表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/56

天敵

商隊(キャラバン)の護衛とか良いじゃないかしら?報酬もいいわよ」


――あれ…?割とちゃんと仕事探そうとしてくれてる?


「任期5年」


――前言撤回。


「後は、隣町でマフィアのボスの用心棒とかあるわね」

「…ちょっと、アルエンヌ、ちゃんと探しておやりよ」


あまりにもケティアに塩対応なアルエンヌに、ビシデが苦言を呈する。

だが、アルエンヌはツンツンとした態度を崩さない。


アルエンヌの態度には、理由があった。

それはケティアの夫、キュエムにまつわる因縁。


キュエムの特技の1つに、歌があった。

ケティアとキュエムがチッチョルに移り住んだ頃、キュエムは生活費の為に、傭兵のかたわらで、酒場でその美声を披露するアルバイトをしていた時期がある。

その美声と整った顔立ちは、多くの女性を魅了し酒場の売上に大きく貢献していたのだった。


アルエンヌは、その時に出来たキュエムファンクラブの会長を務める程の、キュエムのファンだったのだ。


その後、キュエムのケティアの結婚を泣く泣く祝福したアルエンヌ。

それからずっと、アルエンヌとケティアの犬猿の仲は続いていたのだった。


ケティアを庇うビシデにやれやれといった様子で、アルエンヌは1つの依頼を提案する。

それは近隣の森での、薬草とキノコ採集の依頼だった。

アルエンヌもまた、ビシデ同様にケティアとは10年来の付き合いになる。ケティアの得意不得意はある程度把握はしている。


「あそこは魔物出るから、報酬もそこそこ。それに、ケティアにはその辺の魔物なんて問題ないでしょ?これでいい?」


表面上は塩対応なアルエンヌだが、ケティアの事を心から嫌いという訳ではない。

本当はケティアに対して、素直になりたいのだが、ずっとこの態度を貫いてきた手前、恥ずかしくて今更それを崩せないでいるのだった。


「さっさと依頼書にサインしてちょうだい」


そう言って差し出された依頼書には、隻腕のケティアを気づかい、ちゃんと文鎮(ぶんちん)が添えられていた。


――ほんと、素直じゃないねぇ…


それが分かっているビシデは、クスりと苦笑いをするのだった。

「はいはい、確かに。ほら、さっさと帰ってよね」

それが分かっていないケティアは、頬を膨らませむくれながら、ギルドを後にするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ