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WANTED GIRL ~惑星をなおす少女~  作者: 野乃々
3章 惑星ピアート
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再会

 船内の外部モニターには、赤茶色の巨大な球体が映っている。

 座標にしていた巨大ガス惑星、ライザンだ。政府のデータでは太陽みたいに光線をだしていたらしいが、数千年前から光を失ったという。


 モニターの画面を拡大すると、巨大惑星の周辺にいくつかの惑星があった。レーダーにて広域の隕石や惑星を割り出し、目的の惑星をフォーカスすると、画面に薄青色の星が見えた。目的のピアートだ。

 不意にガス惑星に接近する複数の光が映った。均等に隊列を組み、ガス惑星の横を通り過ぎようとしている。

 なにあれ。

 意図的な軌道だ。隕石群じゃない。

 運転席にいたミュートさんが嘆息した。

 くそ、してやられた。宇宙政府のほうが先についているのか。


 光はいくつか分かれ、さらにそこから微小な光を拡散させる。小さな光はゆっくりとピアートへ接近している。

「帰るならいまだ」

 久しぶりにミュートさんの声を聞いた。

「覚悟はできています」

 夢を諦めるものか。たとえ空振りに終わっても、ここで諦めたら生きている意味がない。

 何も得ることなく、あの重力渦に戻るなんて心底いやだ。


 次第に光の大きさが強くなる。モニターに自然と緊張が増していった。

 船を加速させること数時間。次第に政府の一団がモニターで視認できた。


 中型戦艦が5隻。汎用人型マシンがその周囲に数機動き回っている。

 戦艦の周囲には電子結界が張られている。シールドというより、警報装置の一種だろう。その範囲に触れた瞬間、船の内部にアクセスされて常時警告を鳴らすものだ。

 宇宙政府が惑星を調査する際に、外部の人間や宇宙海賊などに邪魔されたくないようにするバリケードだった。とはいえ興味本位の船や誤ってコースに入る戦艦もいるため、退避の猶予を与えている。

 ミュートさんはその中に入ろうとしている。

 運転はミュートさんに一任して、私は補助作業を行う。

 どうするか悩んでいるけど、運転席から腕が伸びて制止された。

 はやまるなってことか。


 トライズは環境に応じて三形態に変形できる。

 いまは長距離運航型だが、いざとなれば海賊退治の武装変更もできる。とはいえ、形態変化や武装の選択時にはラグがあるし、核融合エンジンの出力先も分散してしまう。安価で汎用性の高い船だけど、武装を使えば移動速度が低下する。ハイスペックの政府の船とはだいぶ違う。

 さすがに人を傷つけてまで自分の欲望を叶えたいとは思わないけど。


 展開する宇宙戦艦にトライズが微速前進で接近する。

 周囲の人型兵器や球体型AIが熱に反応して、私たちの船に近づいた。最初に接近した球体型AIは、小さなレンズから監視用のレーザーを当て、船全体をインプットした。


 ミュートさんは無表情のまま微速を続ける。

 成り行きを見守っていると、船内にノイズのような音が鳴り響いた。

 警告! 巨大な文字が端末に浮かび上がる。

 来た!

 通信回線を開く。

 なおも続く警告音の中、人工音声が喋り出した。

「ここは宇宙国家の指定する禁止宙域です。ただちに宙域から離れてください。繰り返します――」

「ミュートさん、どうします!?」

 こんなときでも反応がない。大丈夫なのか!?


 バグみたいに何度も繰り返す警告音とAIの声だが、不意にそれが途切れた。

 どうしたの??

 一瞬、映る外部モニターには球体型のAIが一定の距離を置いてトライズを取り囲んでいる。


『やはり来ましたか。ミュート、ツクモ』

 先生の声! 球体のAIから先生がハックしてその音声を船内に響かせた。


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