過去の遺物
団子を食べ終えた私たちは冒険者ギルドに赴き冒険者の登録を済ませ、簡単な薬草採取の依頼を受けた。
リンさんもついてきたので採取自体はすぐに終わった。しかしリンさんが寄りたいところがあるということで彼女先導でついていった。
ついた先は小高い丘の上にある石だった。綺麗な球体の磨かれたような石。その周りには立ち入らせないための柵と地面に魔法陣のようなものが描かれていた。
「ここは昔、この街を滅ぼした一匹の竜が封印されているわ。」
リンは柵に近づき石を見つめていた。
その表情は後ろからではわからない。
「だから、もしこの封印が解かれれば間違いなくこの街は滅ぶ。ねぇミライちゃん。貴女はどうしてここにきたんでしょうね」
「え、と、それは・・・」
彼女が何を知りたいのかよくわからない。
彼女が何を求めているのか知らない。
彼女が何を考えているのか理解できない。でも─
「私は元の世界に帰りたい。どうしてここにいるのかとか誰が呼んだとか全然わからないけど、私は帰るために、自分の願いのためにそこにいます。」
リンさんはくすっと笑いこちらに振り向いた。
「帰りましょうか。宿、いいのを紹介するわ。それと少し意地悪な質問をしてごめんなさい。貴女が元の世界に帰りたいのなら私も情報集めてみるわ。」
彼女と私は、夕日に背中を押されつつ帰路についた。
その日、私はリンさんの家でご飯とお風呂を堪能した。




