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来世は自由に生きたい  作者: 焼鶏煮灸
第一章 始まりの街と学園
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第9話 束の間の休息

「もうダメです、もってあと1時間でしょう……。」

「そ、そんな……。」


女の人が膝から崩れ落ちる。

その女の人は前世の自分の母親のようにも見えた。

5年も会っていないと親の顔でさえ忘れてしまう。

父はそんな母をなだめている。

その目には涙がたまっていた。


ここは……なんの視点だ?

まるで空中から見ているかのような体験。

病室ということだけはわかる。

そして、最初に話していた人は自分でもわかる。

あの声の主は自分を付きっきりで見てくれていた看護師さん。

こういうのって医者が言うものじゃないの?とも思ったが、こんな雰囲気で思っていいことじゃない。

多分、俺が転生する前、つまり俺が死ぬ直前くらいだろう。

笑えない、前世とはいえ自分の死に様をこの目で見るなんて。

心電図の音がどんどん小さくなっていく。


「まもなく……御臨終です―――。」










目覚めると、そこは知らない天井だった。

天井は白く、まるで前世で見慣れたような光景。

さっきのはなんだったんだ?

というかここはどこだ?

さっきまで俺は何をしていたんだっけ……。


「お、良かった良かった。」


ソウタの声が耳に入ってくる。


「ん……?なんでソウタがここに……?」

「なんでってここ、医務室だぞ?」

「……へ?」

「試験終わりに先生が倒れてるお前を見つけたんだってよ。」

「あ……どうも……。」


ソウタの後ろから少し気まずそうに座っていた男の人が顔を出す。

何でもその先生は自分を最後に追いかけていた鬼の人だったようで、試験終わりに階段の方へ行くと、階段下出自分がぶっ倒れていたとのこと。

その後すぐに医務室に運ばれてこのザマだ。

何でも魔力不足と疲労が重なって意識を失っていたとのこと。

魔力がなくなると、死ぬこともあるから気をつけろとのこと。

めちゃ怖いなそれ。


「それでニ次試験は受けれそう?」

「僕合格してたんですか?」

「うん、合格してるよ。」

「マジでぇ?」


自分でも驚いたぜ、まさか合格したいとは……。

少し驚きながらも先生の話を聞く。

合格者は明日、この学校にまた来ること。

できそうにないなら後日でも受けれるけど、その分難易度は上がるらしい。

自分の体を大切にしろ、とのこと。

まぁ要するに明日受けれればいいってことだ。


「んで、どうする?後日にする?」

「明日受けますよ、いけます。」

「オッケーじゃあ全員参加ね。」


そう行って先生は医務室を出ていった。

いい人だったなぁ。


「そういえば、ソウタは合格したの?」

「そりゃあもちろん合格したさ。あそこでお前とはぐれたときはどうなるかと思ったがなぁ。」

「お、さっすがぁ。」


まぁ流石である。

何回目かわからないソウタくんもしっかり合格してくれてとても嬉しいよ。


「じゃあ帰りますか!」

「そんな体で帰れるのかよ、疲労で倒れたんだろ?大丈夫か?」

「こんなのどうってことないって!」


このあと家でめちゃくちゃ怒られたのはまた別の話である。


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