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枕が涙で濡れてびっしょりになったころ、突然、玄関のバタンと開く音と、同時に「おじゃまします!」という大きな声が聞こえた。
央太???
何しにきたの?
動揺してる間に、ダンダンと階段を上る足音が聞こえてきたかと思うと、私の部屋のドアが勢い良く開く。
!!
「……………。」
央太は肩で息をしている。
「…奈々ちゃんって、いつも、ゴーイングマイウェイだよね」
「?」
「言いたいことだけ言って、逃げていくんだもん。
俺、まだなんにも返事してないよ。」
「だって…央太は他に好きな子いるんでしょ。
ふられるのはわかってるもん。」
「他になんかいないよ」
「え?」
「俺が好きなのは、奈々ちゃんだから」
「………うそ」
「うそじゃないよ。
俺は、子どものころからずっと、奈々ちゃんが大好きだった」
信じられない。
「だって…。
この前、私には関係ないって言ったじゃない。」
「奈々ちゃんが、応援するとかいうからだろ?」
「あれは…央太の好きな子が知りたかったから…つい、うそついちゃったんだよ」
「俺は、その『応援する』って一言にすごく傷ついたんだよ」
それまでは言い合っていた私も、それを聞いて押し黙った。
「……それで、俺の好きな子、わかった?」
私を見つめる央太は、とっても優しい顔をしてる。
「…本当に?
……本当に私?」
「うん。本当に」
央太は頷いて笑った。
「……央太、嬉しい!」
「ぅわっ!」
私は、央太の首にぎゅっと抱きついた。
央太は一瞬バランスをくずしてよろけたけど、しっかりと私を抱きとめてくれた。
「これからは、ずっと一緒だよね?」
「うん」
「央太、大好き!」
「俺も。奈々ちゃんが大好きだよ。」
央太はぎゅっと私を抱きしめて笑った。
私は央太の腕の中、幸せにひたりながら、にっこり笑い返した。
END
~あとがき~
最後まで読んでいただきありがとうございます
いかがでしたか?
2作目は、よくある幼なじみネタでした。
出だしから展開がわかっちゃったという方が多いんだろうなぁ(;^_^
このお話は構想執筆2日で完成しました。
前回のが長かったので、短いのが書いてみたくて書きました。
女の子が活発で話が進めやすくて、2日という短期間にできたことに自分でびっくりです。
本当は俺様な男の子を書きたかったんですが、全く話が浮かばなくて、次に持ち越しです。
私はこういうよくいるかわいい男の子の方が書きやすいのかな。
この二人のお話は、続編を考えていますので、また近いうちにお目見えできると思います。
その時は、ぜひまた見にきてください!
よかったら感想お願いします。
H22.10.3 さやぽこ
R24.8.22 転記