指名手配②
この時の私には知る由もなかったが、いつの間にか私には魔術が掛けられていた。
認識阻害の魔術。これがあれば例え目の前に指名手配の私がいようと認識することは不可能に近い。
まぁ例外はあるが。そしてそれは先ほど割れた。魔術の耐久値とでもいえばいいのだろうか。それがなくなった。
つまり、私は私として認識され、捕まるのは時間の問題だった。そして運悪く目の前から2人の気配が近づいてくる。そりゃそうだ。魔術が割れた瞬間に感じた無数の視線。索敵、探知、感知、千里眼。ありとあらゆる異能がこちらを覗いていた。あとは近いやつからくるに違いない。
視界に映った2人の筋肉ムキムキの大男達も私を見てにっこりと笑った。
「お前と一緒なんざごめんだと思っていたが、なるほどな。こいつは上玉だ。」
「どうする?どっちにする?」
二人はどうやら私の賞金を山分けする算段を話しているらしい。その間に逃げようと思った矢先、
足元が一瞬暗くなる。影をみてみれば人影が私を囲むようにあった。咄嗟に上を見る。たくさんの人や獣人が、嗤っていた。
「俺らの」
「獲物だ!」
だが、彼らは先ほどの二人の大男たちに吹きとばされてしまった。
有無を言わさぬ強烈な一撃。それだけで襲ってきた人たちは地に伏してしまった。徒手空拳で。
私は知らなかったがこの世界では徒手空拳も立派な戦闘技術なのだろうか。
「ちが・・・こいつらがおかしいだげヴぉ!」
倒れていた人が辛うじて教えてくれるも2度目の拳で抵抗虚しく意識は切れて倒れた。




