リザードドラゴン。
「なんかトカゲのでっかいのみたいな奴だったな。シッポ掴んで振り回したら切れちまって」
って、リザードドラゴン? そんな感じのゴツイシッポ。
っていうかほんとシルヴァにはこの世界の知識は無いの?
でも。武器もなんも無しでモンスターと対峙したの? すごいな。
「シルヴァは魔法は使えるの?」
「んー。よくわかんないけど?」
あうあう。
「シルヴァは君の魔・ギアだからね。君が望んだようになるし、きっと君と一緒ならもっとチカラが使える筈なんだけどね。まあ、おいおいだね」
そっか。それでもこの子、すごいな。ボクの分身? みたいな見かけなのに性格はぜんぜんワイルドだし、ね。
ちゃっちゃとその辺で焚き木集めてきたシルヴァ。火をつけて欲しいって顔してる。
試しに、「アーク、お願い」とそう念じてみたら無事に小さな炎が灯った。
「やったー」
そう叫んでちょっとジャンプ。
なんだかものすごく嬉しいよ。
って、ボク、魔法が使えるようになったんだよ、ね?
「よし! ありがとうセリーヌ。これでうまそーになるぞ!」
そういうとシルヴァ、右手を高速で動かして。
手刀であっという間にシッポのお肉を解体してみせた。
ひゃ! っとびっくりするまもなく枝にさして火の周りに並べていくシルヴァ。手際がすっごくよくない? ほんとびっくりだ。
じりじりと肉汁が滴って食べごろになって。
「ほら、これもう良さそうだ」
って、ひょいと取ってボクにお肉をくれるシルヴァ。
「あ、り、がとう……」
受け取ってガブって食べる。
「美味しい。びっくり」
「塩でもあればもっと良かったかもな」
そう言いながら別のお肉を取ってガブリとかぶりつくシルヴァ。
「うっめー。やっぱ焼きたての肉は旨いな」
そう言いながら、二本、三本とお肉を平らげていく。
けっこう大きめのフランクフルト並みな大きさのお肉。
ボクは三本くらいでギブアップ。残りはみーんなシルヴァのお腹に収まった。
っていうかあんなに大きなお肉だったのにね。ほんとワイルドだ。なんだか顔が綻んで思わず笑みが溢れた。
「やっぱりな。人間肉を食べれば笑顔になるってもんだ。お前、そうやって笑ってた方がかわいいよ」
そう、ウインクしながらそんなキザなセリフを喋るシルヴァ。
そっか。ごめん。
ボク、ずっと君に対してはしかめっ面ばかり見せていたのかも、ね。
ふふ。でもさ、うん、まあいいや。
なんだかやっぱり憎めないな。上手くやってく事考えた方がたぶんたのしい、かな。
そんな事考えて。
ああ、ちなみにフニウはお肉食べなかった。っていうか人の食べ物は食べれないんだって。
なんだかすごく申し訳ない気がしたけどフニウもボクたちが美味しそうに食べる姿を見てるだけは嫌だったのか、ちょっとの間姿を消していた。
お肉を食べて英気を養って。少し休んだらまた出発。
しばらく歩くと目の前になんだか大きな砂嵐?
と、思ったら。
あっという間に空が真っ黒な雲に包まれた。
「雨でも降るの?」
そう呟いた時。
正面に雷のような光。
少し遅れて、ゴローーっと音がしたかと思ったら、またヒカリ。
目を凝らしてよく見ると。
そこには数人の男女とリザードドラゴンが戦っているらしい様子が見て取れた。
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