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KnowHow4 話し相手や相談相手も役割の一つ

 運転手は誰かを乗せている時、ただ黙って運転しているだけではいけないと思う。

 僕はほとんどの場合、同乗者と会話をしながら運転をしている。

 野球が大好きな僕は、野球の話題で盛り上がりながら運転をしたこともあった。

 時には旅行の話題や、政治の話題で盛り上がったりもした。

 時には政治などに精通している人だけが知っているような、とっておきの情報を聞くこともできた。

 そういった時には楽しい気分で運転手をすることができた。


 しかし、同乗者の気分は状況によって様々だ。

 ある時には怒ったような気分の時もある。

 恐らく、同乗者が会場で誰かに怒られたり、誰かにやじられたりしたのかもしれない。

 またある時には落ち込んでいることもある。

 恐らく、目標や役割を果たせず、悔しい気分と闘っているのかもしれない。

 そんな時、同乗者の人は運転手である僕に、興奮したような感じで心の内をぶつけてくることがあった。

 僕のこれまでの経験では、これが運転手として最もやりにくい時の一つだった。

 何故僕が不満のはけ口にならなければならないのかと思うこともあった。

 しかし、運転手を引き受けている以上、役目を途中で放棄することはできない。

 とにかく相手を刺激しないようにすることが大事だ。

 刺激しないようにと言っても、ただ黙って運転しているだけではいけない。

 つまり、運転手は運転をしながら、時には話し相手や相談役になるというスキルが必要となる。

 なかなか難しいことではあるが、それができてこそ一人前の運転手になれると僕は考えている。

 そのためには人間の心理について知って、他人の気持ちを理解したり、他人の相談役をしておくことが効果的だろう。


 実際、僕はよく友達の相談相手を引き受けている。

 友達に何か良くないことが起こったり、落ち込んだりしている時には、時間を見つけては彼らとよく会うことにしている。

 そしてカラオケやスポーツ観戦、食事をしながら楽しく会話をすることが多い。

 そうしていると、やがて友達が僕に心の内を打ち明けてくることがある。

 もちろん話す内容はあまり前向きではないことが多い。

 でも僕はあえて言い返すようなことはせず、最後まで相手の話を聞くことを心がけている。

 何故なら僕がそこで何か言い返してしまったら、相手が(結局、星野君(仮名)もおれの気持ちを分かってくれないのか。)と考えてしまうかもしれないからだ。

 そうなったらこれから僕を頼ってくれなくなるかもしれない。

 もしその友達に何か良くないことがあれば、僕自身が(あの時あんなことを言わなければ。)と後悔することになるかもしれない。

 そうなった時の後悔は結構長く引きずったりするものだが、一方で、誰かの話はせいぜい数分もすれば終わるものだ。

 そう考えれば、話を聞くことに対する抵抗感も少なくなるだろう。


 僕の経験では、ある友達と久しぶりに会って話をしている時に、悩みを色々と打ち明けられたことがある。

 そして「こんなことは求次(仮名)にしか話せないことなんだ。だから、今日会えてよかった。」と言われたこともある。

 その人のブログを見ると、いつも明るいことを書いているので、少し意外だった。

 だが、その人のライフスタイルを聞いていると、(確かにこれでは人前で弱みを見せるわけにはいかないだろうな。)と、納得することができた。

 だからこそ、人間の心理について勉強して、他人の気持ちや痛みを察することができるようにしておくは大事なことだと考えている。

 その体験が、険悪な雰囲気や落ち込んだ雰囲気が漂うような、いざという時になっても冷静に車を運転できるということにつながっている。

 これは車の運転に限らず、仕事や野球観戦など、様々なことに応用できるだろう。


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