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WANTED GIRL ~惑星をなおす少女~  作者: 野乃々
2章 宇宙暮らし
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鉄の惑星

『間もなく惑星レグダの衛星圏内に入ります』


 船に搭載されたAIのアナウンス。声が先生に近いのは、インターフェースが似ているのだろう。

 画面を外部カメラに切り替える。いつの間にか、くっきりとした円形の灰色星が映っていた。


 すごい綺麗。これが惑星なんだ!


 時間が経つにつれて、惑星に少しずつ接近し、視界いっぱいに星の表面が映る。

 灰色一色に見えたその星は、白や黒の濃淡があり、それは地表の隆起であることがわかる。人工物も建っているのか、わずかな光も見え始めた、

 画面脇には白銀の球体型衛星が現れて、レンズのついた正面の顔を船体に向けていた。

『識別番号G―0010フェアリーズ。認証確認。只今より、レグダの管轄に入ります』

 先生の声とは違う、無機質の音声が船内に響く。

 衛星と連絡をとったAIが、船の誘導のため指揮系統を託したのだろう。ミュートさんがハンドルを触ることなく、宇宙船がゆっくりと進んでいく。

 次第に地表へ接近すると、惑星の全形を覆う半透明の防御スクリーンが現れた。

 隕石やデブリなどを弾くシールドの一種だろう。大気圏のない惑星では、こうした防壁がないと地表にダメージが入るのだと先生から教わった。

 画面に顔を張り付けてじっと見ていると、数の四角いビル群が目に入った。

 ビルの合間にはアリみたいな小さな黒いものが行き来して建物内を出たり入ったりしている。あれらすべて宇宙船や惑星内の運輸船なんだ。すげー。


「そろそろか……」

 ミュートさんがヘッドフォンを外して、フィルム映像を閉じた。

 大気のない街並みを降りながら、船はドーム状の施設の上で停止した。半球の屋根がゆっくり開くと、移動床式の格納庫が現れる。水平のまま着陸すると、船の両翼に分厚いコードのようなものが巻かれ、床がエレベーターのように地下へ向かった。

 屋根が閉じられ、外部モニターが真っ黒になる。

 節電のため明かりを使わないのかな?


 こうして植民地の惑星に着くのか。ドキドキするなぁ。


 レグダは鉱石資源でできた植民地惑星だ。鉄はもちろんチタンや金、ダイヤモンドなど硬度が高く、美しい鉱石が無限といえるほど採掘できる。おかげで無人惑星だったにも関わらず、大勢の移民者がこの地に住み鉱石技術を磨いてきた。

 ただし、自給できる環境とは程遠い。太陽光はなく、水や食料のすべては輸送船に頼っている。砂地や土が少ないせいか、地下で食物を育てるのも苦労するという。だから鉱石資源を取って加工し、それを売りさばいて食料を買うほうが手っ取り早かった。

 かくいうトネリコの食料や燃料、研究資材などもこの星で調達している。

 レグダの情報を思い出すうちに、稼働していたエレベーターが止まり、船の搭乗口が開いた。


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