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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「エレーネ、君の事を愛しているんだ。」

作者: 林檎売り

とても稚拙な内容です。是非ともアドバイス等御座いましたら、宜しくお願い致します



「エレーネ、君の事を愛しているんだ。」



いきなりだが、私は男だ。いや違う"元"男だ。

身体は産まれた頃から女だったが生まれる前は愚息が下に着いていた男である。母から産まれ落ちた時の医者が吐いた「元気な女の子ですよ」の一言には驚愕の余り股間を二度見したのはいい思い出だ。その記憶が強かったので未だに女性ラブだ。

さてこの状況、一体何が起こっているかと言えば、転生したのはファンタジーな世界の魔法学園一のプリンスから告白を受けるジョークかバグが発生している、その銀色に輝く髪をたなびかせたイケメンプリンスが涙目で見つめてくる。


「君の事が頭から離れないんだ..。」


その頭の部分を別の物と交換されたらいかがですか?の言葉が喉元まででかかって慌てて引っ込めた。

この学園のプリンスことユーリ殿は帝国一の魔力の持ち主で帝国の第二王子様だ。詰まるところ正直な言葉を口から出そうものなら首と胴体がサヨナラgood-byeだ。


「ユーリ様..私は....神殿にてこの身を捧げるとお伝え致しました。」


凄く凄く申し訳無さそうに不敬がないように断りをいれる

清廉潔白な女性として断る、神殿に寄付を欠かさず、何度も祈り神の像に頭を下げる。それは女性の百合百合な花園の神殿にて自由な恋を謳歌できると耳に入れ早々に行動に移した、どう考えてもこの王子が生理的に受け付けない。やはり女性を愛してる、それなら自由な恋をしたい。


「一度でいい私の事を見てくれないか?花や宝石にすら目を向けず神への祈りしか目を輝かせない君を見つめていると胸が張り裂けそうだ。」

 

あはは、是非そのまま永遠に張り裂けて下さい、

この王子は一切懲りていない、そのバイタリティーを別に向ければいいものを、毎回膝を折り上目遣いで見つめる姿はさながら犬だ。

当初は子犬になつかれた位にしか考えていなかったが徐々に周りを固められてると気づいた時には両親が「学生だけどいつでもお嫁に行って大丈夫よ」とゴーサインを承った後であった。

必死に両親には誤解と語弊を釈明したがね。


「私が最も愛してるのは神殿の中に尊く鎮座されている方です。どうかお諦め下さい。」


そう神殿の中にいる清廉な女性を愛している、嘘はついていない。

王子は捨てられた犬みたいな顔になったかと思えば「..そうですか」と一言で立ち去っていった。

帝国において大変珍しい自由恋愛な国だ。

そのため男女差別が強いが例え王族からプロポーズをされても女性が「はい」の一言を言わなければ済むのだ。


だが王子ユーリは魔力も帝国一の上大層な美形なので貴族の女性に関わらず国中の女性が感嘆のため息を吐く程な為、国の女性の中でプロポーズを断るのは私位だろう。


王子のせいで同学年の愛すべき女子生徒からは嫌われる。

全く持って嬉しくないがこれも卒業するまでだと自分に言い聞かせていた。卒業と同時に神殿で愛しい人と愛を育むのだと、卒業すればあのバカ王子も諦めると、


そうだと思っていた。





突然の王太子と王の謎の死亡。国中の神殿の破壊と信徒の処刑。信仰への禁止。それらを引き起こしたのは他の誰でもない。



「私の事を愛してくれないか?エレーネ..。」



暗い部屋に私を見つめるユーリ王子、いや今はユーリ王は何時もと変わらず膝まずき上目遣いに懇願をする。

もう何日、何ヵ月、太陽を見ていない。脱出しようと足掻く度に増える鎖、絶望すればするほど狂いそうになればなるほど嬉しそうに慰めようとする王。



「王が私の足の裏を無様に這いつくばって舐めれば少しは愛せそうな気がしますよ」




王は驚き目を見開き、泣きそうな顔で「君がそう望むのならば..。」と這いつくばって足を舐めようと口から舌が伸びたが、その顔を思い切り蹴りあげる、鍛えている男相手に大した攻撃にはならないが口のはしから血が滲んでいる。



「本当に気持ち悪い」



これ程人に憎しみを持つ事は後にも先にもないだろう。

きっと今世の両親は今頃殺された後だろう、変わった子と他人から揶揄されようと惜しみ無く愛情と女性を愛する私を苦しみながら理解を示してくれた。いつでも味方だよと言ってくれた両親。


どうすれば良かったのだろうか?この男のプロポーズをあの頃に受けていれば、罪の無い神殿の人々は、両親は死なずにこの虐殺も国の混乱も起こらなかった。


性的に見られ周りを固められ、男を生理的に受け付けず吐き気しか持てないこの私が、この男と結ばれれば良かったのか?


こみ上げる吐き気に目が眩む

いっそ殺してくれれば楽になるのにそれすら許されずただ身を搾取される日々。



「エレーネ..。」



男は頬に涙を流しながらまるで被害者のような顔をして私を見つめる。執拗に執着の色濃く覗かせる。




「もっと私を憎んでいい、愛されず忘れられる位ならもっと私を嫌って、憎んで、私のことしか考えないでいてくれるなら..もっともっと....。」



歪に口から流れる血でにちゃりと微笑み暴れる私の身体を両手で縛り付け呪いめいた愛を囁く




「エレーネ君の事を愛しているんだ。」






今日も城では私の悲鳴に似た絶叫が鳴り響く

後に神殿の裏金を暴き虚言の信仰を破り、贅沢にのさばる王を打ち破った賢王として語られる。




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