終末兵器、顕現③
「あれは2千年前のことだったわ。私達は些細なきっかけで暴走を起こした。それは誰のせいでもない、勘違いによる悲劇だった。結局ほとんどの生命を奪ったけれど、残った人たちでまた新しい文化を築いていってた。私とあとの何人かの魔女は優しいから残っていいって言われたわ。いない魔女は天の牢獄ね。
この世界に残った私は少ない命で誰も踏み入ることのない森の置く深くで暮らしていたんだけど、発作とうか仕様というか、一定数の命の貯蔵が強制的にされるようになってて、おかげでまた滅びかけた。
まあ協力的な性格だから、囚人の命を一年に一度、生贄として捧げるかわりに塩を渡していたの。
つまるところは森から出てこないでねということね。仲間にも暴走しないようにとは言っておいたわ。一応私が一番のおねぇさんだもの。」
「・・・さっき飲み込んだペルシ・・・子供を返してほしいんですけど」
私は魔女にお願いをする。
「あー、無理ね。ごめんなさい。」
彼女は顔の前で両手を合わせて頭を下げる。
「一度飲み込んだやつは出せないの。出せたとしてもそれはもう人の形なんてしていない。飲み込んだ瞬間を見てるなら知ってるでしょうけど、引きずり込んだ無数の手。あれはかつて私に飲み込まれた人たちのなれの果てよ。みんなが代わりを求めてる。愚かよね。死んでいるのにまだ生に縋るなんて。さあ、あなたに私が殺せる?物理的に、精神的に、概念的に。私は彼のところに早く行きたいだけよ。なのに異能が邪魔をするから彼のもとに行けないだけ。こんな異能を生み出した神様をもう一度ボコボコにしたいぐらいだわ」




