詩人の夢
みなに通づる 至上の言葉を 持たないことが悔しくて
ぼくは くちびるをつよく噛むのです
真っ赤に腫れ上がったくちびるから 流れ出ずる言葉なら
みなに とどくのでしょうか
ぼくは ぼくの言葉を 銀の弾丸につめて
あなたの頭を 撃ちぬいて しまいたいのです
そして あなたの頭から溢れる 虹色の脳髄を 見たいのです
ぼくは
美しい祈りの言葉を たんぽぽの綿毛のように 風に乗せて遠くへ届け
春の雨のように やさしい言葉を 世界に降らせ
夜空に 煌めく言葉を 散りばめて 世界を飾りたい
力強い言葉で 太陽のように 世界を 照らしたい
そしてぼくは 呪文のように ぼくの言葉を 唱え
不思議な力で 大地を 揺るがせたいのです
あなたが立っている その地を
そして破壊をもたらし 創造の神に捧げたいのです