表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/56

誘拐事件

――だいぶ寒くなってきたな…


空もすっかりと、秋から冬の様相を見せ始めていた。

ドルーネンで依頼していた商隊(キャラバン)からの物資も届き終わり、金の獅子団の冬支度も順調に進んでいた。


その依頼の話が来たのは、そんな頃だった。


「人探しですか?」

「ああ、子供が行方不明なんだそうだ」


金の獅子団の本部へと呼び出されたケティアは、ジエスから告げられた内容に不思議そうな顔をした。


子供の行方不明。


それは、町の外で魔物たちに襲われたり、もしくはマフィアによる人身売買目的の誘拐など、嘆かわしい話だがこのご時世では、あまり珍しい話でもなかった。


「なんでも、依頼の話だと、隣の村で魔物に(さら)われたらしくてな…」

(さら)われる?魔物にですか?」

魔物というものは、基本的には人を襲うだけの存在で、人を(さら)うなどという話は迷信でしか聞いた事がなかった。


「折り紙遊びでもしていたんですかね?」

「さぁなぁ?」

昔から、折り紙遊びをすると魔物が(さら)いにくる。という、子供を怖がらせるための迷信がある。

昔から、折り紙は縁起が悪いとされていた。


懇意(こんい)にしてる商隊(キャラバン)から持ち込まれた依頼なんだが、団を動かす程の報酬でもなくてな…」

そう言うと、ジエスはテーブルの上の依頼書を、ケティアに差し出した。

「悪いんだが、ケティアたち親子と後衛のエーシエで、頼めないか?」


ケティアは依頼書に目を通す。

場所はチッチョルから2日ほどの距離にある、リンシデという小さな村だった。

誘拐された子供は、その村の教会で下働きをしている男の子らしい。

その事に、ケティアの頭には更に「?」が浮かぶ。


――魔物のしわざなら、生きてる公算はほとんどゼロだろうし…


―― そもそも、なんで教会の下働きの子の為に、商隊(キャラバン)に頼み込むような事するんだろ?


更に、依頼料は傭兵団が小隊(パーティー)4人を動かすのに妥当な額面が書いてあった。

なのだが、やはり常識で考えると、とても子供1人探すために出すような金額ではなかった。


色々と疑問符の多い依頼ではあったが、これから冬が本格的に始まるという季節。

ジエスは冬に団を動かす事を嫌う。

しばらくは遠征で『首』を討伐した時の臨時の収入は無くなる。

家計や貯蓄の事を考えると、余裕があるに越した事はないし、なにより…


――アイエルのお誕生日もそろそろだし…


娘の13歳のお誕生日パーティーをより豪華にしてあげたい気持ちもあった。


「分かりました。明日には出発しますね」

「すまんが、よろしくやってくれ」

「はい、それでは、失礼します」

そう言うとケティアは団長室を後にした。


翌日、ライトマン一家とエーシエの一行は、隣村のリンシデに向かい出発する。


しかし、2日の旅程を終えて、リンシデの村で一行が目にしたのは…


村を襲う魔物たちと、それを率いる『首』の姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ