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三章 お、これは行ってみるが吉だな!

はい、次回の話から現代編ではほとんど出番のなかったあの人がバリバリ出てきます!というかある出来事まではほぼ行動を共にします。

人里、おじいさんの家



時刻・日にち・曜日不明




蔡「・・・本当ですか?」


爺「ええ、本当です」



なんてこったい、まさか俺にそんな秘密が・・・あ、よう、皆、蔡だ。今俺は長老らしい人の家に来てんだけど、ちょっと半端ねえ事が起きてるんだ。いや、この場合は知ってしまった、の方が正しいか。それは・・・



蔡「まさかの女の姿あり」



そう、これ。いや、普通に考えてあり得ねえだろ?常識的に考えても。なにこれ、呪いか?



爺「いえ、体質です」



・・・ええ、さっき聞きました。



蔡「しかし・・・」



体質ってなんだよ体質って。どうしたらそんなあり得ない事が起こるんだ?呪いならまだしも、体質って。



蔡「どうにか出来ませんか?」


爺「無理ですな」



うわあ、はっきり言われたよ。



蔡「なぜそう思うんですか?」


爺「わしの能力のせいですよ」


蔡「能力?」


爺「ええ。先ほど言った、ちょっとした力、ですよ。それが無理と見分けてましてな」



ああ、そう言えばそんな事言ってたな。



蔡「して、その能力とは?」


爺「・・・見分ける能力です」


蔡「見分ける?」


爺「はい」



あれか、これは偽物、とか、あの道具は実は全然使い物ならない、とか見分けたりするあの、見分ける、か?



爺「まあ、それも可能です」


蔡「可能?」


爺「ええ」



じゃあ何か?それ以外にも出来るって言うことか?



爺「ええ。現にあなたの心を読んでますし」


蔡「・・・」



そう言えば・・・



爺「この能力はその通り、見分けるのですよ。見分けれるものなら何でも」


蔡「例えば?」


爺「そうですな、例えば先ほどのあなたの能力、他には噂があったらそれが嘘か真か、等々」



何でも見分けられるなんて、それは凄い。



爺「何でも、と言う訳ではありませんよ」


蔡「そうなんですか?」


爺「ええ。例えばあなた様の持つもう一つの能力、能力を無効にする能力などが発動してしまえばいくらこの能力でもあなた様の正体は分かりません」


蔡「確かに」



まあ、無効にしちまうもんな。



爺「・・・正直な話、この能力はあまり好きではありません」


蔡「?」



いきなりだな。



蔡「どうしてです?」


爺「見分けるとはそのまま、見分けるんですよ。本人の意思に関係なく」


蔡「・・・」


爺「人の心や考え、はたまた野望や野心・・・色んなものが。現にこの集落の者にもそういったものを持つ者もいる。そういった野心なども本人の意思に関係なく見えてしまう」


蔡「・・・」


爺「悲しいものです」



まあ、確かに。自分にとって大切な者が実はとんでもない野望を持ってるなんて知ったら俺でも悲しくなる。この人の場合はそれが嫌でも見えてしまうんだもんな。しかもここに住む者たち全員のが。悲しさとかは常人とは比べ物にならないだろう。



蔡「おじいさん」


爺「だからと言ってそれを止める権利は私にはありませんのでな」


蔡「・・・」


爺「もしそれでその者がこの集落を出ると言ってもわしは止めますまい」


蔡「・・・強いな」


爺「そうでございましょうかね?」



とにやりと笑うおじいさん。



爺「さて、湿った話はこれにて終了としましょうか」


蔡「そうですね」



何時までもしてるのもなんだしな。



爺「それで、あなた様はどうなさるんですか?」


蔡「どう、とは?」


爺「今後の生活ですよ」


蔡「生活?」


爺「はい」



生活、ねえ。特に変わることは無いけど。



爺「そうですか・・・ならこの集落に住んでみては?」


蔡「ここに、ですか?」



それはまた、何というか・・・



爺「ええ。無理にとは言いませんよ?あなた様にはあなた様の生き方と言うものがありますゆえ」


蔡「う~~ん」



どうするかなあ・・・確かにここに住めばいくらか楽になることもあるだろう。それに退屈もせずに賑やかに住めるだろう。ただ静かでは無くなるだろうな・・・



蔡「さて、どうしたものか・・・」



ん~~~~~・・・・・・そうだな



蔡「その申し出、ありがたく受け取っておきましょう」


爺「そうですか、なら明日にでも家を建てさせましょう」


蔡「あ、明日って・・・」



これまた随分急な・・・



爺「なに、思い立ったが吉、ですよ?」


蔡「・・・なるほど」



このおじいさん、やっぱ只者じゃないな。



爺「いやいや、ただの耄碌もうろく爺ですよ」


蔡「あはははは、そうですか」



全く、どこが耄碌なんだか。



蔡「では、改めまして・・・私の名は蔡と言います。以後、お見知りおきを」


爺「わしは隼と言います。お見知りおきを」


蔡「隼・・・」



また凄い名前だなあ。



隼「よく言われますわい」


蔡「そうですか」



ふふふ、楽しく過ごすことが出来そうだ。



隼「では改めてここに住む者同士、宴でもどうですかな?」


蔡「良いですね。ここの集落の人たちも交えて」


隼「そうですなあ」



今日は大騒ぎだな!



蔡「さあて、用意しますか!」



それから俺達は宴を楽しんだもうそれはなかなか無茶苦茶だったが、皆笑っていたので全然問題なかった。そしてその宴が終わって次の日・・・






蔡「この木重いなあ」



俺は集落の人に手伝ってもらいながら自分の家を造っていた。



男1「よく言いますよ・・・5本もまとめて持ってるくせに」


蔡「え、そう?」



ん~~~、よく分からんな。



男2「そうですよ!」



と別の人。



蔡「そうなのか」



全然自覚なかった。



男1「それはそうと、そろそろ完成ですね」


蔡「え、もうなのか?」


男1「・・・どこかの神様が物凄い方なのでね」


男2「うんうん」


蔡「ひどいなあ~」



それにしても案外すんなりと集落の人たちと馴染めたものだ。もうちょっと時間かかるかなあと思ってたんだが。



男1「さて、あとはその木を切っていただければもうすぐです」


蔡「分かった」



俺はふう、と息を吐くと腕を上にあげ、一気に振り降ろす。

スパっ!


蔡「ふう~~、軽い軽い」


男1「・・・改めて思いますけど、やっぱりただの神様ではないですね」


男2「うんうん」



ひでえ。



蔡「まあとりあえず、後は屋根に張り付けるだけだな」



俺は縦から半分に切れた木とさっき横から半分に切った木を持って屋根に飛んで上がる。



蔡「・・・・よし」



最後に屋根の空いていた部分に縦から半分に切れたを置いて魔力で固定してっと・・・



蔡「・・・完成だ!」


「「「「「「「おおおおーーーーー!!!」」」」」」」



と手伝ってくれた人達から歓喜の声。改めて見るけど、結構な人が手伝ってくれたなあ。

(ついでに家は現代で言うログハウス。時代もクソもあったもんじゃない)

しかしよくこんな家思い浮かんだものだ。我ながら感心する。



爺の息子「うへ~、さすが神様、凄いですね!」


男1「今度私達にも造り方を教えてくださいよ!」


男2「そうですよ!」


蔡「はは、わかったよ」



こりゃまた忙しくなりそうだな。でも今はとりあえず・・・



蔡「完成を喜びますか」



喜びに浸るとしようじゃないか!

さて、あの自宅建築から結構な時が流れた(大体1年)。何をしていたかと言うと、あの家と同じものを建てることに費やしていた。もちろん、俺が手伝えば別にそんなに時間はかからないのだが集落の人達が揃って


「自分達で造らせてください!」


と言ったので俺はなら必要最低限の手伝いだけさせてくれと言い、本当に必要最低限の手伝いだけをした。すると言っても木を切断したり、少し木を運んだりする程度だが。それ以外は全部彼らがやった。まあそんなこともあってか、この集落の人の半分程度の家を造るのに結構時間がかかった(さっきも言ったが大体1年)。まあ今の彼らの技術を見る限りではかなり早く出来た方だが。さて、これはその結構時間がかかった家造りが少し落ち着いてきたある日のことである。








蔡「ふう、ここらへんも結構進化してきたな」



何が進化したかと言えば家もだが、一番はやはり技術力だろう。ここ最近は酒という飲み物まで出てきた。一度飲んでみたが、なかなか癖になる味だった。。他にも食べ物の種類が増えてきたり、服装が少しばかり変わってきたり、あげるとそれこそきりが無い。



蔡「ま、とりあえず今日も狩りにでも行くか」



ここ最近の日課だ。初めは俺が狩りをするのにちょっと抵抗があった集落の人もあの隼さんの


「神様にも何か暇を潰せる戯れが必要じゃ」


という一言のおかげでみんな納得し、狩りに行くことを了承してもらえた。ついでに狩りで得た獲物は一人で食べきるのはちょっときついので集落の人にお裾分けをしている。狩りの獲物はイノシシとか兎がほとんど。



蔡「さて、準備して・・・ん?」



あそこにいるのは、隼さんの息子さんとよく喋る男じゃないか。なにやら何やら話をしてるみたいだが。どれ、行ってみるか。



息子「でよ、聞いた話じゃあよ、ここより遥か、それはそれは本当に遠い遥か西の殷って呼ばれてる所にそれはもうありえない程の美女がいるんだってよ!」


男「へえ~、そうなのか、そりゃあ見てみたいものだ」


息子「あ~、そりゃあ無理だな」


男「なんでだよ」


息子「聞いた話じゃあその方は俺達みたいな奴じゃあ入れないとても高貴な所に居るんだってよ」


男「へえ~、高貴なねえ・・・なら蔡様なら行けるんじゃねえか?」


息子「おお、確かに!あの方なら「俺がどうした?」これは蔡様!」



と俺を見つけるなりお辞儀をする息子さん。それに続き男もお辞儀をする。



蔡「で、その俺がどうしたんだい?」


息子「ええ、それがですね・・・・・」



それから息子さんからさっきの話を聞いた。何でも遥か西にあると言われる殷と言うところにはそれはそれはあり得ない程美女と呼ばれるものがいるらしいとのこと。



蔡「美女ねえ・・・」


息子「ええ、で、その美女と呼ばれる者は何でも俺らでは入れない高貴な所に居るらしくて、なら蔡様なら行けるな、って話をしてたんですよ」


蔡「高貴ねえ・・・」


男「どうです?行ってみたくないですか?」



と言われてもなあ・・・



蔡「ここをほっておくわけにはなあ・・・」


息子「何を言いますか!」


男「そうですよ!俺達は自分達でも守れるように蔡様に鍛えてもらってるのですよ!」



まあ確かに鍛えてはいる。俺のあらゆる武器を操る能力を使って。まあ使わなくても別に全然問題は無いが。この集落の人曰く


「そんな力使わなくてもあり得ない程強いじゃないですか!!」


とのこと。訓練内容は棒術と剣術、後は素手による武術など。

初めて訓練していたものは皆


「こ、殺す気ですか!」



との事。失礼な。一応手加減はしてる!と、話が逸れたな。まあ確かにそれなりに実力はあるし心配は無い。無いけど・・・



隼「ほっほっほっほ、心配のしすぎですぞ、蔡殿」


蔡「隼さん」


息子「父上!」


男「長老!!」



とそこに隼さんが現れた。



隼「心配せんでも、周囲の集落にここほど強い集落はありませんゆえ、まず攻めてくることは無いでしょう。行きたいのであれば行ってきてくださいな」


蔡「う~~ん」



まあそれはそうだけし、行きたいのは行きたいけど・・・



蔡「・・・わかった、それならお言葉に甘えて行かせてもらいましょう」


隼「ほっほっ、そうしなされ」


息子「大丈夫、あなた様が帰ってくるまで必ずや私達がお守りいたしましょう!」


男「はい、必ずや!!」



・・・ふ、以前よりもかなりたくましくなりやがって。



蔡「なら帰ってくるまでの間、留守を頼んだぞ?」


「「はい!!」」



さて、では準備を始めるか・・・






















徐々に収まりつつある書きたい欲。悲しいやら嬉しいやら・・・

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