七話
大分変わっちゃいましたねー
しかもまだ欠片も追い付いてないという。
書いてない期間長すぎて大分忘れがちかつ駄文具合に拍車が掛かったような気もしますが(もとからかも)。
出羽七話です。
「さぁーって、とうとう本サービス開始な訳だが…」
最早当然の光景になりつつある四人の朝の食卓。
未だ寝ぼけているヒズメの世話をするミズキにソウが声をかけた。
「緋澄、お前どうする? やっぱヒズメのレベリングするか?」
「当たり前でしょ」
見向きもせずに、甲斐甲斐しくヒズメの口許へ朝食を運ぶ緋澄。最早ヒズメが幼い子供かペットにしか見えない。
少なくとも同い年の少年少女ではない。断じて。
「だと思っ「って言いたい所なんだけど」…オイ」
「ヒズメ、まずは一人でしたいことあるのよね?」
「ん」
栗鼠のように両頬を膨らませたヒズメが、この日はじめて口を開いた。
「「あ、起きた」」
ソウとメイの二人が僅かに呆れを伺わせる声を発する。
実は、この寝坊助は今の今まで夢の中にいたのである。
ヒズメは誰かに促されれば、例え寝ていても行動に移すという妙な癖があった。出なければミズキと出会うまでメイが一人で世話など出来よう筈もない。
「…おは、よ」
「「「あぁ(えぇ)(うん)、おはようヒズメ」」」
…これで今までの会話を理解しているのだから、質が悪い。想像してもらえるだろうか。いっこうに起きる気配の無い問題児が、教師に問題を解くよう言われると寝たままその問題を解くのである。
もし問題文に不備があるようならそこを訂正し、不備がなくとも求める答えの、そのさらに上をいく回答を出される。
定期試験毎の成績は、常に平均点。常、に。
ヒズメの定期試験の回答用紙を見た教師は、初めの数回は額に青筋を浮かべる。
平均点に達するまでの問題は確実にとかれているのに、それ以後はどんなに簡単な回答であろうと解かれていないのだ。
お分かりいただけるだろうか? その回答用紙を見たときの苛立ちを。呼び出しに応じず世話係に連れてこさせれば説教を聞くまでもなく寝ている。
それが永遠続くのだ。…教師はキレていい。
「んで、ヒズメがしたいことってなんなんだ? お前VRMMOはじめてだよな?」
「……初め、て、だか、ら…したい、ことも…あるん、だよ。」
「と言うことだから、うちは単独行動するわ。貴方達は、デートでもしてなさい」
「デッ!?」
「おぅ、悪いな気ぃ使ってもらって」
ミズキの爆弾に瞬時に顔色を変えるメイと、即座に起爆させるソウ。
「ん…。おたの、しみ?」
「「「ブッ!?」」」
…彼らも大概だが、ヒズメも大概であった。
「お、おおおおおおおお兄ちゃん!? どこでそんな知識覚えたの!?」
「ヒズメ、お前にその知識吹き込んだ奴は何処のどいつだ」
「…あらあら」
目に見えて狼狽する者、一周して冷静になるも矢張ぶっ飛んでいる者、最早キャラが変わっている者。
あえて言わせてもらおう。…なにこのカオス。
「…さて、もうすぐ開始だな。全員準備忘れないな?」
あれやこれやの末、ヒズメ所有のゲームが幾つか昇天し、ようやく日暮家に平穏が戻ってきた。
「あったりまえだよ! この時間をどれ程待ち望んでいたことか!」
「…ようやく、ヒズメとひとつに…」
「「オイ帰ってこい」」
…未だ一名壊れているかもしれない…。
「だいじょ、うぶ、だ、もんだい、ない」
「「「嫌ダメだろ」…あ、ほんとだ」」
もうなにも突っ込むまい…。
「さて、全員復帰したみたいだし各自時間までリンク待機にはいるとしますかね」
「あと十分だー!」
「さ、いきましょう」
猫のように抱えられたヒズメと共にミズキが席を立った。
「ん。ソウ。」
「んぁ?」
「おいし、かった。ごちそ、さま」
「おう」
抱えられたまま、コクリと首だけでの礼。
「メイ。片付、け。ありが、と」
「どういたしまして、だよ~」
小さく手を振って。
「みずき。」
「えぇ」
以心伝心。
何時もの光景。
そして、最後の光景。
物語の幕は上がる。
十年と数ヵ月。
その時間がもたらしたモノは何か。
その時間で得たモノは何か。
小さく幼く哀れな神の行く末に小さな幸あらんことを…。
誤字脱字報告、または感想等送ってくださると失踪作者の首輪になるかもしれません。
ではまた、いつか、きっと、たぶん、お会いできることを祈って…
(-_-)/~~~