KnowHow2 様々な車の特徴をつかんでおく
運転手が運転する車は1種類とは限らない。時には様々な車を運転する。
僕の場合、最も運転した回数が多いのは自分の車(中古のハイブリッドカー)だ。
個人的にはこれが一番慣れた車なので、この場合はやりやすかった。
だが、マイカーでない車で運転手をしたことも多々あった。
すでに第1項で書いたことだが、僕の場合はマイカー以外に軽自動車や軽トラック、8人乗りの大きな車、さらには経験こそわずかだが高級車を運転したことがある。
車には一台一台特徴がある。
車の大きさも違えば、加速の度合いも違う。ブレーキを踏んだ時の効き具合も違う。
パーキングブレーキも手動式だったり足踏み式だったりする。
ギアの位置も運転席と助手席の間にあることもあれば、ハンドルのすぐ脇にあることもある。
さらには、最近では少なくなったが、マニュアル車を運転する場合にはギア操作とクラッチ操作も必要だ。
だから、運転手をする時にはその車の特徴を素早く把握し、瞬時に的確な判断を下せるようにしておくことが大切だ。
僕自身、マイカーの次に多く運転した車は軽自動車だ。
軽自動車は車体や幅が小さいので、狭い隙間であっても通り抜けやすく、小回りも効くこともあって、運転しやすかった。
だからマイカー以外で車の選択肢がある場合には好んで運転した。
僕が軽自動車について気付いた点としては、まず排気量が小さいためか、マイカーと比べて加速が少し遅いような気がしたことだ。
しかし、これは少し運転すればすぐに慣れたので、特に気にする程でもなかった。
個人的には、もしも車を買い替えるとしたら軽自動車も悪くないなと思った。
燃費がいいのでガソリン代も少なくて済むし、さらには「今日から出来る二酸化炭素削減法(完全版)」を執筆した本人として言わせてもらえば、二酸化炭素排出量も少なくて済むし(笑)。
軽自動車の次に多く運転したのは軽トラックだ。
軽トラックは主に大きな荷物やテントなどの機材を運搬する時に運転した。
軽自動車を借りて運転するようになる以前は、私用で使うこともあった。
(ずばり、「今日から出来る二酸化炭素削減法(完全版)」の「II ガソリン・灯油・軽油から出来る二酸化炭素削減法」に出てきた「軽自動車」とは、ずばりこの軽トラックのことです。)
今道路を走っている車は、ほとんど全てオートマチック車になった。
その中で軽トラックは今でもマニュアル車が主流だ。
僕は元々マニュアル車で運転免許証を取ったし、足が左利きなので左足でクラッチを操作することに抵抗はない方だ。
むしろマニュアル車を運転する機会がなくなっていき、左足が使えなくなることを寂しく感じていたので、軽トラックは大歓迎だった。
だから軽トラックを運転する機会があれば喜んで引き受けた。
選挙のための後援会活動をしていた時には、他の車を運転できる状況であっても軽トラックを選んでいたくらいだ(それも私用で)。
ただ、100kgを越すような重い機材を積んでいた時には加速が遅くなり、さらにはブレーキの効きも落ちてしまう。
こういう時にはいつも以上に慎重に運転する必要があった。
具体的に言うと、いつもなら50km/h以上で運転していたところを40km/h程度に落として運転していた。
後ろを走っている車には申し訳ないが、安全には代えられないため、何とか了解してほしいと思っていた。
ブレーキもいつもよりも早めにかけ始め、ぶつかったりオーバーランしないように注意を払った。
また、軽トラックで荷物を運搬する際にはロープでそれらを固定をする必要がある。
2人で協力して固定する場合もあるが、大抵の場合は一人でそれをやらなければならない。
そのため、運転手はロープの結び方も事前に習得しておく必要もあった。
僕自身、いつの間にか結び方を忘れてしまい、空いている時間に他の人の手ほどきを受けたことがあった。
上記に挙げた車はこれまで運転する機会が多く、乗り慣れていたものだ。
そのため、余計な緊張を感じることなく運転することができた。
しかし、8人乗りの車となると話は違った。
いつだったのかは忘れてしまったが、初めてこの車で大勢の人を乗せるという役目を買って出た時には手が震えた。
何しろ当時はそのような大きな車をこれまで運転したことがなかった。
だが、幸運にも本番まで少し時間があったため、事前に練習をすることができた。
その時、乗ってみて気付いたことは、運転席がかなり高い位置にあったということだ。
そのため、運転している時の景色はいつもとどこか違って見えた。
今では何とも思わないことだが、当時はそのようなことであってもストレスになり、プレッシャーにもなった。
そのため、慣れるまではささいなことでも神経を使った。
最も神経を使ったことは、間をすり抜ける時と、バック駐車をした時だ。
8人乗りの車は横幅がかなり広いため、狭い間をすり抜ける時には当たったりしないか心配になった。
バック駐車をした時には、どこまで下がればいいのかよく分からず、後ろの壁に車をぶつけてしまうのではないかという不安がつきまとった。
(もちろん車は借り物なので、壁などにぶつけてへこませてしまうわけにはいかなかった。)
しかし、何ごともなくできたため、結果的に自信がつけることができた。
そのかいもあって、本番では自信を持って運転をすることができた。
もしもぶっつけ本番だったら手が震え、同乗者の皆様を不安にさせていたかもしれない。
その後、僕は大きな車を運転する自信もつき、これまでに知人の結婚式や統一地方選挙のための後援会活動(選挙活動)の時に8人乗りの車の運転を引き受けてきた。
しかし、一度も運転したことのない車をぶっつけ本番で運転したこともあった。
それは、黒の高級車に政治家の人を乗せた時だ。
その時のプレッシャーは相当なものだった。
何しろ、乗せている人は時々新聞の記事にも載るような人だ。
間違っても事故を起こしたりして、その人の名誉を傷つけるようなことはあってはならなかった。
しかも、乗っている高級車は借り物だ。間違っても何かにぶつけてへこませてはならなかった。
車の幅もマイカーであるハイブリッド車より広いため、狭い道路を通ったり、車と車の間を通る時には十分に注意をしなければならなかった。
排気量も大きいために加速も一般の車に比べて速く、アクセルの踏み方にも気を使わなければならなかった。
とにかく、僕にとってはやりにくい要素が多く、終始緊張しっぱなしだった。
それでもその時は素早くその車の特徴をつかみ、落ち着けと自分に言い聞かせながら運転をした。
結果、僕は何とか事故だけは起こさずに任務を遂行することは出来た。
しかし、この役目は自分には重過ぎると判断した。
正直、選挙などで高級車に重役の人を乗せて運転する人は、こんなプレッシャーと闘いながら任務をこなしていたのかと実感した。
そのため、このような形式の運転手はその後もう一度やっただけで、現在はお断りしている。
上記のように、運転手は様々な車を乗りこなせる必要がある。
時には車を選べず、たまたまその場にあった車を運転しなければならないこともある。
その時には素早く車の特徴をつかみ、運転に慣れなければならない。
そして同乗者に不安を与えないようにしなければならない。
もちろん事故を起こさないようにしなければならない。
大変だが、人に頼られているわけだからその分やりがいもある。
だからこそ、僕は今後も機会があれば運転手を引き受けたいと考えている。




