【殺人者は悪魔羊の夢を見たか?】(^ω^)のようです
都内、某公立高校。
昼休みの喧騒の中、弁当を食おうと席を立ったその時、後ろから話しかけられた。
「知ってる?悪魔羊の噂」
(^ω^)「知らねぇよ」
「じゃあ、教えてやるよ」
(^ω^)「ありがとよ」
◇
悪魔羊とは、夢の中に現れる悪魔である。
悪魔羊は、3つの質問をしてくる。
1つ。殺したい人間は居るか?
2つ。どうやって殺したいか?
3つ。何故殺したいか?
3つの質問に対し嘘偽り無く答えると、悪魔羊はその人物を殺してくれる。
翌朝起きた時にはその人間は死んでいて、とてもスッキリとした目覚めが約束される。
(^ω^)「ふぅん、よくあるデスノート的な噂話だな」
(^ω^)「それで、こういう話は悪魔を呼ぶ儀式が付き物なんだよな」
(^ω^)「なになに……?」
悪魔羊を夢に呼ぶ儀式には、3つの道具が必要。
1つ。銀のナイフ
2つ。真水
3つ。ニンニク
3つの道具を枕の横に置いて寝ると、悪魔羊が現れる。
(^ω^)「ほぉん。悪魔の弱点と言われるモノが、逆に悪魔を呼ぶ道具ってわけか。どこのご家庭でも簡単に手に入るね!」
(^ω^)「つーことで用意しました。殺してやるからな('A`)の野郎!」
(^ω^)「セッティング完了、早速ベッド・イン!」
□□□□□
(^ω^)「っは!ここは……」
(・∀・)「夢の中だ。我を呼びし者よ」
(^ω^)「お、おまえが!悪魔羊か!?」
目の前に居たのは、頭が羊の頭蓋骨になっている、人らしからぬ者。
角を生やし、漆黒のローブを纏ったその姿は、まさしく「悪魔羊」と呼ぶに相応しいものであった。
(・∀・)「貴様が呼んだのであろう?」
(・∀・)「どれ……ふむ。良いニンニクだ」
(^ω^)「それをどうするつもりだ?」
(・∀・)「どうって……食うに決まってんだろ。ニンニクは身体に良いんだ」
(^ω^)「え?そのままで?」
(・∀・)「旨いんだぞ。お前も食うか?」
(^ω^)「いや、俺は別に……あぁナイフを器用に使って皮を剥いてる」
(^ω^)「えっ?呼び出す道具って、アンタがニンニク食べる為の道具なの?」
(・∀・)「俺、ニンニク大好きなんだよね。だから儀式にも使っちゃうの」
(・∀・)「んで?誰を殺したいの?」モグモグ
(^ω^)「あ、そうか、そうだ。その為に呼んだんだった」
(^ω^)「('A`)って奴を殺して下さい。できるだけ惨たらしく」
(・∀・)「いいよ。具体的には?」
(^ω^)「そうだな……喉を掻っ切って殺してもらおうか」
(・∀・)「うわっ趣味悪いな」
(^ω^)「悪魔に言われたくないわ」
(・∀・)「言うじゃない。それで?なんで殺したいの?」
(^ω^)「アイツ、俺が貸してやった漫画の帯を捨てやがったんだよ」
(・∀・)「は?……そんだけ?」
(^ω^)「そんだけじゃねぇだろ。人のモン勝手に捨てる奴は殺されて当たり前だ」
(・∀・)「ふーん。そんな理由で、ねぇ……人間ってやっぱり面白れぇな」
(^ω^)「趣味悪いな」
(・∀・)「人を呪い殺そうとしてる奴に言われたくないな」
(^ω^)「……で?殺してくれるの?」
(・∀・)「まぁねー。でも、殺すと死んじゃうけど、本当にいいの?」
(^ω^)「哲学かな?」
(・∀・)「悪魔に哲学はねぇよ。いいの?」
(^ω^)「はいはい。いいよいいよ」
(・∀・)「生返事で殺されるアイツも哀れだな」
(・∀・)「ま、いいか。俺が知ったこっちゃないし。じゃあ、この水を飲んで」
(^ω^)「コレ俺が用意したやつじゃん。なんで?」
(・∀・)「まぁまぁ、起き抜け1杯だよ」
(^ω^)「まだ寝てんだけど」ゴクゴク
(^ω^)「ん?意識が……眠くなってきた……」
◇
「なぁ、今日のニュース、見た?」
(゜Д゜)「おう。隣の高校の生徒が一晩で2人も殺されたんだっけ?確か、一人は首を切られて殺されて……」
「もう一人は、ベッドの上で溺死だってさ」
(゜Д゜)「変だよな。どうやったら布団の上で溺死するんだよって話だ」
「多分この事件ってさ、あの噂のせいじゃない?」
(゜Д゜)「?噂ってなんだ?」
・)「……」
(・∀・)「知ってる?悪魔羊の噂」