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WANTED GIRL ~惑星をなおす少女~  作者: 野乃々
3章 惑星ピアート
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新発見

 外部モニターに映るのは濁ったような黒、光のない黒だ。船の計器はひたすら深度を増していくだけで変化はない。

 ミュートさんは装甲越しの世界に集中しているのか、モニターを注視している。

 スクリューが回る音の中、かすかに水をかいたような音が響いた。


 なんだ? 泳ぐ音?

 デバイスを動かし、外を照らすライトを動かす――が、周囲は漆黒だけ。

 気のせい? それとも思い込み??

 もう一度聴力を頼りにじっと見つめる。

 モニターの深度は徐々に深くなり、重圧も強くなる。

「!」

 おもわず背筋がぴんと伸びた。

 ソナーに反応はないが、たしかに音がした。スクリューとは異なる水中を滑るような音。気のせいかもしれない。でもなぜか、その音に呼ばれている気がした。

「ミュートさん。右90度くらい旋回して、そのまま深く潜ってください」

「何か見つけたか?」

「わからないです。でも、近くに何かいるみたいなんです。あとを追ってみます」

「好きにしろ。俺は一介の運転手だからな」

 そんなに気取ったセリフを言っても響かないぞ。内心は興奮しているんでしょ。


 照明を動かしながら音の方を探る。だけど水の影響で光が屈折し正体がつかめない。

 不意に底から巨大な珊瑚のような影が現れる。

 地底の山のように見えたが、それにしては細い。影は縦に長く、細かい線が左右にいくつも伸びている。なんだろう、これは。


「ツクモ、周囲を見回るぞ」

「お願いします」

 ミュートさんも気になったのか、細長い影に触れないよう微速で周囲を遊泳する。

 龍の巣なのだろうか。いや、それにしては不自然すぎる。

「おい見てみろ……半壊したドーム跡がある」

 ミュートさんがモニターを拡大すると、影がいなくなった場所の先に、半円状の傘みたいなものが映った。


「え? え? これは――」

「あれは天井防壁の一種だ。だとすれば、この星の地底には文明があったと推測できる」

「嘘……」

 驚きより戸惑いを先におぼえた。私はこの星で生物を探しにきたはずなんだが。

「もしかしたら設備が生きているかもしれない。水中都市ならどこかに出入口があるはずだ。このまま探すぞ」

「わかりました」

 生命の存在は怪しくなったが、人工物はたしかに気になる。何かヒントがあるかもしれないし。

「あれ!」

 細長い影から少し離れた場所に丸くくりぬかれた大穴があった。自然にできたというより、誰かが手をくわえた可能性が高い。ミュートさんは船を動かしてその穴の奥へ進む。何もない地の底まで来ると、今度は巨大なドリルを回し始めた。

「どうするんですか!」

「もし都市とつながっていれば、どこかで空洞になっているはずだ。地中から上に進めば内部に入れるかもしれない」

「わかりました」

 ブラックホール圏を調査した人だ。ミュートさんに託そう。

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