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四十七章 お茶ってさいk…なぁ、平和ってなんだと思う?

連続投稿したくなる時が今というわけですね。






「ん…ふぅ…やはり、お茶は、うめえ」



快晴の空が広がり女の姿にさえなってなければ最高の日だと思う今日この頃。

 のんびり縁側でお茶を飲みながらそんな言葉がつい漏れる。いやだってお茶って美味いだろ? 菓子とかの相性とかも抜群だし、それに平和を感じることが出来る…至高の一時なのである! まあ、女の姿にさえなっていなければ本当に最高だったのだが…



「今日は幽々子もあの爺さんも、ついでに紫や藍達もお出かけしてるし、静かで平和だもんなぁ」



いや、別にあいつらが鬱陶しいとかいうわけではないんだぜ? むしろ好意を持てる。


だがな、それでも時々休みたくなるのが人間、じゃなくて化物人間共通の性だと思うんだ。現に俺がそうだから。



「川のせせらぎ、気持ちよく聴こえる鳥の鳴き声に風の音…いやぁ、最高」



こんなこと言えば藍や紫におじん臭い、この場合だとおばん臭いなんて言われるだろうが、まあ今の俺には関係ない。



「こういう時間が継続してくれれば俺の精神にも優しいのだがなぁ…」



優しくない時の方が多いからついそう思ってしまう。大半の原因は藍なのだが。



「ふぅ…」



そんな事はともかく、俺は平和なため息をつくとお茶の入った湯呑を手に取り喉を潤す。

 

その時、突如森の方から爆発音が響いてきた。



「……は~、どっこいしょ」



お爺さんが言いそうな台詞を漏らすと俺はその爆発音を聞かなかったことにしてお茶の補給をs



「怖いよーーーー!! 誰か助けてーーーー!!」


「ま、待ちなさい! そっちに行ってはなりません!! 危険です!!」


「ちっ! おい小娘! その小童をさっさと追わんか!」


「誰が小娘ですか!? あなたこそこの量の妖怪を一人で仕留めるとでも!?」


「私はそこまで弱くないわ! さっさと行かんか!」



…ああ、神よ、あなたはそこまで私のことをお嫌いになりましたか? そんなことを考えたくなるくらいに今の状況にある種の絶望を抱いてしまった俺。なにこれ嫌がらせ?



「…聞いたからには行かないと後味悪いよなぁ」



こういう時って自分の比較的良人な性格が恨めしい…


俺はそんなことを思いながら湯呑を台所に持っていき、玄関で靴を履き空に飛び上がると早速そのお助け現場の森に向かう。帰ったら藍に甘えよう、うん。
















「確か、この辺だと思うんだが…」



声もそう遠くなかったため飛行してすぐに降下すると俺は辺りを見回す。



「外れか?」



しかし特に争ったような痕跡はなく、何もなかったことを示していた。



「うむ…」



だが流石にそれだけで判断するのは愚行と思い、少しばかり歩み始める。すると程なくして地面に何かの痕跡が見つかった。しかも辺り一面に所狭しと。

 

俺はしゃがみこみ調べる。



「これは…爪痕?」



全体の大きさは大体…大人の頭1個分くらいかな? だとしたら妖怪の部類では比較的体格は小さいな。

でかい奴だと人2人分の大きさの奴もいるからな。



「ええい!! なんじゃこの妖怪どもは! やけに強いではないか!」


「あはは! 私に勝とうだなんて馬鹿にも程があるわ!」



おお? どうやら骨がある奴がいるようだ。まあ相手をしている陰陽師の腕がどの程度か分からんが。



「雑魚は雑魚らしくとっとと沈め!」


「あんたこそ早くくたばりなさいよ!」



熱くなる売り言葉に買い言葉。それに比例してか着弾する音量や数、爆発音の数も鰻上りで増えていっている。


介入、したほうがいいのか俺?



「そこの方」


「ん?」



そんな状態が続く中、凛とした声が俺を呼ぶ。

誰だ? と思い振り返るとそこにいたのは



「…誰?」


「誰とは失敬な。これでも私は仏像です、物の言い方に気をつけなさい、それが今の貴方が詰める善行です」


「は、はぁ…」



黒髪のどこにでもいる町娘と、幽香とは多少違うが緑髪という何とも印象的な小さい少zy



「…小さい?」


「え、何か違った?」


「…いえ、結構です」



何か納得いかない様子の小さい少女。大きさ的には俺の胸辺りに娘の頭が来るくらい。

あれ? なら小さくはないのか? いや藍は俺の首くらいは来るし、紫や幽香も妖忌も、亜紀ですらそこくらいまで来る。ならあれか、比較的小さいで正しいのか。



「ちょっと待ってください、基準がおかしいです」


「え、そう?」


「そうです」



そうなのか。ていうかな



「勝手に俺の心読むな」


「これは失敬、分かり易いものですからつい」



どこか得意げな様子の少女。なぜか知らんが腹立つ。よし、とりあえずだ



「ふむ」


「な、何をするのですか! この無礼者!!」



頭を撫でてあげることにした、のだが、何か気に入らない様子。その証拠に俺の頭を叩こうと必死に腕を振り回している。


まあ当たる気がない俺はその腕を掴み動きを止めるが。



「なんですか貴方は!! 胸のみならず身長まで自慢したいんですか!? 嫌がらせですか!?」


「いやむしろ俺の方が嫌がらせ受けてるんだが」


「そんなもの知りません! 良いですか!? あなたには神仏を敬う心意気というものがですね!」


「ああ、悪い、ちょっと用事だわ」



何やら長くなりそうな気がしたので無理くり振り切る感じで戦闘中の奴らのもとへ向かう。

後ろから敬え! だの、嫌がらせか! だの聞こえながら…


















「あんた本気でしつこいわ! 何その粘着性!」


「喧しい! 嫌なら悪戯なんぞ仕掛けなければいいだけのことじゃろうが!」


「それは無理ね! 悪戯してなんぼなのが私ら妖怪だもの!」


「おお…」



あの喧しい緑髪から離れ、ほんの少し走ったところでようやくその戦闘中の集団を発見した。

見たところ現在戦っているのは足らへんが結構際どい服装を着て、人間ではないと証明するよく分からない赤と青の羽らしきものを持つ少女を



「あれ? あれって確か…」



来た当初俺と肩をぶつけ急に嫌そうな顔をして去っていった~…確か晴明だっけ? そんな名前で呼ばれてたような奴が戦っていた。



「ちっ、面倒な…ん?…!!…貴様は!!」



御札や光の玉が飛び交う中、ふと俺に気づいたのか、思いっきり敵意をぶつけてくる晴明。

あれ? 俺何かしました?



「ちっ、今回は引くか…」



もう一度舌打ちをしたかと思うと相手の少女を思いっきり跳ね除け、一瞬で姿を消してしまった晴明。

それを見た黒服の少女は何? と不思議そうな顔をする。しかしすぐに俺の存在に気づくと新しい玩具を得ましたとばかりに満面の笑みで



「なんだかわかんないけど、とりあえず貴方が次の目標ね! これ決定!」



なんて急なことを、って



「おい待て何勝手に俺を巻き込んでんだ」


「し~らな~いも~ん! 私ら妖怪は気まぐれだしね~!」



楽しそうな笑みを浮かベ先程の光の玉を俺に放ってくる誰か。俺はそれを問題なく回避すると内心溜息をつき



「分からんが、とりあえず俺が相手すればいいのな…はぁ」



平和は来ないのかねえ、と思いながら戦闘態勢を取り、とりあえず迎撃することに決めた。


お茶飲みたい…

















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