第六話 一次試験 その2
ソウタについていきながら、校内の探索をする。
彼は校内の間取りが大体わかっているようで、迷わずに廊下を歩いている。
十字路のようになっているところも、迷わずに進んでいく。
到底自分ではできそうにない。
そもそも道の暗記などできるはずもないし、何なら今回が2回目なのにこんなに正確に覚えているんだヤツは。
正直にいってこれは頭の構造が違うと思う、というかそうとしかいいようがない。
今はこの学園にある塔のうち、西側の塔に向かっている。
正確に西を向いているわけではなく、少しズレているらしい。
それが東西南北の方角にあり、西の塔は何やら秘密の部屋的なものがあるとのこと。
まぁ彼も詳しくは知らないようで、前回偶然見つけたらしいが、追われていた最中だったので隠れるどころか何があるのかすら分からなかったそう。
今回はそこに隠れて芋ろうってこと。
そんな中でやはり一番厄介なのは間違いなく罠の存在だ。
近くでやられるところをみてしまったし、何より前回とは場所が変わっているらしく、ソウタが一番手こずるのがここ。
おかげで少し慎重に進まないといけずに、結構時間がかかっている、チクショーメ。
現在地は多分3階、ついてきただけだからよくわからないけど、でもこれより上は絶対にある。
「ここって何階まであるの?」
「多分5回とかだろ、でも建物の大きさ的に全然それよりある、多分。」
「へぇ~」
5階というと少し小さい気がする。
全然自分の感覚がおかしいだけかもしれないが、全然8、9階はあっていいと思う、やっぱりそれはいいすぎかも……。
まぁつまり建物の大きさとフロアが合ってないということ。
気のせいかもだが、まだ開始の合図が鳴っていないことからこんなに歩き回っても10分経っていないということだろう。
あんなに大きそうに見えてフロアはかなり小さいというのは何かしらの技能でも絡んでいるんじゃないのか?
自分も技能に関しては、試験を受けるってことが決まってから親から色々教わった程度で、基本の身体強化とついでに空中蹴ができるくらいだ。
身体強化は名の通り少しの時間身体能力を向上させる技能だ。
空中蹴はその名の通り2回ジャンプができる。
どういうことかというと、一度ジャンプを行ったあと、この技能を発動することで、空を蹴り、2回目のジャンプをすることができるのだ。
自分でもどうなってるのかわからないが、まぁかっこいいから良しとしよう。
あとは技能は魔力を消費せずに使えるらしい。
何か色々めんどいこと言われたが……気にしないことにした。
そんなことを考えていると、塔への渡り廊下に着く。
そしてそこには立ち入り禁止の立て札。
しっかりチェーンのようなものではいれなくなっている。
「嘘だろマジか……」
ソウタがかなり落ち込んでいるのがわかる。
まぁ無理もないだろう。
これならを使えば合格できるのにそれを封じられているからな。
「まぁ切り替えていこうよ、まだ終わったわけじゃないんだからさ。」
「それもそうだな……こっからは俺もどうなるかわからないからな、お前も注意していけよ。」
「りょーかい。」
少し気持ちを切り替え、ソウタと道を引き返す。
ここから始まるんだからな、まだ終わっちゃいないんだ。
『参加者の皆様、聞こえておりますでしょうか』
ちょうど開始の放送が鳴り始めたようだ。
『10分経ちましたので只今より一次試験を開始させていただきます。』
「こっからだな」
「ああ、ここからがスタートだ!」
あれ、もう2話経ってるのにまだスタートラインなんだが……
これもしかしなくてもまずい?




