表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おとのないうんどうかい

作者: 無名良作

 

「くっ、そーう、わけがわからない!!」

俺は、車を走らせていた、

完全に迷った。


 カーナビの類は嫌いなので、使ったこともない。

 スマホの、アプリも、入れてない。

 もう二時間も迷走を続けているだろうか?


一向に、見たことのある景色は見えてこない。


アナウンサーの、時報を告げる声に続き、陽気なパーソナリティの声に変わる、、、だが

ラジオの音も、山の間に入るたびに、途切れ途切れになる!

・・・AM放送なのにだぜ?、FMではないのに?・・・


山を抜け、麓まで降りたところまでは、順調だったのに、、何処で道を間違えたのか?


とっくに、街中に入ってもいいはずだ、、なのに、周りは木ばかりだ。

目に付いた曲がり角を、2速にシフトダウンしながら若干カウンターを当てながら

曲がりきるといきなり、広い場所に出た。


 まばゆいひかり?、、、広々としたグランド?


・・・お寺?、、、こんな場所に・・・


俺はなぜか、其処がお寺だと言うことを、わかっていた。、、、

初めてきた場所なのに!、、、


・・・運動会?こんな夜更けに?・・・

 そう其れは異様な光景だった、、まぶしいばかりの沢山のライト!


  かなりの人数の幼稚園児らしき子供たちが、走り回る!、


 応援する、親たち!


***耳をつんざく、大音響の音楽、、、、が、、、していない!?***


 そればかりか、聞こえるはずの、歓声、、、も聞こえてこない?

恐ろしいばかりの、静寂?、、、何の音もしない、賑やかな光景、、、思わず

我が目を、疑う!!


まるで、映画を見るような光景!、

”うるさい!”

とも思える、ディスコのシーンでいきなり音声のみを

完全になくしてしまったような、吐き気を覚えるような、光景!


だが、、、、もっと、恐ろしいことに気付く、、、、顔が、、顔がない!?

 おそらく、何百人という、幼児と、、其の、、、親たち、、、

 のっぺらぼうだった!!!!


 

思わず、背筋に悪寒が走り!、俺は叫んだ!

「うわぁ、わわぁーつっ!!!!」


車をUターンさせると、おれは、夢中で車を走らせる。

何度か曲がりきれずに、木にぶつかった、、、だが、車の凹みなど気にする余裕など今の、

俺には、、、、、微塵もない!


・・・ここは、生きている人間の来るとこじゃない、俺はなのも見ていない!、見ていないぞ!

呪文を唱えるように、謂い続けた!・・・


 どのくらい走ったのだろう、、、気が付くと、見たことのある交差点に停まっていた。

”ほっ”、とした。

此処から俺に家までは、五分もかからない。

けれども、寒気が止まらない、、、さむい!

 部屋に入ると、布団を頭からかぶり、ふるえた、さむい!

寒い!震えながらも、いつのまにか、眠ってしまったようだ。

 次の日、布団から起き上がろうとしたが、体が、鉛のように重い!

40度近い高熱が出て、三日ばかりそのまま寝込んでしまった。

 熱も下がり、車を見ると、傷だらけだった。

・・・夢じゃなかった!・・・

「そうだ!ドライブレコーダーは?」

 恐る恐る、SDカードを取り出すと、パソコンで再生する。


「くっ、そーう、わけがわからない!!」

俺の声とともに、映像が再生される。

暫く、山道が続いた後に、眩い光が見えた、、、、そこで、映像はとぎれていた。



                                  おわり






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ