極意②
「おおカノープ、丁度いい時に来たな。ちょっとミライと組み手しろ」
「犯罪者とは失礼だろ、極悪人と呼べ」
驚いているカノープ君を差し置いて話を勝手に進めていかれる。あと極悪人は犯罪者よりもひどい言い方だと思う。まぁ指名手配に変わりはないし別にいいけど。傷つくだけで。
「また話についていけない・・・。お姉さん名前はなんていうんですか?」
「こいつは古家ミライだ。期間限定とは言えお前の弟弟子だからな。しっかりするんだぞ」
「えええ!?弟弟子!?・・・そ、そっかぁ」
カノープ君は私が弟弟子だと知ると嬉しそうににんまりとした。
「よし!兄弟子の僕が色々教えてやるから、分かんないことあったらなんでも聞けよ!」
「よ、よろしくお願いします。」
「仲良くな。俺様とホルスはちょっと出かけてくる。」
そしてしばらくして、私は木刀、カノープ君は徒手空拳で軽く組み手をすることになった。
結果は10戦中4勝で私の負けだった。
「うーん、なんて言えばいいんだろう。読みやすい感じがする。最初の3回ぐらいは初見だから負けたと言ってもいいけれど剣の型覚えたら攻める手を読みやすくなった。最善手を常に打ってくるからカウンターしやすいし、カウンター決めても態勢立て直すために一旦引くだけで終わっているから何度も攻撃できるし。4回目は剣速早すぎて目で追いきれなかっただけだし。」
事実その通りだった。基本に集中するあまり動きが型通りになっている。
「僕はそもそも剣は得意ではないので型の動きから外れるやり方も知りません。なのでそこは自分自身で良い師を見つけるか、今日の稽古で発見と気づきを繰り返しながらやっていくしかありません。」
強くなるための努力ならみんなやってますと、彼は休息を取りながらぼそりと口にした。




