第3話 コスプレOKは、広告ではなく許可である
コスプレで人を集めよう、という話ではない。
最初にそう書いておかないと、たぶん誤解される。
これは集客の話ではない。
広告の話でもない。
場の使い方の話だ。
商店街に人が来ない理由は、前にも書いた通り、行く理由がないからだ。
では、その理由を「作る」にはどうすればいいか。
派手なイベントを打つ?
有名人を呼ぶ?
ポスターを貼る?
どれも違う気がした。
なぜなら、それは全部「呼ぶ」行為だからだ。
来てほしい、見てほしい、参加してほしい。
その時点で、主導権は商店街側にある。
コスプレOKは、逆だ。
来ていい。
使っていい。
撮っていい。
これは呼びかけではなく、許可だ。
この違いは、かなり大きい。
オタク文化、とくにコスプレ文化は、許可にとても敏感だ。
禁止されていないか。
怒られないか。
迷惑にならないか。
この不安がある限り、人は動かない。
逆に言えば、そこが消えた瞬間、勝手に動き出す。
だからキャプテンは、こう言う。
土日限定で、コスプレOK。
撮影OK。
店内撮影も、OK。
細かい条件はつけない。
イベント名も作らない。
申請も不要。
危険なことだけ、ダメ。
通行の邪魔になることだけ、ダメ。
それ以外は、基本OK。
ここで重要なのは、商店側の負担を極限まで下げることだ。
全店参加しなくていい。
やりたい店だけ、OKを出せばいい。
やり方は簡単で、
「撮影OK」
この札を一枚、出すだけでいい。
それだけで、写真が撮れる場所が点になる。
点が増えると、線になる。
線になると、人は回遊する。
撮って、投稿して、また来る。
別の衣装で、別の構図で、別の日に来る。
広告費はゼロだ。
けれど、情報は勝手に流れていく。
ここでもう一度、キャプテンの役割が効いてくる。
キャプテンは、企画を管理しない。
許可するだけだ。
「やっていい?」
「いいよ」
このやり取りが成立するだけで、
商店街は「使っていい場所」に変わる。
呼ぶのではない。
来ていいと、許すだけだ。
次の話では、
この流れに少しだけ味付けをする方法、
限定日という、ゆるい魔法の話を書こうと思う。




