第五話 一次試験 その1
広場に来てから30分ほど経っただろう。
ちょうど周りの人たちが愚痴をこぼし始めたころ、広場の噴水の前に1人の男があらわれる。
何をしてここに来たのかわからない。
魔法か何かなのだろう。
その男は白色のローブのようなものをまとっており、いかにも魔法使いですよ感が満載だ。
「受験生の皆様こんにちは、今回の試験官を務めさせていただきますマサトと申します。以後お見知りおきを。」
周りから歓声?というかやっと試験が受けれる喜びの声が聞こえてくる。
まぁ無理もない。
遅く来た自分がこれだけ待たされてるんだから最初の方に来た人はこれ以上に待たされてるだろう。
「では、一次試験の内容を説明していきます――」
どうやら一次試験は鬼ごっこのようだ。
試験エリアはこの学校内全体で鬼は全員で10人、全員白色のローブをまとっているらしい。
捕まったら即終了、制限時間は1時間。
これをクリアした者のみが二次試験にいけるとのこと。
それと校内には罠などがあるから、それを使って鬼を巻いたり、逆に罠に捕まらないようにすること。
このあと10分後くらいに放送で合図があるとこのこと。
まぁ正直何言ってたかわからないが、鬼ごっこということだけは分かった。
いや説明ってこんなわかりにくいものなのか?
数人はもう走り出してるけど……多分あれは経験者なのだろう。
多分だが、鬼ごっこで捕まったら終わりで、1時間逃げ切ったら二次試験みたいな流れなのだろう。
とりあえず、広場から出て、校内を探索してみることにした。
何なら罠もあるようだが……今の自分にわかるかどうかはわからない。
廊下を少し歩くと、横に階段があらわれる。
階段は上にしかつながっておらず、らせん階段のようになっている。
やはりここが一階のようだ。
廊下も先は続いているようだが、ポツポツある部屋には立ち入り禁止の立て札があり、探索できそうな場所はない。
とりあえず階段を登っていくと、急に後ろから首根っこをつかまれ、階段から落とされる。
「おいよく見ろ、ワイヤーがあるだろ。」
「えっ、うでしょ」
よく見ると足元には透明のワイヤーが貼ってある。
これが罠というものだろう。
「この程度の罠くらい自分で見つけれねぇと、お前すぐ脱落するぞ。」
「なんかありがとね、それでなんで自分なんかを助けてくれたの?」
「一緒に行動するやつを探してただけだ。この試験では集団行動が結構大切だからな。一人でいると後ろから急に襲われたりするんだ。」
無も知らぬ子供よ、ありがとう。
まぁ俺も子供だけど。
俺と同じくらいの年齢だと思うけど、結構しっかりしているようだ。
言い方的に一緒に行動する仲間を探しているようだ。
とりあえず一緒に回るか聞いてみると、
「ああ、いいぜ。」
と二つ返事で了承してくれた。
彼の名前はソウタというらしい。
使う魔法の属性は風。
6歳らしい。
こんな子供でもしっかり行動できるなんてすごいねぇ。
少し強気な性格で、乱暴なところもあるらしい。
ちなみに前回の試験も受けていたらしく、これで一次試験を受けるのは2回目とのこと。
前回はあっけなくやられたことからこの試験のことを学んだらしい。
校内のことはよく知っているらしいので、とりあえず彼についていくことにした。




