、そうだな」



なんせ、今のがあ初めての口づけだしな。



藍「ふふっ、なら今のうちに勝利の味も覚えておかないといけませんね?」


蔡「え?なにw、んーー!」



なにをという前にまたも口を口で塞がれる。また舌付きで。俺は負けじとやり返す。



藍「んん!?」



一瞬体が撥ねた藍。そしてしばらくして口を離す。その時に銀の橋が生まれる。



蔡「・・・はぁ・・・俺は負けず嫌いだからな」


藍「はぁ・・はぁ・・そういうことの、才能も・・あるんですね」



と絶え絶えに言う藍。その月の光に照らされた藍の顔にはもはや何時もの真面目で凛とした顔は無く、目がとろんとなり、顔が赤く染まった女の顔しかなかった。



蔡「ふう・・・今日は長い夜になりそうだ」


藍「そう、ですね・・・」



藍は腕をこちらに伸ばすと



藍「来て、下さい・・・」



と言った。そこからの記憶は・・・ふ、教えないぜ?

自室



蔡「ん・・・朝か」



小鳥のさえずりで目が覚めた俺は隣を見る。そこには俺の腕に抱きつき可愛らしい寝顔をして眠る藍がいた。あれ、なんで俺と藍は裸なんだ?



蔡「・・・そうか、昨日」



俺は藍と・・・



蔡「・・・(かあ~~~)」



や、やばい、顔が熱くなる。



蔡「・・・全く」



可愛い寝顔だ事。



蔡「・・・俺の感情、か」



正直分からない。俺は藍をどういう感情を持って見てるのかを。

でも・・・



蔡「そういう感情が無いなら育てるのもまた一考・・・か」



それもいいかもな。さて、もうちょっと寝るかな。


でもこの時俺は気づいていなかった。すでにこの時から、別れの時が刻一刻と近づいている事に。






余談だが、起きた後腰が痛く、歩くのが遅かった事を神奈子や亜紀に見られた時


「ああ、やったか」


って言われた。もちろんそんなこと言ったこの二人には拳骨をあげたがな。













結ばれたからと言ってもそれで済む訳ではない!!そしてごめんなさい!!妄想が暴走!!そしてエロは無理!妄想恐い!藍は純情、これが良い!

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