五章 ふむ、とりあえず・・・え?戦争の兆し?
ええ、分かってます、更新すればするほど自分の首を絞めることくらい。
だが言わせてほしい!!書きたくなったんだ!!
あと、何度も言うが!れきs(もう良い!!)
隼さんの集落
日にち・時刻・曜日不明
よう、俺だ、蔡だ。
あの藍の改名から結構時が経ち、俺達は何の障害も無く隼さんの集落に着いた。初めは日も経たずにすぐ帰って来た俺に集落の人々は不思議そうな顔をしたが理由を話すと皆そろって
「蔡様が無事ならなんでも良いです!!」
と言ってくれた。いや~、愛されてるねえ、俺。感動のあまり本気で泣けてきそう。まあそれはともかく・・・ん?藍の誤解は解けたのかって?ああ、あれな。大丈夫だ、問題ない。だって上空を飛んですぐに藍が
「な、なんだ、何もないじゃないか・・・母上の嘘つき」
と小声で言ってたし。
まあそれはともかくだ、集落の人達とある程度再会の挨拶をした後、俺達は隼さんに家に招かれ、現在藍が自己紹介をしている
藍「初めまして皆さん。私の名は藍と申します。お見知りおきを」
隼「おお、これはこれはご丁寧に。わしはこの集落の長を務める隼と言う者です。こちらこそ、よろしくお願いします。さて、早速ですが」
お、これは見分けるのか?
隼「あなたが、今西の国で噂になっている『玉藻前』さんですね?」
藍「!?」
ははは、凄く驚いてるな、藍の奴。まあそりゃそうか。なんせ自分の正体バレてるんだからな。
藍「ど、どうしてそれを!?」
蔡「その人の能力さ」
藍「能力?」
隼「見分ける能力ですよ」
藍「見分ける?」
隼「ええ、それは・・・」
と藍に説明をする隼さん。聞けば聞くほど藍の表情が驚きに染まっていく。説明が終わる頃には驚きを通り越し、呆れが入っていた。
藍「なんと・・・」
隼「と言ってもあるのはそれだけ。それ以外はただの老いぼれ爺ですがな」
かっかっかっと豪快に笑う隼さん。そういえばこういう笑い方もするって知ったのはここに住みこんでからだったなあ。
藍「はあ・・・」
蔡「そうは言うけど、それでも隼さんは凄いと思うけどな」
隼「そうですかな?」
とまた笑う隼さん。全く、楽しい人だ。
隼さん「まあ、それはともかくじゃ、続きをしてかまわんか?」
藍「え、あ、はい」
と諦めた雰囲気の藍。まあどうせ隠しても全部バレるって分かったんだし、諦めるわな。
隼「では・・・ふむ、九尾と?妖怪ですか。なるほど・・・ふむ、人間の生活に興味が?それはまた変わってますなあ」
それは俺に対しても言ってるのか、隼さん?そりゃあ変わってるっていうことに関しては認めるけどさあ。
隼「・・・ふむ、まあこんなものですかな」
藍「・・・」
おお?なんか藍が放心状態になってる気が。
蔡「お~い、生きてるか~?」
藍「は!?だ、大丈夫です!!」
そうか、そうは見えなかったが、まあ本人が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。
蔡「凄いだろ、隼さんの力」
藍「ええ、驚く事しかできませんでしたよ」
隼「おやおや、大妖怪のあなたにもそう言ってもらえるとは・・・この力捨てたものではないですな。さて、蔡殿、この方をどうするおつもりで?」
蔡「ん?そうだなあ」
藍「え、何かあるんですか?」
と何の事か全く分かってない様子の藍。
蔡「何、簡単な事さ、ここで一緒に住ませるかどうか考えているんだよ」
隼「そうですぞ」
藍「ああ、なるほど、一緒に・・・って一緒に!!?」
蔡「ん?何か変なことか?」
と隼さんを見る。
隼「さあ、わしにも分かりませんなあ」
藍「いえ、だって、私、妖怪ですよ!!?」
蔡・隼「「で、なにか?」」
藍「普通に考えてこの村の害になるような存在の私を、どうして一緒に住む事が出来ましょう!!」
蔡「と言っても・・・」
隼「のお?」
藍「なんです!その、え、何それ?みたいな反応は!?」
蔡「いやだって、お前が何かするなんて思えないし」
藍「え?」
隼「うむうむ」
と納得ですと言いたげな隼さん。
蔡「それに、もしお前が何かやらかそうとしても殴って止めれる自信あるし」
隼「そうですぞ?今の藍殿の実力では万に一つでも敵いますまい」
藍「うっ・・・」
と藍。
蔡「それにお前が本当に悪なら今頃この世にはいなかったぞ?」
藍「・・・確かに」
蔡「だから何の問題も無い!これは間違いない!」
と握りこぶしを作る俺。
藍「そ、そうなのでしょうか?」
蔡「大丈夫さ!な、隼さん!」
と隼さんを見る。
隼「そうですな」
どうやら隼さんもそう思ってるみたいだ。
藍「・・・」
蔡「だから一緒に住もう」
俺は藍に向かって手を伸ばす。それに対して藍は・・・
藍「・・・分かりました。お二人方がそう言うのであれば、私もこの村に住ませてもらいます!」
と手を取り納得してくれた。
蔡「おう、そうしろ!」
隼「これでまた騒がしくなりますのお」
蔡「だな!」
さて、住む事も決まったし・・・
蔡「なら改めて自己紹介をしよう」
隼「そうですな」
藍「はい」
蔡「では俺から・・・俺は蔡。この集落に住む者だ、何か悩みがあれば言ってほしい。よろしくな、藍」
隼「わしは隼この集落の長でございます。何かあればすぐに言ってくだされ、藍殿」
藍「蔡様、隼殿・・・私は藍と申します!妖怪ですがどうぞ、よろしくお願いします!」
こうして、自己紹介を終え、新たに住民が増えた。
藍「では、私は家をどうするか考えなくてはならないのd「は?何言ってるんだ?」・・・へ?」
蔡「お前は俺と一緒に住むんだぞ?」
隼「そうですぞ?」
藍「・・・えーーーーーー!!!??」
一段と楽しくなりそうだな。
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あれからまた時が過ぎた(大方9ヶ月)。
最初の頃はとても恥ずかしがっていた藍だが、時間が経つにつれ、恥ずかしがることも少なくなってきた。そして集落の方も順調で、初めは少し距離があったものの、それもあっという間に無くなり、今ではよくご近所の女性の方と話し込んだりしている。
そしてこれはそんなある日の事。
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(藍SIDE)
朝、小鳥たちの元気な声で目を覚ました私は寝床から出て、外に顔を洗いに向かう。
藍「(バシャ、バシャ)ふう・・・今日も良い天気だ」
さて、顔も洗って拭いたし、次は朝ご飯を作ろう。今日の朝ご飯は・・・
蔡「ふあ~~、おはよう~・・・」
と眠そうな声で挨拶をしてきたのはこの家の持ち主にして私の同居人、蔡様である。
藍「おはようございます、蔡様」
蔡「ん・・・顔洗ってくる」
と言うと蔡様は外に顔を洗いに向かわれた。さて、改めて、、朝の献立を考えなくては・・・うむ、最近は川で魚がよく取れるし、ここは普通に焼き魚と米と野菜で良いか。
では始めるか・・・
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藍「・・・よし、出来た」
うむ、何いつもながら良い出来だ。さて、あとはこれを台の上に箸と並べて座るものを用意してと・・・これで完了か。む、今日は早く用意ができてしまったな。どうしようか・・・そういえばここに住み始めて結構経つな。初めはあんなにも取り乱していたのに・・・ふ、慣れとは恐ろしいものだ。今では何の抵抗も無く過ごせてしまうのだからな。
藍「・・・だが」
だが最近、私が変なのだ。ときどき彼のちょっとした仕草で心臓がかなりうるさくなるし、挙げ句には顔がとても熱くなるし、抱きつきたくなるし、蔡様が他の女性の方と喋っているとこう、苛ついたり、一人で蔡様を独占したいと思ったりなど・・・この事を隼殿に聞いてみると
「なるほどなるほど」
と一人で納得して
「まあ頑張りなされ」
と言うだけ。他の村の人に聞いてみると
「まあ、一緒に住んでいますからねえ。自然ですよね。むしろやっとか!て言いたいです!頑張ってください!」
とか
「あ~、まあ当然かな。あれだけ一緒に居るんだし。え、あなた、今さらですか?とりあえず頑張って!」
など、どこか納得したような顔で頑張れと言ってくるのみ。一体なんだと言うのだ。
蔡「お、今日もうまそうだな!」
あ、どうやら蔡様が帰ってきたようだ。そうだ、今さらだが蔡様に聞いてみよう。
藍「蔡様」
蔡「ん?なんだ?」
藍「聞きたい事がありまして」
蔡「お、ちょっと待ってくれ、先にいただきますをしよう、腹が減ってるんだ」
藍「あ、はい」
むう、とりあえずそうするか。
蔡・藍「「いただきます」」
さて、改めて聞いてみるか。
藍「あ、あのう」
蔡「ん?・・・あ、そういえば何か聞きたがってたな。なんだ?」
藍「はい。それは・・・」
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蔡「・・・」
藍「・・・という訳です」
蔡「あ~、えっと~、何と言えば良いやら」
何やらとても困ったご様子の蔡様。まさか蔡様でも難しい問題だったのでしょう!?
藍「あの、まさかとても難しい問題なのでしょうか!?」
蔡「え、あ、ま、まあ、人によっては」
と蔡様。人によっては?
蔡「念のため聞いておくけど、お前が母君に何か教えてもらってない物ってあるか?」
ん?なぜそのような事を?とりあえず考えてみましょう・・・あ
藍「そういえば一つだけ」
蔡「・・・それは?」
確か・・・・
藍「恋、でしたっけ」
蔡「・・・はあ」
なんだかとってもお疲れなご様子。
蔡「はあ~、弱ったな~・・・」
藍「?」
蔡「とりあえず飯を食うか」
藍「え、あ、はい」
結局あれ以来何にも喋らなくなった蔡様。どうしたのでしょうか?
蔡(ん~~、まさかあの藍がねえ・・・どうしよ)
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(蔡SIDE)
蔡「は~~~、これはある意味大変だなあ」
今俺はご飯を食べ終え。外で一人考え事に耽っている。
いや、そりゃあよ?あれだけの美人に好意を持たれるのは嬉しいよ?本人はその感情に気づいてないけどさ。でも・・・
蔡「そういう感情を俺は持ってないしなあ」
せいぜいとても仲が良い友人程度にしか思ってないし。
蔡「・・・とりあえずこれは後にするか」
今考えたってどうしようもないしな。
蔡「さて、畑に行くk「蔡様ーーーー!!!」・・・穏やかな感じがしないなあ」
俺を大声で呼ぶのは隼さんの息子だった。一体何が起きた?
息子「蔡様、ここにおいででしたか!?」
蔡「なんだなんだ、そんなに息を切らして」
そんなに緊急なことか?
息子「父が至急家に来てほしいとのことで!!」
蔡「・・・」
む、本当にただ事ではなさそうだ。そう考えるのも理由がある。長くは無いけど、ここに住んで今まであの人が至急と言う言葉を使った事は無いからだ。
蔡「わかった、すぐ行く!」
息子「はい!!」
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蔡「隼さん!」
隼「来たか・・・」
そこにはそれなりの人数の人が居た。何やら重たい空気を纏って。
蔡「どうかしたのか?」
隼「・・・前にこのあたりにそれなりに集落があると言うのはお話ししましたな?」
蔡「ああ」
確か、殷に渡る前か。
蔡「それがどうかしましたか?」
隼「・・・その集落達が結託してここを手に入れようと動き出したそうです」
・・・何だと?
おお?なにやら危険な香りが・・・