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波乱の時

やべ、久々に遊戯王バトルシティ編みたらはまった…懐かしい、遊戯王か! ああ、懐かしい…



原作設定を問答無用で無視る俺って本当にダメぽね。

あ、新作出るらしいね東方。いつ出るかはわかんないけど…

 そして今日は二話だけでしかも短くノックダウン、時間的な意味で。






幽々子が逝った翌日、恨みを言いたくなるほど晴れ、多少和らいだ空気の中、幽々子と共に長年を過ごした面子だけで桜の木の下で小さな葬式が行われた。

葬式と言ってもそんな豪華なものではなく、本当にひっそりとした静かなものである。

そしてそんなひっそりとした中、晴明の力を借り葬式を終えると、紫の提案により幽々子を入れた棺桶は桜の木の下に埋められることが決まった。

そして冥福を祈り幽々子を桜の木の下に埋めたあの日から早一ヶ月…桜も完全に散り、夏になろうとする中、最悪な結末へ真の始まりを告げた…






















「今日も最高にのんびり日和だな」



今日もいつも通り晴れた中、これまたいつものお気に入りの場所である縁側でお茶を啜っている俺。やはり茶は美味い。男って最高。


今日は誰も居ない。皆各々用事で出払っている。

紫は確かある場所を検査しに行くとか言っていたな。

藍と幽香は買い出しに出かけ、亜紀は久しぶりに想い人に会いに出かけているし、流美亜は散歩してくる~、とのんびり出かけている。

爺さんはなんでも自分の息子夫婦の所に問題が発生し急遽出かけていった。

晴明は今日は依頼がどうとか言って来ないし…



「いや、最高だわ」



多少暑いと思いはすれど、それでも快適に満喫できている。だがまあ、欲を言えば…



「お前が居てくれればもっと良かったんだがなぁ…」



既にこの世にはいない家族に向け届かぬ願いを言う。


あいつが逝って一ヶ月、最初はちょっと酷かった。紫はらしくもない失敗を繰り返し、爺さんに関してはぼへぇっとすることが増えた。他の面子もここまでとはいかないがそれなりに影響を受けている。

まあなんだかんだ言って一緒にはしゃいだり寝たり出かけたり…楽しいこと三昧だったからな。仕方ないといえば仕方ない。

川で遊んで亜紀と流美亜と一緒にびしょ濡れになれば俺や爺さんに怒られ、流美亜と紫と一緒につまみ食いをしては俺と藍に怒られ…やんちゃ娘だったよ。


俺? ああ、泣いた、そりゃ泣いた。大号泣とはいかずとも泣いた。普通に涙が流れた。

何より喪失感が半端なかった。ぽっかり心に穴が空くってのを見事に体感しちまったよ。

それほどまでに、あいつは大切な奴だったって事だがな。

今でも時々込み上げてくるものがあるが、そこは我慢。いつまでも後ろ髪引っ張るような女々しい事をしていられないからな。そんなことすればあいつが成仏できねえし。



「はぁ…まあでも、慣れねえな、今の状況」



それでも慣れないのはやはりあいつの存在が大きかったからか…



「おっといけねえいけねえ! こんな事考えてたら本当にあいつ成仏できんぞ」



あぶねえあぶねえ!


俺は気合を入れ直すために頬を叩く。痛い…



「はぁ…」



気合を入れたものの、やはりというか何というか、すぐに気合が抜けてしまう。

俺は縁側に大の字で寝転がると空を見る。

気持ちとは裏腹に清々しいほど晴れ渡る空、平和に飛び交う鳥、時々流れる雲…結局



「変わんねのな、空は」



俺は罪もない空に恨み言にも取れる言葉を漏らすと勢いを付け起き上がる。

さあて、どうすっかなぁ…



「蔡、蔡!! ここに居るか!?」


「残念ながら平和とは去るものなのさ…ここに居るぞ~」



玄関の方から晴明の喧しい声が聞こえてきた為、俺は平和に関して一種の悟りを開いたような気がしながらも晴明に気怠げに答える。

すると聞こえたのかドタドタと走る音が響き渡る。


いやどんだけ急いでんだお前。


そんな事を思いつつ開くであろう位置にある襖を黙ってみる。



「残念!! 私はここじゃ!!」


「何!?」



予想とは潰されるものである…じゃなくてお前な!!



「天井から出てくんな!!」


「ぬぅ…笑えると思うたのだが…」



天井から突如姿を現した晴明は俺の突っ込みに心底残念と表情に浮かべながら華麗に畳に着地すると一変、緊迫した表情に変わった。



「じゃなくて!! 都が騒がしいんじゃ!」


「騒がしい?」



何が騒がしいのだろうか? 祭りか?



「祭り?」


「な訳あるか! 阿呆」



ドガっという鈍い音と共に頭を殴られる。痛い…



「ともかく、さっさと来い! 今すぐに! 早急に!! こうしてる間に!!」


「あいあい、分かったよ…ったく乱暴な奴なんだから…」



俺はぎゃあぎゃあ喧しい晴明を鎮めるため、出かける支度をする。

そして玄関で靴を履き、出ようとしたとき



「ん?」



何の前触れもなく靴紐がちぎれてしまった。俺はそれを見て少し嫌な予感がした。いや、胸騒ぎがしたと言ったほうが良いか…



「ちっ…なんだよ全く…こうやって何度も不幸事が重なるってか? やってらんねえよ!」



俺は苛立たしげに靴紐を結びなおすと先に出て行った晴明を追いかけるため、飛翔を開始した。




















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