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第1章 赤い夢の残滓②ーマリアの檻ー

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「詩が上手く書けないんだ。」


 誰もいなくなった暗いオフィスでひとりごとのように僕の声が響いた。

 窓を叩く雨音が創作に苦しむ僕を責めているようだった。


 真っ暗なオフィスで、僕はまだ2人分の温かさが残るソファに仰向けに寝そべっていた。

 マリアは背を向け、自分のデスクのそばで下着の肩紐を直していた。

 シャッターの隙間から稲光が沈黙を白く引き裂き、マリアの美しい裸体の輪郭を一瞬、照らした。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 8 》


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 マリアは、僕が校正員ファクトチェッカーとして勤める出版社の編集長だった。

 年齢は、たぶん僕より二つか三つ上。

 けれど、その差に意味はなかった。


 彼女の時間は僕の時間とは別の速度で流れていたからだ。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 9 》


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 マリアは、いつもどこか異界の香りを纏っていた。 


 長く豊かな赤毛。

 赤縁の眼鏡の奥でブルーサファイアのように輝く神秘的な瞳。

 整った鼻梁の下には、小さな薔薇の蕾を思わせる紅く瑞々しい唇。

 シャープな顎のライン。

 歪みのない長く細い指の先には手入れされた爪が彩を宿す。

 色白の大きな胸。引き締まった腰。豊かに張った臀部から伸びるしなやかな脚。


 それは、誰かが設計図を引いたような整い方で、

 ときどき人間というよりも試作品のように見えた。

 赤毛も、瞳も、鼻も、唇も、顎も、指も、胸も、腰も、臀部も、脚も——

 何かの役割を果たすために選ばれた部品のようだった。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 10 》


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 誰もが知っていた。

 マリアがその美貌を通貨のように使っていることを。


 そして時に彼女は自分の身体を一枚の名刺のように差し出し、

 そのたびに、会社の階段を上がっていった。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 11 》


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 彼女は出版社の上階に棲んでいる。


 階段を上るたびに、空気が少し薄くなる。

 おそらくここは編集部というよりも、彼女の飼育場だ。


 書類と男を育てては、次々に処分する。

 僕はその檻の中の一匹に過ぎない。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 12 》


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 ある晩、原稿の束を抱えて帰ろうとしたら、

 マリアが僕を呼び止めた。


 その瞬間、僕の背中に何か柔らかいものが貼りつく音がした。


 彼女は僕の耳元で、締切よりも甘い言葉を囁いた。


 そして僕は、その瞬間から彼女の〝お気に入り〟になった。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 13 》


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 おそらく僕のお尻には、賞味期限が印字されている。

 僕には読めない。


 マリアだけがそれを読むことができる。


 でも、その印字も消えかけていて、

 彼女にも読めないかもしれない。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 14 》


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 —あなたの詩が好きよ。


 いつか、彼女が僕の耳元で囁いた。

 その言葉が本当に僕に向けられたのか、あるいは僕の存在を確認するための独り言だったのか、分からなかった。


 しかしその声は、僕の鼓膜に貼りつき、僕の意志とは無関係にどこか外部からスイッチを切り替えた。

 僕の中の〝部下〟は沈黙し、〝詩人〟の部分が代わりに浮上した。


 そのとき、僕は自分が詩人であることを思い出した。

 あるいは、詩人の幻影に取り憑かれた、ただの男だったのかもしれない。

 

 彼女の言葉は賞賛というより、呪いに近かった。

 

 そして僕は、彼女の美しさに食い尽くされるため、詩人として横たわった。

 まるでマリアという名の雌蟷螂に喉を差し出す雄蟷螂のように。


 彼女の美しさは、僕の中の「現実」を食べ尽くし、代わりに空洞だけを残した。

 そして、その空洞こそが、僕の詩の正体だったのかもしれない。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 15 》


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 ソファに戻ってきたマリアは、まるで習慣のように僕に軽く口づけをし、それから唐突に娘の話を始めた。


 シェリー。名前だけは以前から知っていた。高校生だと言っていた。

 マリアは離婚して、娘を一人で育ててきたらしい。

 ただ、彼女がその「離婚」を説明したことは一度もない。

 もし彼女が〝コウノトリが娘を運んできた〟と言い張ったとしても、たぶん僕は驚かないだろう。


 夫について。

 存在していたのか、存在していないのか、あるいは存在してはいけなかったのか。

 マリアは何も語らないし、僕も聞かなかった。

 

 彼女の外側に広がっている世界は、僕には重要ではなかった。

 理由は単純だ。

 僕はマリアの檻の内側にいる。

 檻の外側で何が起きていようと、それが僕の糧になることはない。


 マリアが餌を与えてくれる限り、僕はここで飢えることも、逃げ出すこともないだろう。


 飢えは恐ろしくても、自由はもっと厄介だ。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 16 》


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 ——学校から呼び出しの連絡が来たの。


 まるで僕の言葉が聞こえなかったかのように彼女は言った。

 娘が学校に来ていないのだという。


 それを聞いたとき、部屋の空気が一瞬だけ歪んだように思った。

 それは僕の感情そのものだった。


 彼女は僕の目を見ずに話を続けた。

 ——夜遊びしているらしいの。新しい男のせいよ。一度だけ見たことがあるわ。彼、きっと不良なのよ。あの子を連れ回してるの。


 彼女の口調には確信と絶望が混じり、壊れかけた録音機の声のように同じ調子で繰り返された。

 僕はその声を聞きながら、なぜか彼女の顔の輪郭が曖昧になっていくのを見た。


 母親の顔と、僕の上にのしかかる雌蟷螂の顔とが、音もなく入れ替わっていた。

 彼女の共有し得ない現実を突きつけられたとき、僕の中で何かが冷え、そして静かに腐っていった。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 17 》


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 娘、彼氏、学校、母親。

 それが檻の中に投げられた新たな餌だった。

 

 吐き気がした。

 その餌は空腹を満たすどころか、僕のドラマを壊す毒でしかなかった。

 

 僕は彼女の現実から逃走を試みようとした。

 しかし逃げた先にも彼女の影が貼りついていた。

 

 それは彼女ではなく、僕の細胞の余白に貼りついたマリアの模造品だった。


 《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 18 》


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「夢を見たんだ。同じ夢をね。もう何度も、まるで壊れたフィルムみたいに再生される。しかも最近じゃ、夢のかけらが現実に滲み出してきて、ひそやかに形を変えて僕の前に現れるんだ。ときには街路をすれ違う知らない誰かとして、ときには目の端をかすめる色の振動として。」

僕は、彼女の話を塗りつぶすように、先ほどの会話の続きに身を戻した。


 ——面白いアイデアね。


マリアはゆっくりと煙草に火を点けた。短い沈黙のあと、ため息みたいな煙が吐き出される。その視線は、どこかで誰かが残していった古い傷を鞭でなぞるみたいに、僕の顔をかすめた。

 

 それ以上、夢の詳細を語る気にはなれなかった。狂っていると思われたくなかったし、彼女の目は、誰かの失敗を遠巻きに眺める観客みたいに冷めていた。幸い、詩のアイデアだと勘違いしてくれたようだが、僕が引きずっている恐怖までは隠し通せなかった。


「ああ。でも上手く書けないんだ」


 ——赤い服の女。


 そう。

 あの日ベランダで赤い布の一片を見て以来、彼女は夢の外にまで影響を及ぼしはじめている。


 現実が、夢の延長のように感じられる。

 いや、正確に言えば、夢の方が現実に侵入してきているのかもしれない。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 19 》


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 僕は日常生活の中で彼女の幻視を見るようになった。

 通りすがりの女、信号の赤、誰かの揺れる衣服の布。

 そのどれもが一瞬だけ彼女に見え、次の瞬間には他人の顔に戻っている。


 幻視と認識する現実の判断が、夢の反射速度に追いつかなくなっていた。

 世界の構造が、わずかにずれ始めた瞬間だった。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 20 》


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 それからまもなくして僕は詩が書けなくなった。

 初めは徐々に。

 今では完全に。


 書き始めた詩の行は誕生した瞬間から紙から浮き上がり、空中で溶けて消えてゆく。

 それを見ているうちに、自分が詩人だったことさえ疑わしくなった。

 僕自身が詩の存在を認識できなくなっているのだ。

 

 マリアのひと言で決まった詩の雑誌連載も、この状態では休載せざるを得なくなるだろう。

 

 過去に書き溜めた詩を切り売りしていく行為は、貯金を崩して生活するのに似ている。

 やがて僕は、詩人として破産するだろう。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 21 》


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 街には赤の気配が増し、夜ごと夢は長くなる。

 詩を書くことと彼女の影を追うこと。

 その境界が、もう僕には見えなくなっていた。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 22 》


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 ——あなたの詩には、いつも同じ女が出てくる。


 マリアの声に感情はなかった。

 

 ——彼女を引用し過ぎているのよ。まるでその女が詩を書いているみたい。


 マリアの言葉は、単なる批評ではなく診断のように聞こえた。

 まるで僕の詩人としての病理を指摘しているようだった。


 僕は笑おうとしたがうまくいかなかった。

 マリアの言葉の中にかすかな恐怖を感じた。

 すべて見透かされているような言い方だった。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 23 》


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「誰のことを言っているんだい?」


 自分の声が、少し遅れて耳に戻ってきた。


 ——それは、あなたが一番よく知っているはずでしょ?


 その言葉を聞いたとき、悪寒と共に正体不明の記憶がフラッシュバックした。

 ふたりで立っていた冷たい海辺。

 喉に滲みる海水のしょっぱさ。

 羊水のような海中の音。

 暗闇の中に消えてゆく赤いくらげレッドジェリーフィッシュ


「き、君も見たのか!?」

 僕は思わずそう聞いた。


 夢の中の女。赤いワンピースの女を、マリアは知るはずがないのに。


 マリアは肩をすくめた。

 ——知らないわよ。赤い服を着た女。あなたの詩集の中に何度も出てくる。名前も知らない誰か。だけど読んでいるうちにこっちが彼女の顔を覚えてしまう。不思議と詩人のあなたよりも、彼女の方が現実的に思えてしまうの。まるで彼女の方が実在していて、あなたは彼女の影に過ぎないみたいにね。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 24 》


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 マリアは煙草の火を消した。

 灰皿の中の口紅のついた吸い殻が、僕の詩人としての人生のように不自然に曲がっていた。


 マリアの声は消えたはずなのに、壁の向こうから小さなざわめきが聞こえてくる。


 詩の中の女。

 赤い服の女。

 その名はない。


 夢の中の女。

 現実に出てきた女。

 赤いワンピースの女。


 それらが同一人物かどうか、判定できる人間はおそらく、この世界で僕しかいない。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 25 》


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 ——あなたが詩が書けなくなった理由は、その女よ。


 マリアは言った。

 冷暖房のスイッチが切り替わったような感覚だった。

 僕は動揺していた。


 続くマリアの声は、何倍にも増幅してスローモーションのように聞こえた。


 ——彼女があなたの創作を食っている。詩が書けないのはそのせいよ。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 26 》


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 僕は雨の中を歩いていた。

 マリアの車から途中で降りたのは、ある種の脱皮行動だった。そこに残された古い“皮”は、もう僕のものではなく、過去の詩そのものだった。

 

 マリアは何も言わず、僕を見送った。あの沈黙は、どこかで誰かを殺したあとに残る沈黙に似ていた。まるで言葉そのものが彼女の中で死に場所を探しているかのようだった。

 

 雨は濁った針のように落ち続け、僕の肩と背中に小さな傷を刻んでいった。

 僕は歩き続けた。歩きながら、頭の奥でひび割れていく声の正体を確かめたかった。あれはたぶん、僕自身の名前を呼ぶ声だったし、同時に、僕以外の何かが僕を呼び寄せる声でもあった。


 マリアが言い放った言葉はあまりに決定的だった。


 僕は赤いワンピースの女を、もう一度思い出さなければならなかった。

 それは僕の闇であり、葬り去れるはずもない原点だった。


 遠くで救急車のサイレンが鳴っていた。

 赤色灯の赤い光が、闇の中でゆっくりと蠢いていた。


《幻想文学集 『Red Jelly Fish 』第1章 赤い夢の残滓 27 》

▶︎次回予告「赤い夢の残滓③ー赤との遭遇ー」

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