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私の隣  作者: さや
2/6

私のこと、嫌いになっちゃったのかな…。


私は昔から、優しい央太が大好きなのに…。


英語の訳を写す手を止めて、じっと央太を見ていると、央太がこっちを向いた。


「なに?

なんかわからないとこでもあった?」


「えっと…ここは…?」


私は適当にごまかした。


「ああ。これはね………」


央太は、丁寧に説明してくれる。


央太って、意外とまつげ長いよね~。

髪の毛サラサラ。

あ、アホ毛見つけた!

かわいい~。


「奈々ちゃん。

…ちゃんと聞いてる?」


私が全然聞いていないので、央太が怒る。


「え?あ~うん。

ごめん聞いてなかった。

ははは…。

もう一度お願い」


「もう。だからね……」




やばいやばい。

ちゃんと集中しなくっちゃ。

私は一生懸命、説明を聞いた。





「……終わりっと。

あ~疲れたぁ。」


私は両手を上げて伸びをした。


「よく考えたらわかるんだから、今度からはちゃんと自分でやりなよ」


「は~い」


私は適当に返事をする。


「じゃあ、俺今からお風呂入るから。

またね。」


「え~。

まだ8時じゃない。

最近、全然央太としゃべってないし、久しぶりにゆっくりしてってもいいでしょ?」


「だめ。」


「え~!

央太、最近冷たいよ~。

私のこと嫌いになったの?」


「別にそういう訳じゃなくて…」


「じゃあなんで?

学校でも、そうやってすぐ私から離れようとするじゃん!」


「奈々ちゃんと一緒にいると、つきあってるとか、勝手に色々誤解されるから」


「別に、誤解する奴には勝手に誤解させとけばいいじゃん。

そんなこと気にするなんてバカみたい」


ハッ!!


「もしかして央太…誰か好きな子いるの?」


央太がパッと赤くなった。


え…マジ???


ガーン…!!!

いきなり、頭を石で殴られたみたいなショック。


「誰?クラスの子???

応援するから、教えてよ」


嘘だった。

応援なんか、できない。

でも、央太の好きな子がだれなのか、気になって仕方なかった。


私は内心ドキドキだった。

央太の好きな子って…

もしかして……私とか…


「……奈々ちゃんには関係ない」


央太は低く冷たい声で言った。


「え………?」


「…俺のことは、もうほっといてよ。

いつまでも小さな子どものままじゃないんだから」


「……央太?」


「もう帰って。」


央太は私を無理やり窓の外に押し出して、鍵をかけてしまった。

私を拒絶するように、シャッとカーテンが引かれる。



私は、あまりのショックに、しばらく呆然とベランダに立ち尽くしていた。

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