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私の隣  作者: さや
5/6

その日私は、授業中にノートを破って央太に手紙を書いた。

小さく折った手紙を、休み時間にそっと央太の筆箱に入れる。



―――――――――――――

央太、この前はごめんね。

でも、なんで怒ってるのかわからないよ。

話があるから、今日一緒に帰ろう?


誤解されないように、学校の近くの公園で待ってるから。


          奈々


―――――――――――――


放課後、私は先に公園についた。


央太、手紙読んだかな。

きっと、来てくれるよね?


11月も終わりに近づき、風が吹き抜ける公園はとても寒い。

石のベンチはちっとも温まらなくて、おしりがだんだん冷えてくる。

寒……。


ベンチに座ってしばらく待っていると、央太がきた!

私はベンチから立ち上がって、央太が近づいてくるのをドキドキして待った。


「央太…。

なんか、久しぶり。

えへへ」


久しぶりの央太に、嬉しくて自然と顔が綻んだ。


「…うん」


対する央太はなんだかぎこちない。


「話ってなに?」


「えっと…この前はごめんね!!

私頭悪いから、なんで怒らしちゃったかわからないんだけど。」


「別に、もう怒ってないよ」


「そっか。良かった」


「それで、えっと、聞きたいんだけど…

央太の好きな子って、…青木さん?」


「…なんで?」


「この前、仲良くしゃべってたから…」


「……奈々ちゃんには関係ないだろ」


また冷たい言葉。


「……………。

関係なくないもん。」


「え?」


「私、央太のことが好きだから」


「……奈々ちゃん?」


「ずっと…央太が好きだったんだもん!」


「……………」


言ってから、恥ずかしくて真っ赤になった。


央太は、私のいきなりの告白にびっくりして固まっている。


告白しても、どうせふられることはわかってる。

だって、央太には好きな子がいるんだもん。

でも、10年間も温め続けたこの気持ちを、せめて知ってほしかった。

じゃないと、この気持ちのもって行き場所がなくて…。

それに、ちょっと央太を困らせたかったのかもしれない。


「ごめんね。

じゃ!バイバイ!」


私はまだ固まっている央太を残して、走って逃げた。


走って走って、家まで帰る。


そのまま、自分のベッドに突っ伏して、思いっきり泣いた。

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