表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/118

悲劇への物語 九尾とスキマとの平和な日常

本日は早めに終わり、やることがなくなったので三話投稿行けたら行きます


何故かというと、過去編表ルート(ようは蔡サイドの話)がいよいよ大詰め、だからです。まあ特におお! と言えるほどのものではないですけど…トホホ…


話数をつけてないのは仕様です。ついでに短めです。







あの世を騒がせた道尊の事件より早八年、幽々子が美人になりすぎたがために求婚され、それを蔡と妖忌が殴り飛ばし門前払いしたり、幽香が積極的に蔡に夜這いを仕掛け、その度に藍と修羅場になったり、亜紀が恋人と喧嘩しましたぁ、と泣きついてきて仲直りさせるために蔡達が走り回ったり…まあともかくそんなこともあったが、今日も都はいつも通り人で賑わい大した問題もなく日常を過ごしている。


そんな平穏な最中、もはや都では日常の一部と化しているある御一行が周りの住民から暖かい視線を浴びながら騒いでいるのであった…





































「おい紫! 貴様蔡様に引っ付き過ぎではないか!! 離れんか!!」


「ピーピーピーピー喧しいわこの年がら年中発情九尾! 別に貴女だけの蔡じゃないわよ!」


「き、貴様ぁぁ! 側室の分際で生意気な!!」


「はっ! いつあんたが正室になったのよ! 初耳だわ!」


「ま、まあまあ二人共…」


「貴方は黙っていてちょうだい!!」

「蔡様は黙っていてください!!」


「…はい」



人が賑わう大通り、その真ん中に居る俺の左右では激しい喧嘩が繰り広げられていた。

それを見た周りの住民は


ああ、またあのご夫婦か、とか


ふふ、いつも楽しそうですね、とか言いながら温かい目をこちらに向けてくる。いや待って、止めてこれ。


さて、まずこれを見て疑問に思った方がいると思う。何がって? そうだな、何がと思っても不思議ではないな、だって特に何が、とは言ってないからな。


じゃあ何故疑問に思う展開になるか…それはだ、藍は変化をしていない。これで分かったか?


そう、そうなんだ。今俺ら三人はいつもの変化を使わない自然の姿で街中を歩いているのだ。

藍はいつも通り尻尾丸出しだし、紫もあの目立つ金髪を隠さずに堂々と。

 普通俺らみたいな人外が来たらやれ陰陽師じゃあ! とか退治じゃ! とかで即効大騒ぎなのだが、そこはそこ、あの道尊の事件と晴明のおかげで化物どころか英雄扱い、何不自由なく過ごせている。

 

まあ全員が全員とはいかないけど…


ともかくそんな要因もあって俺らはこうして歩いているわけなんだが…



「大体貴様のような見た目胡散臭い奴が蔡様の側室になることが間違いなのだ! なんだあの胡散臭い笑みは! 蔡様も時々迷惑がっているぞ!」



いやいや何勝手に決めてんだこら。



「ふん! なら言うけど、あんたのその尻尾、邪魔で仕方ないのよ!! 蔡も時々迷惑がってたわ!!」



おいこらそれも間違いだ。



「な! この尻尾が? この尻尾がか!? ありえん!! この至高の感触を持つ尻尾を蔡様も好んでいるのだ! 貴様も見ていただろ!! 縁側で尻尾に包まれながら心地よさそうに眠っているのを!」



ああ、そう言えばそうだったな。あれは最高だった、間違いない。温かい日光、静寂な中に響く心地よい自然の音。そして止めにあの最高の感触を持つ尻尾。これに堕ちない者なんて居ない!! 断言してやる!!

まあ時々艶やかな声が小さくながらも聞こえるのが難点といえば難点だが…あれは色々悪い。



「そ、それを言うなら私だって!! 縁側で耳掻きをしてあげたときは一瞬で眠っていたわ!!」



どういう状況でかはもう言わなくても分かると思うが、実は紫の耳掻きもこれまた最高なのだ。

あの適度な力加減、そして測ったかのように痒い所を的確に掃除してくれるあの正確さ、痛くなるこtなんて全くないという丁寧さ。あれは藍の尻尾とは違う心地よさがある。おかげで耳掻きが終わるまで起きていた試しがない。



「何!? そんな事をしていたのか!? くっ、やられた…」


「ふふん、私の勝利よ」



俺が熱い解説をする中、何時の間にか決着、とでも言うべきか、その何かが終わったようだ。

結果を見ると藍が地面に手を着きひれ伏し、紫はふふんと腰に手を当て勝ち誇っている。



「はは、今日は紫殿が勝利ですな」


「あ~やられた、今日は藍殿が勝つと見込んでいたのだが…」


「まだまだ甘い殿方ですねえ、ああいうのは見る前から分かるものですよ?」



そんな光景を見て周りの住民はやれ外れただの当たっただの微笑ましく話していた。これも都では日常である。



「藍、とりあえず起き上がろう、目立つ」



未だひれ伏す藍の手を掴むと立ち上がらせる。



「蔡様、私では魅力はありませんか?」



すると立ち上がったと同時に美麗な顔を俺の顔に近づけると不安そうに訪ねてくる。



「お前は最高だ、誇っていい」


「ああ、蔡様!!」



そして毎度恒例の質問と解答を済ますとこれまた恒例のああ、私幸せ状態に陥る藍。

そしてそんなことになるとまた恒例の…



「…ふんだ、拗ねてやるもん」



と紫の拗ね状態が始まる…全くもって悪循環である!!



「はぁ…買い物、出来ねえな…」



そんな事愚痴を零しながら、暖かい視線を向ける観衆にすいませんといつもの如く苦笑いで謝罪をするとこれまたしつこいながらも恒例の幸せ現実引き戻しと拗ね状態解除のため、一種の作業に入るのであった…ああ、いつになったら仲が良くなる…



「絶対にないわ!!」

「絶対にありえません!!」


「息合いすぎな…」



トホホ…

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ