プロローグ
2076年。
科学は日に日に進化を遂げ、人類は新たな挑戦に出た。
太陽光から発せられる光の中に、ほんの僅かだが小さな力を持つエネルギーが観測される。
これは今までにない新しい発見であり、研究者達はこれを「太陽光力」と名付けた。
その太陽光力は、ある周期運動をさせる事で、力が増幅する性質を持っており、人類はそれの量産に成功する。
そして太陽光力を液体状に進化させると、その液体は紫色へと色を変える。
だがその容器を研究者が誤って落としてしまったのだ。
しかしその瞬間。
太陽光力はまるで壁に液体をぶつけたかのように、何もない空間にへばりつき、そこから微かな風が流れ込んできた。
それが、異次元への扉を開いた歴史的瞬間であった。
異次元の先に夢を見た研究者達は莫大な資金の下で研究を進め、遂にトラック一台程度の大きさを上回る太陽光力を用意し、実験に移った。
太陽光力は辺りに何もない平原で使用され、周りには数多な報道関係者が集った。
そして太陽光力を空間にぶつけた瞬間。
異次元へと繋がる穴が完全に開き、髪を軽く靡かせる程度の風が吹く。
だが次に現れたのは、人間の形をした物ではない「何か」だった……。




