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八章 はあ、やってられんな

今年の初夏はとても涼しいですねえ・・・

やば、ちょっとむちゃくちゃかも・・・



どこかの建物



日時・曜日不明





蔡「・・・おまえら、一度死んでみるか?」


八坂「・・・」


・・・お、おまえらか。よう、蔡だ。見てわかると思うが物凄く緊迫した状態だ。すまんな、出だしがこれで。とりあえず俺が殺気立ってる理由は知ってると思うが一応言っておく。藍が半殺しにあったせいだ。おかげでこいつらに対する怒りや殺意は鰻登りだ。それはともかく、こいつらと話を続けるか。



蔡「なあ、聞いてるのか?」


八坂「・・・ああ、一応な」


蔡「なら返答は?」


八坂「・・・そうだな。できればいやだ、と言いたいな。どうやらお前はあり得ない程強いみたいだし」


神1「な!?」


神2「そんな事はありますまい!!」


神3「そうですぞ!」


八坂「・・・はあ。お前達は分からんのか?感じないのか?こいつのいくつもの力を」


神4「全然分かりませんな!!」


神5「八坂殿の勘違いではありませんかな!?」


八坂「・・・はあ」



手を顔にやり、駄目か、といった感じの顔をする八坂。



蔡「どうやらあんたは他の奴らより強いんだな。それもかなり」


八坂「はは、まあ一応はこいつらを負かしてきたからな」


蔡「なるほどな」



ん?負かしてきた?そういえば噂でも数々の者を倒して来たって・・・まさか・・・



蔡「なあ、あんた」


八坂「なんだい?」


蔡「あんた、最近噂の軍神、八坂神奈子じゃないか?」


神奈子?「はは、軍神か。まあ軍神はともかく、とりあえずそんなのだろう。他にこんなことしてる奴はいないだろうしな」



まさかの当たりか。ふっ、これは吃驚だな。



蔡「だけど・・・」



そんなこと関係無いな。だってよ・・・



蔡「あんたらが藍を潰した事に変わりは無いしな」


神奈子「・・・そうだね」



徐々に戦闘態勢に入る俺と八坂を含む弱虫の神々達。こいつら、この軍神が居るから調子に乗ってるんじゃないか?



蔡「一応始める前に忠告な」


神奈子「なんだい?」


蔡「部下の管理や躾も、頭であるあんたの役目だぜ?」


八坂「あはは、そうだね、これからは気をつけるよ」



そして俺達が闘おうとした瞬間!



???「ま、待ってください・・・」


蔡「ん?ら、藍!?」



服が所々破れ、全身血と傷だらけで呼吸が荒い藍が居た。



蔡「ら、藍!お前大丈夫か!?」



俺はふらふらの藍を支えるため、藍に駆け寄る。



藍「はは、まあ見ての通りですよ」



と見てるこっちが不安になりそうな笑顔を見せる藍。俺は藍に肩を貸す。



藍「申し訳ありません・・・服を私の血で汚してしまって」


蔡「んなもの気にすんな!とりあえず横になれ!」



俺は藍を支えながら横に寝かす。



藍「ありがとうございます・・・それと先ほどの話ですが・・・」


蔡「・・・なんだ?」


藍「あの人は悪くないんです・・・」


蔡「・・・どういう意味だ?」

あれは私が食料を調達してる時でした。たまたま今回は収獲が悪かったので奥に行ってもう少し探してみようと考えたんです。そこにたまたま現れたのがそこの人でした。元来妖怪とは神とかそういった類が嫌いなのもでして、その人から出る神力を感じて私はつい手を出してしまったのです、こいつは神だ、て思って。そしてしばらくぶつかり合って私は負けてしまったのです。その時私は死を予感しました。ああ、私はこんな所で・・・と。でもその人は何もしてこず私に

「お前にとって神とは嫌いな者かもしれんが、無闇やたらに攻撃はしない方が良いぞ?」

と言うと傷の手当てをしてくれたのです。その人は手当を終えると

「早くここを出ろ。さもなくば別の奴に酷い目にあわされるぞ?」

と言い、飛び立っていってしまったのです。私はしばらく何も出来ず、そこに居たのです。しばらくして飛べる程度まで妖力が回復したので帰ろうとした時にそこに居る者どもが現れたのです。そいつらは私を見つけると、妖だー!と叫んで攻撃を仕掛けて来たのです。もちろん私も抵抗はしましたが全然力も足りずに敗北し、そしてその場で意識を失って・・・

藍「だから帰ることも出来なかったのです」


蔡「・・・」



なるほどな・・・どうやら八坂は悪いわけではないようだ。でも・・・



蔡「だが、さっきは手こずったので味方を呼んだと・・・」



と八坂の方を見る。



神奈子「こんな奴らでも一応は面子というものがある。万が一でも一匹にこいつらが集団で挑んだなんて知られたらこいつらは周りの者から恥知らずだの弱い者いじめだの言われるだろうからな。そうなってはこいつらが外を出歩くことすら出来ん。だから嘘をついたまでだ」


蔡「・・・ふ、なるほどな。どうやらあんたにはさっき言った忠告は必要なさそうだな。すでに頭としての判断が出来てるし」


神奈子「そうでもないさ。現にこいつらが迷惑をかけてるし」



どうやらこいつは本当にそんじょそこらの馬鹿どもとは格が違うみたいだな。



蔡「・・・藍が迷惑をかけたな」


神奈子「なに、こっちも部下が余計な事したんだ。おあいこさ」



と苦笑いの八坂。



蔡「・・・ともかく藍、少し寝むっていろ。今は安静にした方が良い」


藍「すいません・・・では・・・」



そう言うと藍から規則正しい寝息が聞こえてきた。



蔡「とりあえず安心だな・・・さて」



俺は八坂達を見る。



蔡「で、さっきの続きだが、こいつらの頭領としてどうする?」


神奈子「そうだな・・・正直おあいことは言えぬし・・・こいつらには今一度痛い目にあってもらおうかな」


蔡「良いのか?」


神奈子「お灸も必要だ」



と少し笑いながら言う八坂。



蔡「あんた、なかなか凄い奴だな」


八坂「はは、あんたみたいな強者からそう言ってもらえると嬉しいよ。私は八坂神奈子。神奈子って呼んでくれて構わない」


蔡「そうか・・・俺は蔡。よろしく」



俺達は握手を交わす。



蔡「さて、あとは・・・」



俺は空気と化していた阿呆どもを見る。



蔡「俺がお前らに根性付けてやる」


神1「え、あ、わしら?」


蔡「そうだ、よ!!!」



その後しばらくこの社(あとで神奈子が教えてくれた)から悲鳴が絶えなかったとか。




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