表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/56

その理由

――…なんだろう…眩しいな。


「…ーシエっ!!エーシエっ!!」


――…ユービス君が…呼んでる?


遠くから聞こえてきた、愛する人の呼び声に、エーシエはゆっくりと目を開いた。

途端、眩しい光が目に刺さる。ぼんやりとした視界が、ようやく輪郭を取り戻していく。

その瞳には、緑の光の向こうに愛する人の顔が映る。

「エーシエっ!!分かるかっ!!」

「お姉ちゃんっ!!」


エーシエは、次第にハッキリしていく思考と記憶に、最後に見た光景が浮かぶと、今自分が置かれている状況をだんだんと把握していく。


――ユービス君…アイエルちゃん…?そっか、私…


エーシエは体を起こそうしたが、よろけて、また倒れ込む。手に力が入らなかった。力が入らないというより、むしろ…

「エーシエ!!」

「お姉ちゃん、まだダメ!!」

エーシエは、ようやくそこで自分の痛みに気づく。そして…


――あ…


エーシエは左手を上げる。

そこにあるはずの左手が、そこに無かった。

その手を引きちぎられた血塗れの左腕が、そこにあるだけだった。


――あ…っ!!


その事実に、エーシエの目から、とめどなく涙が流れ落ちる。

「ユービス君…」


だが、それは…


「ごめん、なさい…腕輪、無くしちゃったぁ…」

そう言った途端、エーシエは声を上げて泣きじゃくった。


――…っ!?


「…ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!」


そう言って泣きじゃくるエーシエ。

ユービスは居てもたってもいられずに、その体を抱きしめて…


キスで強引に、その口を塞ぐ。


そのまま泣きじゃくるエーシエを抱きしめたまま、ユービスはぐちゃぐちゃの感情の中…


どうしようもない愛しさに、ようやく言葉を絞り出す。


「生きててくれて…ありがとう…」


戦場の中で、2人の涙は1つの流れになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ