鉄壁と拳と天使と祈り②
天使。それは男女の仲を繋げたり死にゆく人を天界に連れていく存在──などではない。
曰く、悪魔よりも悪魔と言われ怯えられるほどの存在である。
かつて悪魔が知恵ある生物を殺したのが9人と言われているのに対し、天使は10万を軽く超える。
悪魔が助けに入らなければきっと、その倍以上になっていただろう。
それほどなまでに天使というのは純粋な暴力の化身である。
それが今、何の前触れもなく地上に降り立った。
脅威である。が少し様子がおかしかった。
身体中に切り傷があり、決して少なくない出血があった。
血液が足りてないのか少しふらふらしている。
「偉大なる天使様。その傷は一体・・・?」
「私はみらいという人物を探しています。ここに来る前、その人物が最初に確認された街に行きました。しかしそこで誰も居場所を教えてくれなかったので力尽くで無理矢理聞こうとしたら桜魏洋一という男がボコボコにしました。最初は弱かったのに愛の力とかなんとか言って返り討ちに遭いました。」
ギリっと歯ぎしりする天使に誰も口をはさめないでいた。
(((愛の力ってなんだよ)))
「天使様。我々もみらいという人物を探しておりますが捜索は天使様おひとりで事足りるかと存じます。
故に我々はこの場で撤退させていただきたく思います。」
「ふむ、あなたたちも知らないのですね。いいでしょう。速やかに帰りなさい。ふるいえみらいの身柄は私がもらいます。」




