超短編ホラー12「足音」
カツカツカツカツ、カツカツカツカツ。
――私は誰もいない路地を歩く。
カツカツカツカツ、カツカツカツカツ。
――自然と早足になる。
カツカツ、カツカツ。
――ふたつの足音が聞こえるから。
カツカツカツカツ。
――今ふたつの足音がひとつになった。
――誰もいない右隣から、人を感じた。
※文字数が足りないので、少し蛇足させて頂きます。
本文だけでいいという方は、ここで閉じていただけると幸いです。
ちょっと解説をさせてもらいます。
この話ですが、よくあるホラーのテンプレになってしまいましたが、焦燥感のようなものが伝わればいいかなと思っていたりします。
あと、最期の一文を「人を感じた」にしたのはそのナニカが形のある物なのかそれ以外の「異形」なのか、その判断を読んでいただいた人にお任せしたいと思って、あの締めにしました。