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新たなる未来  作者: シンヘイ
鉄拳破砕と雨
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魔女殺し

身体強化ではこの状況は変えられない。窮鼠ではこの状況は変えられない。空を蹴るような技術は持ち合わせてない。あと一歩。そのあと一歩が限りなく遠い。足場まではだいたい3mぐらい。それは問題ない。

だがその足場で獲物を待つかのように不気味に動く水の手。あれに捕まれば命はない。そして私は空中を飛んでて物理法則を無視できない。


ふと気が付けば、私の時間は遅くなっていた。いや、正確には時間の感覚がいつもと変わっているのだろう。アスリートなどが多用する所謂ゾーンというやつに、私も入ってしまったのだろう。

空は蒼くなり始め、太陽が小さく顔を出す。

そして、


少女を見た。美しい銀髪の少女、スチーエが森の入り口に立っていた。

彼女は手を前にかざし、「凍れ」と口にした。たったそれだけで、一瞬にして池の水すべてが凍り付いた。


「ばかな、魔力が籠ってるんだぞ」


ナツさんがありえないと驚愕する。よくわからないが、私の妹はすごいだろう。


安心して、足場を踏んだ。変化はない。当然だ、襲ってくる水の手は全て氷と化しているのだから。

最後の足場を蹴り、私は何かに祈る魔女の首めがけて刀を振るう。


「じゃあね」


魔女からの別れの言葉はシンプルだった。





池は凍ったままだが、いずれ溶けて森の一部となるだろう。私は初めて人を殺めた。昔おじいちゃんが言っていた言葉を思い出す。今なら少しわかる気がする。

人は過ちを犯しながら生きていくしかないのかもしれない。

それでも、助けてくれる人は必ずいる。例えばそう、この胸にある深海の魔女の残滓とか。

・・・どうやって使えばいいんだろう。

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