指名手配
あの村を離れてから3日。私たちは国境を越え、新たな街へと来ていた。活気あふれるこの街は、桜魏さんたちがいたところとはかなり違っていた。それは行き交う人々を見れば一目瞭然だった。
獣耳に腰辺りから伸びる尻尾。そして時折いるモフモフそうな肌毛。
そう、この国では獣人が多くみられた。もちろんヒトもいたし角の生えた種族もいた。
「それじゃワシらはここでお別れじゃな」
「またね、お姉ちゃん。頑張ってね」
スチーエちゃんが手を振っていなくなる。あと師匠も。
パーティーの人たちとも別れたのでひとまず今夜の宿でも探すかと周囲を見渡すと、近くの掲示板にふと違和感を感じた。
「は?」
違和感の正体、それは私の似顔絵だった。『指名手配、賞金 100万』の文字もデカデカと印刷されている。似顔絵は私にそっくりなはずなのに、振り返っても誰も反応していなかった。
それが逆に恐ろしかった。
私はひたすら路地の奥へと逃げ込んだ。路地なら簡単には捕まらない気がして。
しかし、私の運は当の昔に切れていたみたいで──
パリンと、何かが割れる音がした。それと同時に、たくさんの視線を感じ始めた。
欲塗れの視線。この世はなぜか地獄のようだ。




