第一話 人生始めは赤子に捨て子
目を覚ますと、そこは知らない土地だった。
目の前には西洋風のレンガ造りの噴水。
周りには木やレンガで造られた西洋風の家々が立ち並んでいる。
空は暗く、星々が輝いている。
そんな夜空に一際異様なオーラを放ち、不規則に並ぶ3つの月。
そこで、俺は察した。
ああ、ここは異世界なのだと。
絶望と希望に満ち溢れた自分に溢れてきたのは1つの違和感。
なんというか、体が小さい気がするのだ。
病弱とはいえ体重はまだしも身長は同世代のなかでは高い方のはずだ。
そんなことを思いながらふと自分の手を見る。
そこには、見たこともない子供の、しかも赤子の手があった。
とても自分のものとは思いない。
夜中に赤子が広場の真ん中に1人。
ここから導き出される答えは……
―捨てられた?
そうとしか考えられない。
だとしたらこの世界の俺の両親はとても非常識な人なのだろう。
いや、まだわからない。
この世界ではこんなことが日常的に起きているのかもしれない。
そんなんだったらとてもじゃないが住みたくもないが……。
まずは今、どうするか考えよう。
といってもここで何かができるわけでもないからな……。
そう考えていると、突然男の人が自分の前にしゃがみ込む。
茶髪で少し痩せており、3、40代くらいだと思われる。
「あう、あうぁ?」
「こんなところに赤ん坊人なんて、かわいそうだねぇ〜。
こんなおじさんだけどよぉ、子供は見捨ててはおけけねぇ。」
そう言いながらその男性は自分を持ち上げてくる。
どうやら拾ってくれるようだ。
少し安心するが、やはり心配もある。
そんなどこかもわからない世界の住民。
しかも初対面の人ともなると抵抗が生まれるのは自然なことだ。
その男性は自分を抱き上げ、担ぐようにして連れて行く。
段々と噴水から離れ、街並みも変わってくる。
先ほどの住宅街のような場所を離れ、市場のような場所を通っていく。
建物はやはりレンガ造りだが、道の端には屋台のようなものが並んでいる。
見たことない食材から宝石類、さらには何かの生肉なども売っている。
衛生面的にどうなのかとも思うが、そのへんは気にしないことにした。
そのまま街から離れていき、少し外れたところで男性が止まる。
街とは反対側のところに草原が広がっており、その先には巨大な木々が立ち並んだ森、そしてそのさらに奥には巨大な山々が連なっているのが見える。
そんな街の外れ、少し家が立ち並んでおり、ここの家は木造のものが多いイメージだ。
その一軒家に男性が入っていく。
俺の新しい人生は、ここからスタートした。




