世話焼きな金獅子
火が消えるかのように、荷物を持って、とぼとぼと部屋に向かうケティアを不思議そうに眺めるアイエル。
「…ママ、急にどうしたんだろ?」
「疲れたんじゃないか、戦場でも、だいぶ無理させちまったからなぁ」
――あんまり、遠征中に物を増やされると他の団員に示しがつかねぇんだよなぁ…
とは言え、楽しそうにしてた所に水を差した事に、罪悪感も感じるジエスだった。
――まぁ過ぎた散財は、アイエルの教育にも悪いしな…
「アイエルも、今日買ってもらったもん、大切に、長く使うんだぞ」
「うんっ!!」
きゅぅぅぅ…
そんな中、アイエルのお腹の虫が空腹を報せる。
恥ずかしさで真っ赤になるアイエル。
ジエスはガッハッハッといつもより大きく笑うと、その笑い声に更に赤くなるアイエルの頭をポンポンと撫でた。
――しっかり、レディになってきてるじゃねぇか。
中身もしっかりと成長してきているアイエルに、ジエスは目を細める。
「飯の前だが、なにか軽く甘いもんでも食っちまうか?」
晩御飯にするには、まだ少し早い時間だった。 その提案に、アイエルの表情がパァっと、まるで音を立てるかのように明るくなる。
「いいのっ!?」
「あぁ、その代わり…」
ジエスは、またアイエルの頭をポンポンと撫でる。
「あんまり、ケティアに高いものばっかりをオネダリしないようにな」
実に豪快な性格のジエスだったが、こういう時はめっぽう気が利く。




