AAの狼煙2
なにが「というわけで」だ。どういうわけでだよ。と言いたかったんだけども俺の都会=平和の方程式が崩れ去っていったから元気無くしちまった。ので
「カツアゲってやつだな。よしうまくやれたら拍手をしてやろう。さあ。やれ。存分に。どうぞ。」
さっきのことには触れたくなかった。
目の前のチンピラのにたり顔が豹変し怖い顔に変わっていくと共に俺の顔はどんどんにたっていく。
「舐めてんのか」
チンピラの代名詞「舐めてんのか」この言葉を耳にすることが出来ただけで俺の人生は経験豊富だと言っていい。
目の前のリーダーは仲間に合図を送った。それとと同時に二人の男が俺の元へ歩いてきた。
喧嘩が始まる雰囲気だ。誰と?ああ俺か。
そんなわけで殴りかかってきた。だから俺はぼうりょ…もとい正統防衛にうって出たのだ。
二人の男、右の方が腰を落として向かってきた。殴り掛かって来たので俺は腕を持って男の体ごと後ろに投げ飛ばした。するとあら不思議、壁に激突。痛そうだ。後で絆創膏を差し上げよう。
と悠長な事を考えている暇もなくもう一人の男が鉄パイプを持って襲いかかってくる。俺はそれをなんなくかわして腹に一撃。男はがくりと倒れていった。 とここで気付いたのだが正統防衛で伸びている二人の顔には痣があった。つまり喧嘩慣れしてたってことだ。
「おめぇらやれっ」
「悪役の台詞だな。よし俺も言ってみたい。言わせろおめぇらやれっ!」
俺の声には当然誰も反応しない。
リーダーの合図に反応し立ち上がったのは五人。他にもチンピラはたくさんいたのだがそれは他のグループで我関せずといった様子だった。
まず殴り掛かってきたせっかち野郎は二人。
一人は煙草を吸ってる奴。もう一人は歯がぼろぼろの奴。どっちも俺とは正反対のチンピラ共だ。仕事の制服であるタキシード来てる俺とは天と地の差だな。あっそうかだからこいつらは俺にをカツアゲしようと思ったんだな。
ナイフを持って突進してくる煙草君。俺はその猛烈アタックをかわしながら腕を掴んで折る。当然呻き声をあげながら転がっていった。
もう一人、ぼろぼろ君。無駄な筋肉。そんなに鍛える暇があったらもっと他にもすることかあるだろう。おっと今はそんなこと気にしてる余裕は無かったな。殴ろうとしてきたので背負い投げ。ということでぼろぼろ君、気絶。