(2)
そうこの世界は『コルチカム物語』という題名の乙女ゲームだ。
全てが周りに決められていた切子にとって、このゲームは息抜きになっていた。
このゲームの舞台は中世ヨーロッパのような街並みに魔法や様々な種族などがいる世界だった。
主に出てくるのは魔族と人間。
ゲームプレイヤーの分身である主人公は人間であり平民であるが、ある時伝説の始まりの乙女と同じ魔力を発現する。
それをきっかけで人間の国の中でも特に魔法に長けており、優秀な人材しか入れない「へーべ学園」へと入学する。
主人公が入学する時、魔族との親交を強くするため魔族の次世代を担う数名の子息女が入学していた。
その中にいたのが悪役令嬢ソフィアだ。
彼女はその中でも特別で人間の母親と魔族のハーフだった。
しかも彼女の母親は人間国の王女で父親は魔族の中でも上位のヴァンパイアであり公爵だった。
彼女こそ友好の架け橋となる存在だった。
美しく、プライドが高いが品行方正である彼女にみんな夢中だった。
ゲーム序盤では架け橋であることを彼女自身もそれを自覚しており、始まりの乙女と同様の力を持つ主人公とも仲良くしていた。
けれど、長くは続かない。
この乙女ゲームの攻略対象は全てソフィアの幼なじみの魔族の子息達に従兄弟の人間の王子、そしてその側近達だった。
全員ソフィアにとって大切な友人たちだった。
ただの大切な友達ではない。
実は彼女は産まれて数年で母を亡くしてしまい、そのショックで父は母にそっくりな彼女に近寄らなくなった。
だから、母親を亡くす前から交流があり、独りの彼女を支えてくれた彼らは彼女の世界だった。
このこともあり、友人同士も仲良くなって欲しいと友好の架け橋として頑張った。
そのおかげで皆に愛される。
でも、始まりの乙女の力をもつ主人公が来た。
皆彼女に夢中になっていく。
それだけなら我慢できた。
しかし、主人公はまた1人、また1人と彼女の世界であった彼らを虜にして言った。
彼女は嫉妬をした。
少し、また少しとバレないように嫌がらせもした。
しかし悲劇が突然に起こる。
彼らの中でも彼女が思いを寄せていた彼が主人公と恋人になったのだ。
彼女は嫉妬に狂い主人公を殺そうと願ってしまい、始まりの乙女の敵であった原初の悪に体を貸してしまう。
何とか主人公は力を覚醒させ、恋人と彼ら達と一緒に彼女を倒し、彼女は死んでしまったが世界は平和になり、1人の敵を協力して倒したことで魔族と人間達の絆が深まりハッピーエンド。
どのルートでも基本の大筋はコレだ。
それに各攻略対象の悩みなどが着いてくる。
同じ大筋でも全然違うところが面白い。
しかし、今はそうも言ってられない。
ソフィアは自分なのだから。




